58話 いい肉が手に入った
特売は心が踊るよね
金曜日13:00
志希は社長室で落ち着かない様子でいた
「そんなに気になるなら行ってもいいわよ?今はこれと言った用もないから」
社長がそんな僕を見て、笑いながら提案してくる
「いいんですか!?行ってきます!!」
志希は返事も聞かずに飛び出して行った
「そんなに楽しみだったのね···。」
半分呆れた声を出す静は、何を買って来るのか楽しみにしながら、仕事をこなしていくのであった。
社員食堂4~10階
今日は金曜恒例の『食材売り尽くし』の日である
これは土日祝日等の会社の休みの前日に『休日の食堂に食材を残さない』をテーマに開催される大安売りの日で、『食堂の廃棄食材を極限まで減らそう』と考えられた催しである
各階で売られる品が違うので、お目当ての品の階へ行けばいいのも、わかりやすくて好評であった。
志希は豚肉が目当てなので、豚肉の販売階である9階に来ていた。
「少し早かったかな?」と思ったけど、もう人がいるなぁ···
さて、何があるのか楽しみだ
売店の特設コーナーにいくと、色々な部位の豚肉があった
ヒレ···バラ···肩ロース···皮つきの豚肉バラもある。
今日の目的は『豚肩ロース薄切り』なんだけど···ブロックの方が安いよね~
···よし。肩ロースはブロック買おう!!薄切りも買っちゃおう!!冷凍(保管庫行き)すればかなり持つからね
豚バラブロックは塩漬けでもいいなぁ···
他のスーパーより品は良いし、安いから多めに買おうかな···
(保管庫あるから買うか···今は格納庫にしまっておいて、家で保管庫に移せばいいしね)
あれこれ見て、使い道を考えながら豚肉を入れていく···
気がつくと結構な量になっていた。
「これは家用と社長用で会計別にしないとまずいな···。豚肩ロース薄切りだけ別会計にしてもらおう」
社長用の肩ロース薄切りを上にして、肩ロースブロック等を下にして会計へ行く
まずは薄切り以外を現金で支払い、薄切りを社員証で支払う。
社員証のお金は社長が入れたお金なので、私用では使わない。
昼食代は自分で出そうとしたが、『昼食代はこちら持ちと契約してます』と押しきられて社員証からの支払いになっている。
ちなみに交通費や雑費も社員証払いだ。
志希がこの会社で支払うお金は、多分金曜の特売くらいだろう···
そのうち『料理は契約内容にあるから、材料費はこちらが支払います』とか理由をつけて経費で落とされそうだが···
とにかく、今日はいい肉が手に入った♪
薄切り肉以外をこっそり格納庫にしまう
一応バラブロックは出しておいた。
薄切りだけじゃあ不審に思われるからね
いい豚肉を安く大量に買えた事にご機嫌な志希は、軽い足取りで社長室に帰るのであった。
次回『肉汁と生姜焼きですかね···』




