表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十三節 鈴守神事の攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

892/1539

第10話 天下に名だたるジャック様

第七位階上位

 



 遥か天の頂。



 ふんわりと柔らかく、しかして硬い雲の大地。



 それより上には燦々と輝く太陽しか無く、何処までも青い空が広がっていた。



 ざっと周りを見渡してみると、遠くに森や小川が見えるが、どちらも少し入った所でフィールド制限に阻まれる様だ。

 つまり、探索範囲は城の様な立派な家屋のみ。



 取り敢えず調べてみようか。





《【運命(ディスティニー)クエスト】『ジャックと巨人と財宝と』が発令されました》



運命(ディスティニー)クエスト】

『ジャックと巨人と財宝と』


参加条件

・空の城に入る



達成条件

・試練を乗り越える



失敗条件

・無し



・備考

 恐ろしき巨人の城で財宝を手中に収めよ。



・主な出現魔物

天の巨人





 開きっぱなしの大扉から城に入って早々、クエストが発令された。


 それと同時に、物陰にいた男に声をかけられる。



「ようようお嬢ちゃん。あんたも宝探しかい?」



 歳の程はおおよそ20歳前後、赤みが強い茶髪にヘーゼルの瞳の軽薄そうな青年だ。


 腰には短剣とカンテラを下げており、大した武装もしていないが……歩き方が完璧に常人の平均なので、戦士としては大分やる方だろう。



「その様だ」

「そうかいそうかい、俺ぁジャック。天下に名だたるジャック様たぁ俺のことよ! よろしくな!」

「僕はユキだ。よろしく」



 伸ばされた手を握り、ブンブン振り回される。

 そうかと思えばジャックはパッと手を離し、頭の後ろで組み合わせた。



「いやー、まいったぜ。この先には恐ろしい巨人がいてなぁ、宝を守っていやがる。ありゃーとてもじゃねぇが倒せるモンじゃねぇぜ」

「ふーん。強いの?」

「ああ、強い強い。天下のジャック様でも逃げるので精一杯ってなモンでなぁ、隠れて進むしかねぇのさ」

「そう……パパッと倒しちゃう?」



 レベル800までならどうにか出来るけど。


 そう聞くと、ジャックは慌てた様に手を振った。



「ば、バカ言っちゃ行けねぇっ。あんな化け物ぁ誰にも倒せやしねぇよ」

「そうかな」

「そうそう、無理無理」

「そうかなぁ」

「いやほんと、まぢで化け物。倒せない奴」

「……そうかなぁー」

「まぢまぢ、無理なモンは無理。ほらあれだ……そう、巨人さん達だって生活があるんですよ? 無闇に殺しちゃいけません!」



 ……怪しい。しかしそう言うルールなら仕方ない。


 ……と言うか、盗みに入った癖して生活があるんですよとは。



「……分かった」

「おうおう、分かってくれたか。んでよ……まぁ隠れて進むしかねぇ訳だが……そうだなぁ……俺ぁさっき逃げて来た拍子に足を挫いてな、流石のジャック様でもこれじゃあ巨人からは逃げらんねぇ」



 何処も挫いている様には見えないが、そう言うならそういう設定なのだろう。



「おっかさんの薬を買う為に忍び込んで見たがなぁ……宝がリビングルームにある事は分かったんだがなぁ……この足じゃあ忍び込むこたぁ出来ねぇ……誰かかわりに行ってくれる奴がいりゃあなぁ…………はっ」



 ジャックは頭を降ったり遠くを見たり足を揺らしたりした後、今気付いたと言わんばかりに僕を見た。


 わざとらし過ぎである。



「……」

「……」

「……上級ポーショ——」

「——おーっと嬢ちゃんっ、丁度いい所にぃ! いっちょ頼まれてくんねぇかぁー!!」



 僅かな沈黙。



「いやポー——」

「——いたたたたぁ!! こりゃあポーション飲んでも治んねぇ奴だわ! マヂヤバイ奴だわ! 嬢ちゃん俺のかわりに宝ぁ取ってきてくんねぇかぁ!!」



 意地でも僕を行かせるシナリオである。



「……仕方ない、行くか」

「おおー! ありがてぇ! これでおっかさんの薬が買えるってもんよ! 宝はリビングルームにあんぜぇ。金の卵を産む雌鶏よ」

「うんうん」

「そいじゃあ頼まぁ…………くれぐれも、巨人に見つかるなよ? 巨人倒すなよ? 絶対だぞ。約束だぞ!」

「ウンウンオーケー」

「……ぜ、絶対だからなぁ!」

「ワカッテルワカッテル、キョジンタオサナイホント」

「ほ、ほんとに分かってんのかぁ?」



 念押しするジャックに適当に返答する。


 そう言うシナリオなら仕方ない。倒せそうでも倒さない。



「おーいっ、なんとか言えー! 分かってんのかー!!」

「ユキ、ウソツカナイ、ホント」



 慌てて更に念押しするジャックを適当にあしらいつつひらひらと手を振って、僕は城の奥へと歩みを進めた。





天の巨人 LV550



天の巨人 LV300



 外は石造りなのに廊下はフローリングな室内を進み、右手側にあった一番最初の半開きの扉を潜った。


 そこは手前に机、奥に台所のあるダイニングキッチン。

 ジャックの話によるとお宝はリビングにあるそうなので、ハズレである。


 そこにいた巨人は、方や台所で何かカチャカチャやっているレベル低めの巨人お姉さん。方や食卓に突っ伏して寝息を立てている巨人お兄さん。


 良く物語にある様な醜い巨人では無く、普通に人間の相似形巨人である。


 その身長は優に僕の10倍を越えている。おおよそ25倍と言った所か。

 人間の身長に直すと……おおよそ170半ばくらいかな?


 まぁまぁな身長である。



 ……この状況で僕が言える事は……薄々気付いていたが……この家、外観と中身のサイズが全然違うぞ。


 物理が仕事してない。



 差し当たって……僕が見た感じ、食卓の上に小さな雌鶏が入った鳥籠が置いてある様に見えるが、ジャックはリビングだと言っていたので、リビングを目指して進んでみよう。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
― 新着の感想 ―
[良い点] ジャック頑張れー 巨人の命を君背に!! [一言] 誰一人も生きてない=誰にもバレてない
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ