第13話 うまうまなお宝
※1400万PV達成
第七位階上位
《【運命クエスト】『ジャックと巨人と財宝と』がクリアされました》
《【運命クエスト】『王子様は愛と共に』がクリアされました》
《レベルが上がりました》
いざ、開戦。
……となる前に、巨人お兄さんから待ったがかかった。
話を聞くに、色々と手違いがあったらしい。
その最たるものが……幼女達の暴走……と、僕が全部纏めて持って来てしまった事。
元々のシナリオでは、2個目の宝物をジャックの元へ持っていった後、ジャックは外で待機している手筈だった。
ハープがジャックの手に渡った時に警報が鳴る仕様で、本来の戦場は屋外だったらしい。
しかし、警報が鳴ったと思ったら場所は玄関で、何故か転がってるジャックに呆れていたら、犬が僕の存在に気付き……此処で逃したら試練を与える事が失敗になると慌てて道を塞いだ……ら、娘達がジャックをぶっ飛ばし、何故か僕を捕まえようとしだした、と。
……遊び相手が欲しかったのかな?
まぁ、そんなこんなで、改めて外に出て正式な試練を受ける事となった。
順当に行った場合は、挑戦者とジャックが協力し、強化された巨人お兄さんを倒して終了になる予定だったらしいが、今回はその予定を変更し、ジャックを瓶詰めにした。
理由は特に無いが、強いて言うならジャック無しのエクストラ評価狙いだ。
流血沙汰になるので幼女達にはお帰り頂き、瓶詰めジャックと巨人お姉さんが見守る中で、強化された巨人お兄さんと犬のコンビと僕の部下達が戦い……無事試練突破と相成った。
また、カエルことウォロテート君のクエストは、クエストクリア報酬の入手アイテムを一通り確認した所で、クリアのメッセージが届いた。
出した子達全員が語り終えたのだろう。
話をしただけの筈だが、ニュイゼ達には一応休憩しておく様に言っておいた。
特にニュイゼとシャルロッテは曲がりなりにも神気を操作したので、しっかり休んでほしい所である。
2つのクエストで新たに入手した物は、スキルポイント6P。『真愛剣・ワトワイア』『ラヴィング・ハート』。『マジックツリードロップ』。『ニコラメダル×2』。
エクストラ評価報酬で、スキルポイント5P。『清水大聖心虹雫』。『ジャック・オア・ジャクリーン』。『ニコラメダル×3』
それぞれ、確認しよう。
先ず、赤い柄に青の宝石があしらわれた剣、『真愛剣・ワトワイア』が、例の愛属性の聖剣。
僕の戦闘タイプには合わない剣なので、適当な子に渡そう。
『ラヴィング・ハート』がラヴィング・オブ・ラムヒギンの少女が付けていた物と同じ、翼とハートの装飾が施された勲章。装着すると、愛を力に変換する事が出来る様になる。
つまりは、葉一君の能力と似た様な物だ。葉一君の今妹にあげよう。
『マジックツリードロップ』は、薬箱みたいな物に収まったそれぞれ色が違う7個の豆。
基本の6属性に加えて、空間操作系の魔力を持つ透明な豆があり、願いを込めて地面へ投げると瞬く間に願いの形へ成長する特性を持つ豆だ。
後で豆増えろと願って投げよう。
次、エクストラ評価報酬は……僕から見ても、かなり強力と言わざるを得ないアイテムだ。
『静水大聖心虹雫』は、虹色の輝きを纏う涙滴型の青い結晶。
効果は、結晶を取り込んだ者へ水と生命と蛙と愛の神気を馴染ませつつ注入すると言う物。
……つまり、大袈裟に言えば神化アイテム、または使徒化アイテムだ。
主人がいないので厳密に使徒とは言えないだろうが、精霊帝達が使役する使徒の様に、大きな神気をその身に宿す事が出来る。
馴染ませつつと言うのが肝で、愛故か適性の低い者にも根気よく馴染もうとする性質があり、ただの蛙に入れれば瞬く間にレベル600クラスの化け物が育つ代物だ。
言うなれば、消費型の宝珠。
ただし、蛙の神気が多めなので蛙以外には基本的に適性が低く、場合によっては混じり合うのに年単位の時間が掛かるケースもあるだろう。
……決して相入れない存在は無いと言うのが、愛属性の真髄なのかな?
ウォロテート君に感謝しつつ、取り敢えずこれはレイエルにぶち込もう。
『ジャック・オア・ジャクリーン』は、水の様に透明な人形。
能力は、主人の求めに応じて何にでも変じ何事をも成すと言う驚異の代物。
まぁ、何でも出来る訳では無く、命じられれば出来得る限りの手を尽くして実現しようとすると言うだけの事だが。
憶測になるが……天下に名だたるジャック様と言う自己紹介は、個では無く群。即ち、名に宿る膨大な群体神性である事を宣言していたのではなかろうか?
ジャック・オア・ジャクリーンは凡夫の群れを現し、多才多芸だが万能に有らず、天賦の才に見えて天才に有らずと言う悲しき運命を背負う者。
……その上、これは人ですら無いただの道具。正直言って、黒霧がいれば十分なので、ゴミみたいな物だ。
何かしら良い使い道を考えねばなるまい。
例えば……形代金と僕の神気を組み合わせて、万能不滅の天才を生み出すとかね。
後は、巨人から盗んだ後に貰ったお宝達。
ハープは神霊金属の合金製で、音魔法の類いに高い適性があり、ついでに知性ある道具でもある。
かなり良い拾い物だ。
金の卵を産む金の雌鶏像は、魔力が続く限り金の卵をポンポン産んでくれる。
僕も大概神気の大いなる力と言うのを理解して来たので、上手くやればこの雌鶏が産む何の変哲もない卵型の金の塊からヒヨコを孵化させる事が出来るだろうと分かる。
僕の訓練の為にも、暇な時に雌鶏量産計画をやってみよう。
財宝袋は、良く調べた結果、金や銀を増殖させるアイテムでは無く、中に入れた金属を増やすアイテムだと言う事が判明した。
現状希少な形代金を入れておく。
お宝全体の僕的評価は……うまうまでハッピー。ニコラメダルの価値がイマイチ分からないが、他はほぼ文句なしの逸品だ。
……一部ゴミみたいなどと評価したが、それもその実レベル500程に通じる力を持つ神代の代物なので、決してゴミではない。
ワンダーワールドはうまうまな迷宮である。
◇
蔓の螺旋階段でやる事はもう無くなった。
当初の目的である、高い所から迷宮を把握する。が達成出来なかったので、次の目的地に向かう。
ざっと周りを見渡した感じだと、遠く南西に大きな山が見え、比較的近い南東に山……と言うか丘と言うかのちょっとした起伏が4つある。
迷宮を把握すると言う目的上、南西に向かうのが妥当なので南西へ進むが、それが駄目だったら4つの山の方に行こうか。
まぁ……駄目な気しかしないんだけどね。




