28話 スカウトされたよ
今日もバイトです。
木曜日時刻8:10
スーパーヒラヤマが開店して10分後···
「おはようございます。」
「···おはようございます。」
朝の通勤時間をずらしたお客様達が、朝食を買いに来店する時間帯に、僕は一人のお客様···につかまった。
スーツを着て、手にはビジネスバッグを持つ女性の名前は「雨宮静」さん
前に困っていた所を助け、スーパーヒラヤマで再会。
そして一悶着(?)あって、今の僕はあまり会いたくない人
「今日は何のご用でしょう?店長室はご存知の通り1階ですが?」
ここは2階の洗剤売り場だ。
朝早くとは言え、お客様がいない訳ではない
なるべく早く処理したいと思い、用件を聞く
「はい。今日は貴方に用があって来ました。加田瀬さん。うちに来ませんか?」
「お断り申す!!」
いきなり何を言ってるんだ?
···話が長引く未来が見える
あぁ···今日も疲れたなぁ(逃避
「そう言わずに話を聞いて下さい。店長さんにはお話してありますので」
根回しがよろしいようで···
「···話だけなら。1階の休憩スペースでいいですか?前みたいにならない様にしたいので···」
「はい。店長さんにもそう言われまして、加田瀬さんが良ければ使ってと言っておりました。」
本当···準備がいいね···
「わかりました。では休憩スペースへ行きましょう。」
近くにいた店員さんに話をして少し抜ける事になった。
店員さんも理解しているようで、許可してくれたよ。
···申し訳ない。早く戻って来ますね(希望
こうして2人は休憩スペースへ向かって行った。
休憩スペースで向かい合って座る
「それで?どういう事ですか?」
早く終わらせたいオーラを出しながら聞く
「はい。今回は加田瀬さんに『うちの社員として働かないか』とお誘い···スカウトに来ました。どうですか?」
···何言ってんだこの人?
「話が見えません。なぜ僕なんですか?特に何の資格もない、スーパーのバイトですよ?それに、僕は貴女のお仕事すら知りません。その説明も無しでスカウトと言われても返事以前の問題です。」
仕事内容すら説明されて無いのに、返事が出来る人はまずいないだろ?
彼女は返事するのか?······しそうだな
「これは失礼しました。気持ちが早ってしまい、大事な事をお話してませんでした。すみませんでした。」
彼女は非を認め、頭を下げる
「いいですよ。それに敬語も不要でいきましょう。話が長くなります。」
申し訳ないが彼女に敬語で話す気が失せた。
何かもう···早く終わらせたいだけになったからだ。
ふむ。と頷く彼女は提案を受け入れ、改めて話を始めた。
「では、仕事内容を説明するわ。私は今システムプログラム系の仕事を請け負ってるの。それで、貴方には私のサポートをお願いしたいの。」
「サポート?僕はシステムプログラムなんて知らないから無理だよ。」
バッサリといくよ。
「プログラム自体を作って欲しい訳じゃないわ。私のサポート···つまり、秘書の仕事をして欲しいの」
「何言ってるの?秘書?社員に秘書?」
彼女の言葉が理解できない
「あっ、私『雨宮商会』の一つの会社の社長をやってるの。と言っても、小さな会社を任されているだけよ?それで、秘書を探していたの。」
「はっ?『雨宮商会』ってあの『雨宮商会』の!?様々な分野に精通していて、『欲しい物は全て雨宮で集まる』って言われてるあの『雨宮商会』の会社社長!?何でそんなお偉いさんがここに!?」
衝撃の事実である。
『欲しい物は雨宮に行け』
これは世間の認識である
『あなたの生活は全て雨宮におまかせ!!あなたが欲しいものは何でもあります。雨宮商会です』
と言う売り文句で宣伝していて、一般家庭向けの商品(食糧·生活雑貨等)から建築不動産·大型物販·運送·旅行等様々な職種を持つ超巨大企業だ
思わぬ所からスカウトされたよ
次回『店長と相談させて下さい。』




