83話 店長は頼りになる人
お昼の時間です
お昼休憩に入り、休憩スペースで弁当を食べる。
鯵のたたきをご飯にのせて、たたきとご飯を一緒に食べる
うん。おいしい♪
新鮮な鯵なんて久しぶりだ
笑顔でどんどん食べていく
『鶏むね肉の生姜焼き』は夕飯にするので、冷蔵庫に付箋を貼って入れておいた
忍野さんのお弁当を見せてもらうと、お肉が多めに入っていた。
「スーパー勤務も肉体労働だから、お肉を多めに入れてくれるだよ」と、奥さんの話をしてくれた。
化粧水は奥さんに試してもらう様だが、「今後欲しがられたら、すまないが···譲って欲しい」と頭を下げられた。
こちらも「想定内なので、大丈夫です」と言うと、心底安心した様だ
忍野さんは僕の話をしてしまったらしく、奥さんから圧があったとか···大変ですね。
「何事も慣れだよ···。それに、感謝の気持ちとして、少しでも喜んでもらいたいからね···。自分で用意出来ないのが少し情けないけど···。」
少し疲れた様子だが、奥さんを大事にしているのは感じられる。
後でもう1本渡そう···忍野さん本人にも試してもらいたいからね
そんな話をしていたら、店長が休憩スペースに入って来た
「加田瀬君。お客様から『うちに新人の美少女店員がいる』と聞いたんだけど、何か知らない?」
「新人の美少女店員?水守さんですか?」
そう返すと、店長が首を横に振る
「水守さんに聴いたけど、違うって言ってたよ。自分も聞かれたって言っていたし······まさか···」
店長が考えていると、僕を見て何かに気がついた様子だ
忍野さんは黙って話を聞いていたが、何かを知っている様な目で僕を見ている。
店長は一度店長室に入り、手鏡を持って来て、僕に渡す
「何ですか?鏡なんて···え?良いから見ろ?」
言われた通りに鏡を見る
鏡に映るのは僕の顔だ
うん。いつもの僕だ。寝癖とかはないよね?ご飯粒ついてたりしてない?
一通りチェックして、店長に鏡を返す
店長と忍野さんは黙ってため息を吐いた···
僕···何かしましたか?
「ここまで自覚がないのは···凄いですね。」
「そうねぇ···ここまでだと、嫉妬すらしなくなるわ···」
何故か忍野さんと店長が呆れている
訳がわからないよ?
あと店長、言葉がおねぇさんになってます。
「まぁ、いいわ···。ここはあたしが何とかするから、悪いけど忍野さんは志希ちゃんのフォローお願いね?」
店長が忍野さんにそうお願いすると、忍野さんは頷いている。
どうやら僕が原因らしい···
しかも忍野さんにフォローしてもらわなきゃいけない程の事か···
少し落ち込むと、店長が励ましてくれた。
「大丈夫よ!!貴方はそのままでいなさい!!笑顔で接客は基本なんだから、気にせず仕事をしなさい。何かあったら周りがフォローするからね!!」
そう言って、店内に向かう店長の背中は大きかった。
やはり店長は頼りになる人だ。
次回『皆を巻き込もう』




