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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十三節 鈴守神事の攻略

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第4話 それ即ち加護

第七位階上位

 



 アムが出て行って数分後。



 不穏な発言に警戒しながら様々な確認作業を進めていると……急に吐き気がして来た。



「……うぅ、き、きもぢわるい……」



 何が起きたのやら分からないが、こう言う時こそ冷静に。


 先ずは自分を鑑定してみる。



ユキ LV627 状態:崩壊《小》



 そこにあったのは、合成獣の失敗作に出る状態異常。


 そうと認識する間に、状態異常は小から中へと変わった。

 そもそも最初は微とかの筈だから、一瞬で症状が重篤化しているのだろう。



 こう言う時は……落ち着いて……冷静に、冷静に考えよう。



 崩壊とは。



 合成獣のそれを見るに、崩壊と言う状態異常は継ぎ接ぎの部位が上手く繋がらずに起きる現象だ。

 合成獣の場合は、淀んだ生命力が半物質化して溢れ出し、そう時間を掛ける事なく死に至る。


 一歩進んだ目で見れば、各部位其々にある固有魔力が無理矢理且つ不完全に繋がれる事で拒絶反応を起こし、魔力同士がぶつかり合う事で繋ぎ目から生命力と魔力が零れだす。

 生命力が半物質化しているのは、ポーションの回復作用が原因だ。


 言うなれば、合成獣の崩壊液? は出来損ないの命。生体物質に成り掛けの命の塊だ。

 よく浄化して不純物を取り除き、傷口とかに塗り込めば、忽ち回復する事だろう。


 それはともかくとして……崩壊が起きる原因は、支配出来ない力同士がぶつかり合う事だと考えられる。


 では、僕が今支配出来ない力とは?



 ……神力しか無い。



 僕は急いで天座に不要な保有神力を流し込み、僕の神格に無い神権の回収率を5%まで下げた。


 すると間もなく崩壊も収まり、妙な発熱と悪寒、吐き気も治って……一息つく。



「はぁ……」



 どうやら、僕には複数の神権を得る資格は無いらしかった。





 僕に資格が無いとは言え、多数の信仰を遊ばせておくのはあまりに勿体ない。


 ……まぁ、遊ばせておくと言っても、神力は無駄にはなっていないと思う。

 何せ質が尋常では無いし、多分何処か僕の感知し得ない場所に蓄積されている筈だ。


 思いの外神力の回復スピードが速いのは、おそらく何処かに蓄積されていた神力が、神権を弄った事でそれが呼び水となり引き寄せられている可能性もある。


 それを調べる術が無いのは歯痒い点だが、とりあえず神権は配下に分散して付与しておこう。

 フリーの霊珠や精髄もあるし、適性次第では配下を一気に進化させる事が出来るかもしれない。



 神権はそれで良いとして……今個人的に気になるのは、アナザーの決闘システムだ。


 あれには、宣誓の文言に戦いの神とやらが出て来る。

 それが実在する神霊なのか、或いはシステムの神が生み出した虚像神性なのか……僕は今、神に敏感なオトシゴロなので興味があるのだ。


 ……と言うか、ぶっちゃけると、戦の神って気勢が荒そうだし、神権を取ったら襲い掛かって来ないか心配なのだ。

 遊技神とか、遊楽の神権を取ったら絶対ニョロッと出て来るから。姿を現さなくても必ずちょっかいをかけて来るからね。


 触らぬ神に祟りなしと言うが、戦神はどの神話においても強大な存在だ。

 その神権を捨て置くにはあまりに惜しい。


 それに、近場に存在する神霊は把握しておきたい……敵対するかもしれないし。



 幸い僕には金の神がついているので、最悪の事態にはならないだろう。



 と言う訳で、魔覚を発動させ——





 ——文言を唱える。



『戦いの神に——』



 ——そこまで言った時だった。


 僕の目前に小さな神力の塊が出現したのは。



 戦の神力はしばし浮遊すると、間も無くふわりと虚空に消滅した。



『戦いの神』



 試しにそれだけ唱えると、目の前に先よりも小さな神力の塊が現れた。



『戦神』



 そう呟くと、現れたのは更に小さな神力の塊。


 どうやら、神に語りかけると神霊の権能の一端が降臨するらしい。



 今度は心を込めて呼び掛けて見る。



『戦神……!』



 現れたのは最初の物よりも大きな神力の塊。


 続けて、今度は少し長めに呼び掛ける。



『戦神よ、来たれ!』



 現れたのは、より大きな神力の塊。


 おそらくだが、単に神に呼び掛けるだけでなく、相応の言葉、即ち言霊を付け足す事で相応の効果が現れるのだろう。





 しばらく実験と検証を続けた結果……おそらく戦神は虚像神性だろうと言う結論に至った。


 それと言うのも、呼び掛けて現れた神力を全て回収したからだ。

 普通の輩なら何らかの方法で文句を言いに来るだろう。


 それが無いと言う事は、元々存在しないか、或いは僕なんて眼中にない程強大な存在なのだと考えられる。


 元々居ないなら神権を確保しても問題ないし、居たとしてもここまでやられて何も言って来ないなら問題無いだろう。多分。


 また、神力を呼び出せる大きな理由が降臨と神権スキルによる物だと言う事も分かった。

 呼び掛ける度にそこそこの消耗もあるし、僕自身の魂魄が何かをしていると言うのは分かっていた事だ。



 更に呼び掛けの調査を進めた所、戦神以外の神力も呼び出せる事に気付いた。


 ただし、戦神と比べて出現する神力は少ない。


 理由はおそらく、システムの神がPVPの為に戦神の神力だけ現れやすい様にシステムを構築したのだと推測される。



 纏めるとこうだ。


 戦神だけは、PVPの為に普通の人が呼び掛けても現れる。

 他の神権は、降臨と神権スキルが無いと現れない。



 ただまぁ、呼び掛けで出現する神力は多分蓄積された神力だ。神権を確保しておけば、一々呼び出す労力を掛けずに済む。

 この技術が生きるタイミングは……確保している神権以外の神力が必要になった時くらいである。



 ……それと、これは推測だが、神権に元締めとなる個体が存在した場合、神力を呼び出す事は出来ないだろう。

 理由は単純で、仮にも神権を持つような存在が、名を呼ばれる度に神力を消耗する状況を良しとするとは思えないからだ。


 元々そう言うシステムを構築しているのならばもっとまともな加護を送るだろうし、呼び掛けで神力が現れるのは主人がいない証だ……と思う。


 結局神の事なんてまだまだ分からないが、戦神の件に関しては多分大丈夫だろう。



 さて、憂いも一つ無くなったので、早速マレビト招致に向けた各都市の整備を始めよう。


 ……見栄え重視で。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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