76話 全部譲り(強制徴収され)ました···
社長に話を聴きましょう
社長室の扉に到着···社員証をかざして扉のロックを外す···
「おはようございま『志希さぁぁぁん!!』(ドスッ!!)···っす!!?」
今日は更に下ですか!!?
大事なところに社長が頭突きをしてきた!!
「!!?@●¥★◎▼■!!」
声が出ない···息ができない···吐き気が···
ボク···オンニャノコニ···ナッチャウ!?
そっと口を押さえて口内に『万能薬』(原液)を出して強制的に飲み込む···
流石は『雫特製万能薬』(原液)!!
痛みも不快感も吐き気も消えてゆく!!
(危うく違う道を歩むところだった···。帰ったら雫を思い切り甘やかそう!!もちろん皆もだが、雫は特に甘やかそう!!)
「「「志希様!?大丈夫ですか!?」」」
メイド3人に心配されるが、それよりも···貴女達の主をなんとかして下さい···。
社長は泣きながら顔を埋めている···
「何とか···大丈夫です。···それよりも···早く何とかしてくれませんか?」
そうお願いすると、綾香さんが社長の後ろに立ち、胴に手を回し入れる
鈴音さんと凛は僕の後ろに立ち、社長の腕を掴む
3人が互いに頷くと、鈴音さんと凛が腕を引き剥がし、綾香さんが一気に持ち上げて、そのまま上半身を後ろに反らす!!
『ごんっ!!』と鈍い音がして、社長が頭から床に着地した!!
綾香さんは自分の主人にプロレス技『ジャーマン・スープレックスホールド』をお見舞いした!!
静寂に包まれた空間に主人に『ジャーマン・スープレックスホールド』をお見舞いしたメイドの姿は綺麗なブリッジを描いていた···
そして、今日の社長は白だった···
柔らかい絨毯敷きとはいえ、かなりの勢いがあったので、社長の頭は大丈夫だろうか?
心配なので鞄から万能薬を取り出し、気絶している社長の頭に優しく塗る
暫くすると気がついたようで、周りを見渡して状況を理解しようとする。
「はっ!?私は何を!?確か···志希さんに泣きついた後······記憶が無いです。」
「大丈夫ですか?急に気絶したので驚きましたよ?」
僕は白々しく声をかける
「お嬢様は少しお疲れの様ですね。キチンとお休みください。」
綾香さんの言葉に同意するように鈴音さんと凛が頷く
3人には救出のお礼(口止め含む)に『化粧水』を各1本進呈してある。
口裏合わせは完璧だ!!
「それで、何があったんです?」
僕はさっさと本題に入る事にした。
「実は···昨日いただいた化粧水なんですが···」
「あれがどうかしましたか?確か皆に試してもらいたくて、数本譲りましたよね?」
「はい。実はあの後···お母様に許可を得てから皆に渡そうと思い···お母様に試していただきまして···」
そこから声が小さくなる
「どうしました?許可が出なかったんですか?」
「いえ···あの······お母様に···『全て譲り(強制徴収され)ました』······」
「·········はい?」
僕の間抜けな声だけが社長室に静かに響いた···
次回『どこか遠くへ旅に出ようと思います。』




