88話 2頭とも離れないのだが···
犬の名前決まりました
「こら!!離れなさい!!」
メイドさんと雨宮さんが2頭の犬を離そうと奮闘するが、相手は大型犬···なかなか離れない
増援が来て、何とか救助された時には、志希の顔はびしょ濡れだった。
「すいません!!あの子達にはきつく言い聞かせておきます!!」
雨宮さんが頭を下げる
「もう大丈夫です···それより、あまり叱らないであげて下さい。今でも反省している様に見えますから···」
離れた所で2頭のゴールデンレトリバーは伏せの格好で震えている
その2頭の前後には凛と綾香さんが立っていて、凛は怒りの雰囲気で、綾香さんは冷たい雰囲気で立っている
凛が2頭を叱り、2頭の後ろに綾香さんが立っているのだから、怖さは半端ないだろう···
微動だにしないのは、動いたら●られると理解らされているからだろう···
見ていてかわいそうになったので、2人に「そこら辺で許してあげて欲しい」と2頭の解放をお願いする。
2人は「志希様は甘すぎます」といった感じでため息を吐くと、2頭を解放する
解放された2頭は僕の側に来てお腹をみせる
どうやら反省の姿なのだろう
2頭のお腹を優しく撫でてあげると、尻尾がゆらゆら揺れる
「可愛いなぁ···。名前はなんて言うのかな?」
「雄が『ベル』で、雌が『ノア』です」
雨宮さんが名前を教えくれた
「そうか~。ベルとノアか~。」
ワフワフ!!
ベルとノアが嬉しそうに返事をする
どうやら僕にも気を許してくれているようだ
暫くベルとノアを撫でていたが、さすがに手が疲れたので、「はい。おしまい」と言って撫でるのをやめる
ベルとノアは起き上がり、身体を擦り付けてくる
「凄いですね···こんなに早く仲良くなるなんて···」
雨宮さんは2頭の行動を見て驚いているが、僕は「そうなんだ」程度にしか思わなかった。
そして2頭と暫く一緒いると、お昼の時間になり、メイドさんが呼びにきた
折角なので一緒に昼食をいただく事になり、本邸に戻ろうとすると、ベルとノアが一緒についてくる
2頭には別の場所にご飯が用意されているので、そちらに移動させたいのだが、僕から離れようとしない
困り顔のメイドさんにご飯の場所を聞いて、一緒に移動する事にした
案内された2頭の犬小屋は小屋ではなく、二階建ての家だった···
何でも、二階部分でご飯の用意をしているらしく、二階には立派な台所があった。
この家はベルとノアの寝床で、二階でご飯を作り、一階でご飯を食べさせている間に二階の休憩スペースで食事を取り、散歩の間に片付けや掃除をするのだと言う
基本的にはベルもノアも本邸には入らない生活をしているようだ。
メイドさんがベルとノアにご飯を食べる様に言うが、なぜか食べないで僕から離れようとしない···
仕方ないので、メイドさんに「ここでベル達と一緒に食べる」と言って、昼食を持ってきてもらった。
すぐに用意された昼食を僕が食べ始めると、ベル達も無事に食べ始めた
(ここまで懐かれるとは思わなかったなぁ···)
そう思いながら、昼食を楽しむ志希であった。
次回『また来るね。』




