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第1回:『着想』と『テーマ』


第1回:『着想』と『テーマ』

 今回は『小説』の元となる『着想』と『テーマ』について、お話ししたいと思います。

 着想だのテーマだのと言うと、「初めて小説を書こう!」と思っている方が、いきなりガッチガチなってしまいそうな内容なのですが、気楽に考えていきましょう。

 例えるならば、『着想』は「道でふと気になって拾った泥まみれの小石」で、『テーマ』は「その小石の泥をぬぐったら宝石の原石だった」という感じです。

 それでは、細かい説明に入ります。


1.着想

1-1.『着想』とは

 『着装っ!』などと格好良くいってみたいところですが、それでは完全に誤字です。

 正確に『着想』と覚えましょう。『着想』なんて難しい言い方がいけないんでしょうか。もっと簡単に言ってしまうのであれば『思いつき』や『アイデア』と言えます。むしろ、こちらの言い方のがメジャーかもしれません。ただ、語彙を増やす良いきっかけだと思っていただけると光栄です。

 とりあえず、話を戻すと、「こういう物語はどうだろうか」と、自分の頭の中でイメージすることが『着想』です。


 この段階はあまり作業とは言えないのですが、とりあえず、『着想』は多い方が良いです。と言うのも、この『着想』がいくつ出てくるかで、あなたが小説家になれる可能性が多少は左右されてしまうからです。

 拾った小石が多ければ多いほど、小石の中に宝石の原石が混ざっている可能性も増えていくからです。

 もっとも、山のように拾った小石が全てただの小石で、一個だけ拾った小石が宝石の原石ということもよくあるので、「たくさん出ないから小説家になるのはやめよう」などというのも早計です。


 さらに、この『着想』ですが、拾った小石の数よりも大事なことがあります。それは、アイデアの小石を拾う場所です。

 例えば、『VRMMORPGで命をかけたゲームをする』や『美少女に囲まれてドキドキのハーレム状態』などという「いかにも売れそうな」着想をしても、同じような着想をした人が既にたくさん居るでしょう。

 その小石が確実に宝石の原石であったとしても、市場で、『もっと大粒の同じ宝石の原石』を加工した作品が既に『商品化』されていた場合、あなたの持っている宝石の原石が売れるかどうか。はっきり言って、疑問符が付きます。


 つまり、『着想』をするに当たって、「いかに多数の小石を拾うのか」よりも、「いかに『未知の宝石の原石』を掘り出すか」という要素がかなり大きなウエイトを占めていると言えるのです。


1-2.そうは言っても現実的に……。

 ちなみに、現実的なことを申しますと、まずは『商品化』されている原石(着想)を一通り書き出す(PCの文書ファイルでかまいません)と、そこから新しい『加工法』を思いつく場合もありますので、いきなり未知の宝石の原石を探すために自己内面世界へと旅立つよりは、こちらの方がお手軽です。

 むしろ、初めての作品であるならば、「『二次創作』のが楽なのではないか」と思うくらいです。

 


2.テーマ

2-1.『テーマ』とは

 続いて、『テーマ』の説明に入ります。

 まず、前置きとして、『着想』と『テーマ』に大差はありません。数ある『着想』の小石の中から、これはと思った物を選別したものが『テーマ』です。

 それでは、本題。

 『テーマ』とは、最終的に『小説』の主軸になるものなのですが、この段階ではせいぜい、「拾った小石(着想)を布で少しぬぐった程度の物」くらいに考えましょう。

 つまり、この段階での『テーマ』とは、「あなたが作品にできると思えるもの」かどうかです。

 どれだけ良い宝石の原石を手に入れたとしても、加工する技術が無かったり、そもそも、それが宝石の原石だと気づけないのであれば、手も足も出ないですから。


【例】

『剣に封じられたドラゴン』

 →◎ファンタジー作品に出来そうだ。

『神棚にある呪われた祭具』

 →◎信仰と狂信の狭間といった感じが出ます。

『幼なじみとのいざこざ』

 →◎恋愛フラグ・友情フラグ・敵対フラグ・死亡フラグへ加工しよう。

『尊敬する師匠の裏切り』

 →△この展開はベタだが熱い。他方、伏線を張りまくらないと読者には不評。

『擬人化』

 →△物語のキーなどに使える。しかし、技量がかなり必要。

『蜘蛛と蜥蜴の異種恋愛』

 →×おそらく需要が無い。



 こんな感じに、自分の今の技量で作品に出来そうか判断して、手元に残す小石を選びましょう。

 初めて小説を書くのであれば、一つの着想をそのまま物語のテーマにできるものがオススメです。

 そのテーマに沿って書いていれば話がブレにくいですし、なによりシンプルなので読者に理解されやすいです。

 上記の例の中で、単独で作品になりそうな『テーマ』は『剣に封じられたドラゴン』と『神棚にある呪われた祭具』といったところでしょう。

 そして、書きたい『テーマ』が決まったら、どうしてその作品を書きたいのか、どういう作品にしたいのか、簡潔にメモしましょう。『初心を忘れずに』。これが一番作品をブレさせないコツです。


2-2.実戦投入にあたって

 本格的に小説を書き始めた場合、複数の『テーマ』を織り交ぜていくことで、『新しいテーマ』を生み出していくことが必要になってきます。

 上記の例を引き合いに出すと、『蜘蛛と蜥蜴の異種恋愛』×『擬人化』や『剣に封じられたドラゴン』×『尊敬する師匠の裏切り』、『神棚にある祭具』×『幼なじみとのいざこざ』などが組めるでしょうか。

 どうでしょうか。単独ではあまり光る物が無い『テーマ』も、組み合わせによって『複合テーマ』にすることで、差別化できたのではないでしょうか。

 こうやって複数のテーマを織り込むことで、誰でも見つけられるような宝石の原石が、その組み合わせによって、全く異なった素晴らしい作品に加工できることもあるのです。


 さらに『テーマ』の話を掘り下げて行きましょう。

 物語全体にピンと筋を通すための『テーマ』は小説を書く上で、必須になります。

 一方で、小説を連載するとなると、先ほど説明した『複合テーマ』を用いても、力不足な気がします。

 小説における力不足とは、ネタ切れの危険性を孕んでいるので、小説全体に一つ大きな『テーマ』を掲げると共に、1巻~複数巻ごとに『テーマ』を付け足してあげることで、ネタ切れの危険性を回避できます。

 例えば、メインの『テーマ』を『剣に封じられたドラゴン』として、以下のように派生します。

【例】

1巻:『剣に封じられたドラゴン』

2巻:『剣に封じられたドラゴン』×『幼なじみとのいざこざ』

3・4巻:『剣に封じられたドラゴン』×『尊敬する師匠の裏切り』


 こうやって、話ごとに『テーマ』を継ぎ足してあげることで、話のラインをブレさせることなく、ネタ切れを回避することが可能です。もちろん、その場しのぎの新しい登場人物や設定を足していくと、『使い捨て』などと叩かれかねないので、前々から伏線を張ることを心がけましょう。



3.まとめ

3-1.まとめ

 さてさて、『着想』と『テーマ』という、まだ小説本文にも入らないようなところで、だいぶ書いてしまいましたが、最後にもう一度、簡単にまとめさせていただきます。

 最初からここだけ読めばよかった、なんて言わないでください。要約能力も小説家には必要なんですから!←


○『着想』

 小説のアイデアや思いつきのこと。数があればあるほど良いが、他の人と違う着想を心がけることが大切。


○『テーマ』

 『着想』によって出てきた小説のアイデアや思いつきの中から、実際に小説にできそうな物を選別・組み合わせる作業。

 この『テーマ』の選別作業の結果が、あなたの作品の『色』になりますから、どうしてそういう作品を書きたいのか、しっかり考え、メモしましょう。


3-2.終わりに

 柊緋色の「なんちゃって小説講義(断じてそんなタイトルは付けたくない)」はいかがでしたでしょうか。繰り返しになりますが、この記述はあくまでもファンタジー・SF小説家を目指している「初心者」・「道に迷ってしまった中堅の方」用のものです。 

 既に自己の方式を確立されている方にとってはお目汚しどころか、自己のやり方を否定されたと思ってクレームを付けてくる方もいらっしゃいますが、クレームはスルーしますので、ご了承下さい。

 なお、誤字脱字、表現がわかりにくいなどのご指摘はメッセージでお願いします。PC画面でずっと編集していたので、目が痛くなってきており、ミスがある気がして仕方ありません。

 それでは、これにて第1回:『着想』と『テーマ』を終わります。

 お読みいただきありがとうございました。


3-3.次回予告

 エヴァの曲とか流したくなりますよね、次回予告って漢字を見ると。

 次回、第2回:『ストーリーの構築』をお送りいたします。

 

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