第13話 イベントショップ
第七位階上位
イベントクエストをクリアして数秒後、気が付くと、僕達は鍛錬島の海辺に立っていた。
位置的にはクワガタの様な形の鍛錬島の、角と角の間、口の辺りだ。
そこに、いつのまにか港の様な施設が出来ていた。
どうやら、イベントクエストクリア後は、この海岸の周辺に転送される仕様になっているらしい。
取り敢えず、無許可で屋台を設置する事にした。
◇
手伝ってくれた皆を労い、戦場に送り返す。
この点、アトラやエヴァ辺りだと、若干拘束時間が長くなるので、今回の人選は完璧である。
転移でさっさと拠点に戻り、得られた物の確認をする。
先ず、限定クエストのクリア報酬は、1万MC。1万EP。
エクストラ評価は、『最高品質』で10万MC。10万EP。
このEPと言うのが、イベントショップでアイテムを買うのに使う貨幣である。
イベントクエストのクリア報酬は、5,000EP。
エクストラ評価は、『宝庫発見』『書庫発見』『アガーラ撃破』『エラン撃破』『ゲッシュ撃破×5』『鎧撃破』『人形殲滅』『討伐報酬』で、2,150EP。
どうやら、人形達の中に隠しボス的な存在がいたらしい。
続いて、イベントインベントリを確認。
中身は、焦げた木材。壊れた石材。壊れた道具。コアの欠片。拉げた門。土。石。草。石片。木片。それから、無地の鎧の欠片。無地の籠手。宝庫の鍵。宝《中》。宝《微》。書庫の鍵。魔本《中》。アガーラの魔剣。
整理分類や画像スキルの効果で、通常のインベントリ同様中の物を確認出来るので、ざっと見てみる。
木材。石材。石槍や石斧、盾等のドールやゴーレムからドロップしたアイテムは、特に良い物も無いので、コアやその欠片だけを残してショップに売却。
門は金属製なので貰っておいて、草には薬草が混じっているのでそれを残し、石にはちょっとした宝石の原石が混じっていたのでそれも残し、後の土や木片、城の石材も纏めて売却。
無地の鎧の欠片は……一応金属なので籠手と一緒に残し、鍵と宝物もちょっとした金塊や金属なので残して……魔本は……見た目重厚な感じのハードカバーだが、中身は下級魔法が描かれている魔法符だったので悩んだが、こう言うの好きな子が何名かいるので残した。
そして最後、アガーラの魔剣は、見た感じただの魔鋼の剣で、特に効果も無い様な代物だった。取り敢えず残す。
売却額は、締めて……153,500EP。
土や草、石片木片はおよそ1K〜10Kからの買い取りで、土と石類は10Kで1EP。ただリッドがごっそり持って行ったので、土だけでも5万EPになった。
何らかの形で修正が入る事だろう。
総合獲得ポイント量は27万と少々。
最後に、イベントショップを見てみる。
先ず、ポーション類が、上級ポーションで5,000P。中級で1,000。下級が250。
その他の資材やら道具やらを見る限り……ポイントの価値はMCとほぼ同じくらいと考えて良いだろう。
つまり、土類は売らない方が儲けだ。
ただし、イベント限定アイテムが複数存在するので、それを買う事を考えると売った方が良いだろう。
件のイベント限定アイテムだが……現状買える物は、大した物ではない。
無地の鎧の各部位が、3万〜5万P。それより上位と思われる色付き鎧が、30万〜50万P。
それから、鈴が付いた武器類、『鈴の剣・初』等の季節物が30万P。
『護鈴の面・初』等の仮装系も30万P。
……普通そっちメインにして然るべきじゃないかと思わない事もないが……ユウイチ君とかの記憶を見る限り、鈴鳴祭とか鈴音祭とかそう言うのを世界規模でやってて、未だに一つの家が強大な権力を握っている僕の世界の方が大きく歪んでいる様に見えるので、これは当然の結果なのかもしれない。
取り敢えずそれぞれの効果は不明だが、鈴音祭の鈴の音は世の禍を祓う為に鳴らす物なので、浄化の類の効果がある事だろう。
ざっとした報酬と収益の確認を終えた。
新たに分かったのは、イベントインベントリの回収アイテム枠からアイテムを取り出すと、回収アイテム枠に戻す事は出来ないと言う事くらい。
最後に無地の鎧の能力を確認してみたが……硬化系の何という事もない微小な補助が付いた鎧だった。
適正レベルは、良くて30って所かな? レベル30に殴られたら大きく歪むだろうが、普通の金属鎧だったら拳型にがっつり凹むので、そんな物だろう。
ただし、無地と言うだけあり、多少の補助効果を後付け出来る余裕がある。
戦闘に特化した能力構成を刻めば、レベル45くらいまでは通じる……かもしれない。
◇
さて、それでは、いよいよタク達の装備作りを始める。
午前中に色々やった疲労も多少回復して来たが、全員分作ったら普通に倒れるだろう。
今日の予定は……チサトを甘やかすのと新規マレビトの様子を見るのと全員に稽古をつけるのだけなので、休み休み作成して修行タイムまでに終わらせればそれで良い。
先ず作るのは、タクの装備だ。
最初に、神霊金属一歩手前の素材、魔王鋼を用意する。
鉄に魔力を押し込んでひたすらに圧縮。魔鋼。魔導鋼。魔賢鋼と強化していき、魔王鋼が完成。
ここからやり方を変え、シャルロッテとナーヤを使って斬属性を練り上げ、コトノチャンとうーたん、四月一日妹を使って原子一粒一粒へ丹念に斬属性を練り込む。
おまけに素材の魂に斬の神権を取り付け、ペルセポネと黒霧が持つ複数の魂魄に信仰を捧げさせる。
更に、既に幾らか生産されている経験値粉も投入。
無事完成したのが此方。
白無后 品質S レア度7 耐久力S
備考:神霊金属『白無后』。幼霊。
一瞬白無垢かと思ったが、正確にはハクムコウ。
真っ白な斬属性の神霊金属である。
これを刃に使い、ヒヒイロカネとシャスティア、グリア=ミルレイとオルダナを用いて、幾らかの補助効果を刻んだ所で、完成。
日輪 品質S レア度7 耐久力S
備考:神霊金属ハクムコウとヒヒイロカネ、シャスティアを用いて作られた神刀。
月輪 品質S レア度7 耐久力S
備考:神霊金属ハクムコウとグリア=ミルレイ、オルダナを用いて作られた神刀。
空白部分を多目に、タクの性質に合わせて斬属性のスキル因子を埋め込んだ、タク専用武器である。
おまけで、イロミツタマとアダマンタイト、神珍鐡を用いた、身軽な布鎧も付けておいた。
ついでに、今のタク達のレベルに合わせた格下装備を適当に作ったので、普段使いする分にはそちらを使って欲しい。




