52話 よろしくお願いします
あの人再び···
火曜日
今日は店長から朝から皆に報告があった
「え~。皆さんに報告があります。今週の木曜日から新人さんが入ります。時間は月火木金の7:00から16:00で、男女各1名の2名です。名前は男性が『忍野』さん。女性は『水守』さんです。基本指導は店員がやりますが、同じシフトの人は補助をお願いします。では、報告は以上です。今日も1日よろしくお願いします。」
「「よろしくお願いします!!」」
報告が終わり、各々が仕事場に向かう
今日は飲み物コーナーの新商品の補充を主にする予定だ。
暫くすると、店長に呼ばれたので店長室に行く
店長室には雨宮社長がいて、店長と僕に話があるので僕を呼んだ様だ
「雨宮社長。今日はどういった要件ですか?」
店長が声をかける
「実は加田瀬さんに相談がありまして···『うちへの出勤日を増やして頂けないかな』と、伺いに来ました。」
「理由を聞いても?」
「実は···先週の事なんですが···」
少し言い難そうに話をする雨宮社長···
話の内容は
先週の水曜日の急用時、社長に持たせたお昼を本社の社長(両親)に見つかり、皆で食べたところ、大変気に入ったとの事。
おやつの『カップケーキ』は3人で食べたので残らなかったらしい
そして雨宮家の料理人に作らせたのだが、何故か再現出来ず
『作った人は誰か?』と問い詰められ
僕の事を話したところ『家で料理を作って欲しい』となったのだとか···
「···と、いう事なんです···。すみません。」
頭を下げる雨宮社長
正直『何だそれ?』と、思ってしまった。
詳しく聞くと、『とても美味しいもの』と、『普通に美味しいもの』があったらしい
鈴音さんが作っても違ったとの話···
あの時作ったのはスーパーの卵を使った『たまごサンド』だ。
何も特別な物も使っていない。
鈴音さんも手伝ったのだから、作り方や材料は鈴音さんが知っている。
だから僕が作る物と差はないはずだ。
「あの···どうでしょう?もし、了承して頂けるのであれば、こちらが人員の補填をさせていただきます。もちろん即戦力になる人材ですので、後はお二人のお気持ちだけなんです···」
消え入りそうな声で提案する雨宮社長が小さく見える···
店長は何も言わない
どうやら僕自身が決めろという事らしい
「···何曜ですか?」
「いつでも構いません。都合のいい曜日でお願いします。」
「······店長。1つ良いですか?」
店長に声をかける
「何かな?」
「僕のシフトを月火にしてもらえませんか?」
「···いいよ。それで水木金を雨宮社長の出勤にするのかい?」
「いえ、水曜日は休みで木金を雨宮社長の方へ行こうと思います」
「···うちは構わないよ?補填はしてくれるから、被害は少ないけど、雨宮社長はいいんですか?」
「はい。うちとしては、来ていただけるのであれば問題ありません。」
店長と社長は互いに確認して、この案で決定したようだ。
「では、いつからそのようにしますか?こちらはいつでも構いません。今週···木曜日からでも大丈夫です。」
さすが雨宮社長だ。準備万端で話を持ってくる
「そうだねぇ···明日休みにしてあげるのなら、こちらも木曜日からで大丈夫ですよ?どうかな?加田瀬君」
店長もそう言って同意する
さらっと明日休みにするのは店長からの優しさだ。
「僕も大丈夫です。『明日1日休みをもらえれば』ですが···」
「では、この話はその様に決定としましょう。加田瀬さんには木金の2日、わが社で勤務をお願いします。」
「はい。よろしくお願いします」
話が纏まり、各々の仕事に戻る
店長と雨宮社長は手続き関係で、店長室に残り、僕は飲み物コーナーへと戻って行った。
しかし、何故たまごサンドの味が違ったのだろう?
次回『うん。わからないや···』




