47話 新しい鉢植えを買ってあげよう
世界樹が怒ってます
「ごめんね···つい、嬉しくて···」
今現在、僕は世界樹に謝っている
「···」
「本当に久しぶりの休みなんだよ?色々あって、全然休みらしく休んでなかったら、休みたいじゃん?いくら聖域で疲れがなくなっても、気持ちの面が休まらなきゃ、疲労は抜けないよ?」
最近は特に色々あって、休日は気持ちが休んでいなかった。『買い出し』や『魔法の練習』でのんびり休日らしい過ごし方もしていない
「···」
世界樹はまだ怒っているようだ
「···そうか。そんなに怒っているなら、もう何も言わない。好きにすればいいよ。」
僕はそう言って空間移動を発動する
『『マスターどこ行くの!?』』
白達が聞いて来るが、こちらも答えない
志希は無言のまま移動してしまった
部屋に残された白達はすぐに探知を発動し、志希を探す···
『『見つけた!!』』
そしてすぐに志希の元へと移動して行った
残された世界樹は何も言わないままだった···
「僕はどうすればいいのかな?」
ここは、とある山の中にある小さなお寺
墓石の前で、そう呟く志希がいた
墓石の正面には文字が彫られている
『加田瀬家』
そして側面には2つの名前が彫られていた
ここは志希の両親が眠る場所
後から来た白達は少し離れた場所にいる
「父さん。僕はどうすればいい?母さん。僕は何が出来るのかな?」
「魔法が使える様になっても···僕のこの気持ちは消えないよ···。精霊達は皆可愛いし、素直だよ。時々困らせて来るけど、それもちゃんと解決していると思う···。皆は言えば理解してくれる。少し子供っぽいけど、それも魅力の1つだ···」
「世界樹は豊富な知識と聖域と世界樹の実で色々と助けてくれてる。たまに変な言動するけど、そこは個性と受け入れてる」
「もう家族と言っても良いかもね。新しい家族···うん。そうしよう。皆僕の家族だ!!」
何かを吹っ切る様に言う志希だが、その表情は暗い···
「皆といるのは楽しい。本当に楽しいんだ···皆が頼ってくれるから頑張れる···僕は1人じゃない···皆が···家族が笑顔を見せてくれるから···家族の笑顔が見たいから······そうか···そうなんだ···僕は···独りは淋しい···から···誰かに見て欲しい···一緒にいて欲しいんだ···頑張っているんだ···なのに···また···失う······の······」
その場に膝をつき、泣きながら言葉を発する···
何かに縋る様に···
何かに訴える様に···
『何かを求めてさ迷う子供』
···今の志希はそう見えるだろう
どれくらい時間がたったのだろう···
辺りは暗くなり···気温も下がっている
未だに動かない志希に白達が触れる···
「皆···」
言葉に力がない
『『マスター···お家に帰ろ』』
「もう少しだけ···居させて···皆を紹介したい」
志希は白達を1人1人丁寧に紹介していく
新しい家族として···
帰る前に墓の掃除をして帰る事にした。
琥珀は花を育てて墓前に供え
雫は墓石を水で洗い
灯と風華は温かい風で墓石を乾かし
白と黒と電は綺麗な布で磨いてくれた
綺麗になった墓前で手を合わせる···
白達も一緒に手を合わせる
皆いい子だ···だから、失わない為に何が出来るかな···
とりあえず···世界樹には新しい鉢植えを買ってあげよう···
あの樹も含めてみんな家族なんだから···
「父さん。母さん。また来るね···」
そう言い残し、空間移動で自宅へと帰って行った
両親に向けた顔はとてもいい顔をしていた···。
次回『進化した世界樹···って!?キモッ!!』




