第11話 夢の世界の戦利品
第七位階上位
気付くと僕は公園にいた。
木のウロに隠された六角プレートが灰色に変わり、溶ける様に消滅する。
それを見送った後、僕はぐぐっと伸びをした。
「……ふ……ぁぁ……疲れた」
疲れた。今回は、いや今回も本当に疲れた。でも……。
「……楽しかった。かな?」
アリスの権能を持つ者に出会えたし、沢山レアアイテムをゲット出来た。
味方の修行にもなったし、僕自身のステップアップにもなった。
掛けた苦労と消耗に見合う、うまうまな迷宮だったね。
「……さて」
極僅かの間余韻に浸った所で、最後の確認を行う。
そう、状況のせいで完全にスルーしていた、ジャヴァウォックとアリスの撃破報酬である。
あぁー……アリス、アリスアリス……本人がいないから何度でも呼べちゃうねぇ。
正直言うと、最後に名前を呼んだのが結構なダメージになっているのは否めないが、後悔は無い。
さて、大きく脱線した。先ずは、奈落の踏破報酬。
スキルポイントは10P。
エクストラ評価が、スキルポイント21Pと各種アイテム。
『覇王の証』が、おそらく裸王の撃破報酬で、大きなチャンピオンベルト。
効果は、基本的には肉体強化系の補助効果が常時掛かり、仙気による強化が施される『チャンピオン・ハート』と、必殺パンチを放てる『マキシマム・インパクト』がある。
ネタ装備かな?
『ラスト・エンゲージ』は、蛙彦の報酬だろう。2つで1つの指輪型装備で、愛し合う2人の愛の力に応えて、様々な奇跡を起こす事が出来るらしい。
具体的には、絶大な愛属性で魂魄同士を接続し、片方が死んでももう片方の元で復活したり、片方が危機に陥ればもう片方の元へ転送されたり、その逆で駆け付けられる様になったりする。
誰にあげよう……。
『血塗れの君』は、綺麗な半透明の宝石が埋め込まれたナイフだ。
神珍鐡の合金なのか、サイズが若干変更可能であり、マチェットの様にもなる。
ジャック・オア・ジャクリーンと合わせて使う武器の様で、それを使って殺した対象のスキルをジャック・オア・ジャクリーンに取り込む事が出来るらしい。
ベルベルからトランプ王達、リヨンの報酬は、『ル・ベルムの明珠』『ハートの明珠』等の、謎のアイテム。
感覚的には宝珠に似ているが……宝珠と表記されない以上別の物なのだろう。
泉の女神は『水鏡殿』。
綺麗な泉のある神社の様な建築物だ。
主な効果は、設置した周辺に生命力を振りまく物と、祠で水の純結晶を生成すると言う物。
前に入手したミニピラミッドに効果を追加した様なアイテムだ。折角なので何処かに置いておこう。
花の小女は『約束の花園』と言う名の、此方も施設系アイテムだ。
携帯可能なペンダント型で、花っぽい装飾の中心に小さな珠が付いている。その中に、花園と言う異空間が存在するのだ。
効果は、良く育つ花壇……いやまぁ、空間を隔離出来るので、精霊帝の領域の様な使い方も出来ない事はない。
茨の怪物は、育って増えて分裂する茨モンスター付き施設アイテム『黒薔薇の塔』。
これもペンダントで、言うなれば移動要塞だ。
茨モンスター達はウネウネ動いて此方の指示もちゃんと聞くので、森とか山とかの探索時に使うのが良いだろう。
お菓子の双子は、『菓子聖のレシピ』。
本型の知性ある道具で、お菓子作りのアドバイスをくれる。
素材を解析したり気温や湿度に合わせた適切な時間配分をお知らせしてくれたりする、便利道具だ。
お菓子好きな子は多いが、作りたい子となると……あげる候補としては、アランかエミリーくらいしか思い浮かばない。
続いて金剛丸。『国士無双』。
怪力無双と比べると単純上位互換の大斧だ。
ざっと見た感じ、アダマンタイトと神珍鐡の合金、比重はアダマンタイトが多めだ。ヒヒイロカネも少し入ってる……かな?
火の神性は力の神性と相性が良い様なので、それらを引き込む為に少し混ざっているのだろう。
ヒメは、『月ノ宮』と言う施設系アイテム。
規模は水晶宮と同じくらいで、月の魔力が満ちており、何とも言えない居心地の良さを感じる。
月の属性柄、僕の配下には相性の良い強い子が多いので、誰か1人にあげるとなると……いや、サンディアにあげて吸血鬼の城にするのが一番か。
グンハは、例の美味しい物が出てくる袋『心呼御前』。
美味しい物でろっと願って手を突っ込むと桃が出るアイテムだ。
自由に中身を変える事は出来ない。桃ニ嘘ハツケナイ。
まめちゃんの報酬は、『打出の小槌』。
魔力をごそっと消費して金銀財宝を出したり五穀を出したり出来る他、実は神珍鐡メインの合金で、巨大化させてハンマーとしても使える武器だ。
五穀に関してはちゅんこから良い物を貰っているので、主に金銀財宝を出すのに使うだろう。
件のちゅんこは、『ササメ枡』なる枡をくれた。
これはササコガネなる品種のお米がコンコン湧き出る枡で、ササコガネはなんと一俵レア度6の超高級食材であった。
米のレア度は一俵で2〜3と言った所なので、相当レアなアイテムだと言えよう。
その生産速度は……放っておくだけだと1日で大体一合。およそ300g。8時間100gの計算だ。
魔力をゴリゴリ消費すればその限りでは無いが……消耗は凄まじくなるだろう。
釣竿法師は、亀の甲羅っぽいデザインの大盾『万年甲羅』。
シャオロンは、龍っぽいデザインの槍『剛孔龍妃』。
甲羅は、アダマンタイトではなく何かの魔物素材だが、凄まじく堅牢だ。
シャオロンの方も同じく魔物素材で、水属性の力を持ち海流を操る強力な槍。
最後、ジャヴァウォックが、懐中時計型の装備で『クロックロック』。
指定範囲を空間固定する事が出来る魔道具だ。
続いて、アリスの撃破報酬。
スキルポイントは30P。
夢郷の皆が持っている信仰集積装置の模造品『名も無き原典』。
指定範囲の大気中に存在する信仰を自動的に回収し、純結晶よりも更に小さな結晶体を生み出す事が出来る砂時計『神刻の砂時計』。
アリスに変身出来る腕輪『虹乙女の転輪』。
それと……『追憶結晶の鍵』。
幸い鍵の方は無駄に主張したりしていないので、気が向いたら行こう。
エクストラ評価報酬は、スキルポイント10P。効果不明スキル『夢見の少女』。スキル『夢属性』。
信仰に関わる強力な道具を沢山ゲット出来た。
後は寝る前に……いや、確認作業をやったらもう寝る時間無いな……仕方ない、今日は完徹だ。




