82話 美少女?···どこにいるんですか?
お昼の弁当を買おう
月曜日時刻は11:00
僕は弁当を買いにお兄さんの所へ行く
忍野さんは弁当持参なので、休憩スペースへ向かった。
弁当屋ではお兄さんが品出しをしていたので、声をかける
「お久しぶりです。今日は何がありますか?」
「おう。おはよ···う?えっと···どちら様?」
お兄さんは僕の顔を見て固まり、変な事を聞いて来た
「?僕ですよ?忘れちゃったんですか?」
「···あ~!!いつもの少年か!!いや、すまん!!いきなり美少女が声をかけて来るもんだから、誰だかわからなかったわ!!」
漸く思い出した様で、いつもの様に話し始めた
「美少女?···どこにいるんですか?」
周りを見ても、それらしき人はいない···
「お兄さん···疲れているじゃないですか?幻覚見えるとか危険ですよ?」
「いやいや、少年は鏡見てこい···。その外見で美少女じゃなかったら···いや、止めよう。全女性を敵にまわしたくない···」
ぶつぶつと何か呟くお兄さん···
やはり疲れているんじゃないのかな?
「こほん。気をとりなおして、いらっしゃい。今日は2種類しかないよ。『鶏むね肉の生姜焼き』か『鯵のたたき』か···どっちがいい?」
遂に2種類になったか···
「じゃあ···『鯵のたたき』を大盛りとご飯普通で、お願いします」
「あいよ!!鯵のたたき大盛りとご飯だな。サービスでお茶を付けて500円だ」
「ありがとう。お兄さんはいつも優しいですね。」
笑顔で500円を払い、弁当袋を受け取る
「···よせやい!!テレるじゃねぇか!!よし、内緒で生姜焼きのミニをつけてやる!!」
そう言って追加で『鶏むね肉の生姜焼き』のミニを袋に入れて渡して来た
「ありがとう。また来ますね。」
僕は笑顔で礼を言って、休憩スペースへ向かう
「おぅ!!また来いよ~。」
お兄さんは手を振って見送ってくれたが、顔が少し赤かった様に見える···
やはり何処か体調悪いのかな?
志希が離れると、お兄さんは手を振るのをやめて呟く
「危なかった···あの笑顔は···あと少しで『何かに目覚める』ところだったぞ···」
志希は気がついていないが、温泉の効果で髪艶が良くなり、肌も綺麗になっている為、元々『かわいい寄りだった容姿』が磨かれ、『美少女と間違われるくらいのレベル』になっていた。
店長達は前に見たので、口にしなかったが、今もお客様の視線は志希に向いている事が多い状況だ。
しかも、おまけを貰って上機嫌なので、笑顔で歩く姿は誰もがため息を吐く程可憐な姿だった
そしてその姿が写真に撮られ、ネットで話題になったのを志希は知らないのであった···
その後、ネットに上がった写真·書き込みはすぐに削除され、個人の保存データからも消えていた為、一部の界隈では『幻の美少女店員』と呼ばれ、怪奇事件となる···
この事件の真相は『世界樹』の指示によるもので、ネット·個人データを消したのは『電』の能力である。
その時のやり取りはこちら
「ご主人様の危険因子は排除する···。電···頼みましたよ?」
『まかせて!!全てを消して来る!!ついでにマスターに関する記憶も消す?』
「いえ、データだけでいいです。後はこちらでやっておきます。」
『じゃあ、いってきます!!』
電は探知を使い、全てのデータを消していった···
次回『店長は頼りになる人』




