第3話 見栄え重視!
第七位階上位
神格と神権スキルは、鑑定の様な機能も付いているらしい。
例えば、モンデシウルのウルラナ。
【現界神:峰大神】
・神性
モンデシウル——81%
母——12%
山——5%
・加護
ー神の加護
幼神の加護
【神権】
・概念神権
母——84%
山——38%
・固有神権
モンデシウル——82%
・保有神力
モンデシウル——1,071
金——1,000
母——310
山——105
この様に、モンデシウルはおよそ300年程を獣人の守護者として君臨し続け、現人神として外敵から獣人を守り続けた実績がある為、凄まじい量の神力を持っていた。
実像を持ち君臨し続けた事がこれ程までの神力を得る事に繋がったのだろう。
また、ウルラナに神権スキルを使用した事で、分かった事が1つ。
僕は僕の支配領域内、及び支配下から、神権を徴収出来る。
支配下からの神権の確保は簡単だ。
配下に神権スキルを使い欲しい神権を選択し、出て来た項目から神性強奪とやらを行使すれば良い。
そうする事によって、配下の持つ神権を僕が取得できる。
ただし、なんの制限も無いのかと言うとそんな事は無いらしく……ウルラナから母の神権を移そうとしても6%しか得られなかった。
おそらく……僕の神性と母なる神、または母信仰との相性が良くないのだろう。
まぁ、見た目からしてガラじゃないし、むしろ6%も得られた理由が分からない程だ。
……多分うーたんらへんの意思が関わっているのだと思われる。
また、神権の徴収にはそこそこな量の精神力を消耗し、特に固有神権の徴収は……概念神権の数十倍消耗した。
……更に、固有神権はどう言う訳か、3%程取ったのに数分もしない内にウルラナに戻ってしまった。
その後にウルラナの子の1人を見たところ、モンデシウルの神権を数%持っていたので、神権の回収率、シェアが高い者に吸収される仕様ではない事が分かった。
原因はおそらくだが、僕がモンデシウルの固有神権を得る資格の様な物が無いのだと思う。
元の種族が狼だったら得られる。かもしれない。
因みに山の神権はポンっと取れた。戻しておいた。
支配領域内からの神権確保の方は、単純と言えば単純だ。
やり方は、欲しい神権を選択して神性支配を行使し、ピピピッとシェアを上げれば良い。
ただし、最初から保持している神権以外を上げるには、配下から神権を徴収してから上げるか、領域内の民からその手の信仰を捧げて貰う必要がある。
つまり、最低でも回収率が1%無いと神権を確保する事は出来ない。
その上、配下が神権を得ている場合、配下から直接徴収する必要がある。
神権スキルの表記の都合上、1%未満の神権は表示されないので、1%未満の神権を配下の多くが所持していた場合、どうにかして自力で神権を回収する必要が出て来るだろう。
続いて、特殊なサンプルとしてヴェルガノン。
【現界神:噴禍神】
・神性
ヴェルガノン——52%
ヴェスミシス——18%
フォルナ——9%
火山——7%
火——7%
精霊——5%
・加護
ー神の加護
幼神の加護
【神権】
・概念神権
火山——52%
火——31%
精霊——12%
・固有神権
ヴェルガノン——98%
ヴェスミシス——97%
フォルナ——95%
・保有神力
金——1,000
ヴェルガノン——987
ヴェスミシス——232
精霊——176
火——122
フォルナ——119
火山——112
若干神力の量が少ないのは、長い間神力をも消耗し続けていたからだろうか?
……ともあれ、神名を得た精霊帝達の考察である。
ヴェルガノン含む6人の精霊帝は、名前を得る事で固有神権を獲得した。
原理は簡単で、名に宿る器無き信仰を名を得る事で獲得したと言う物だ。
ヴェルガノンと言う神性に彼の性質が合致し……つまり、器無き神格と神格無き器の性質がある程度似通っていた事と、肥大した神格が器を求める作用と彼が神格を求める作用が働いた事で、ヴェルガノンはヴェルガノンの神格を手に入れたのだろう。
……つまりは……器無き信仰、即ち虚像神性は上手い事やれば回収出来ると言う事だ。
更に言うと、器無き信仰を確立出来れば、その分の神力を回収する事も出来ると言う事だ。
例えば、何らかの英雄譚的物語を作り、その主人公をうーたんとかにする。
その物語を製本して、数百万の民に読ませる。
すると、英雄うーたんに信仰が集い、神力を確保出来る様になる。
この主人公の所を架空の存在にすれば、虚像神性の固有神権として神格を確立出来る……筈だ。
その他にも、人ではなく物、所謂神器と呼ばれる様な武具であったり、霊験灼かと言われる様な土地、建物などにも神格を宿す事は出来るだろう。
幸いにして、ルベリオン王国の民や、旧ベルツ大陸の数百万の民達には、凡ゆる物に精霊は宿るとする精霊神教がベースに存在している。
名前とか見た目とかでちょっと特別感を出せばコロッと信仰してくれるだろう。
今後は神権を意識した物作り、町作りをして行こうか。
具体的には見栄え重視。
差し当たって僕が確保している神権を最大まで上げてしまおう。
いよいよ僕も神っぽくなって来たねぇ。
◇◆◇
「——……と、その時の僕は少し浮かれていた。
……ニコニコと美しくも愛らしい微笑みを浮かべ、玉座に踏ん反り返って調子に乗っていた。
……まさかあんな事になるだなんて、その時のマイロー……僕は思いもしなかったのです」
「……戻って来て早々不穏な事を……冷蔵庫の整備は終わったの?」
「……整備完了。ただし食材や素材を得るには解体する必要がある。生物の解体はアンジュが得意」
「それじゃあアンジュには暇を見つけては解体する様に指示を出して」
「……了解。次の整備に移る」
「その前にさっきの不穏な発言について詳しく聞こうか」
「……言えない。そう言う設定」
お口の前でばってんを作り、マイロードに伝える。
……言えない。
相反する神権を持ったり、魂が受け止めきれない過剰な神権を持つと神格に不和が生じて魂魄が崩壊を始める事を。
……言えない。
神格に関わる話を言える様になる条件は、特定フィールドで隠された御霊石を入手する事だと言う事を。
……でもこれだけは言える。
「……我が主なら大丈夫」
「何が大丈夫だと言うのか」
「……言えない。そう言う設定」
「あぁ、うん。分かった。……お勤め頑張ってね」
「……了解」
隠し事の多い私を、我が主は嫌な顔一つせず、むしろニコッと優しく微笑んで送ってくれた。
……言えない。
そう言うちょっと困った様な顔も好きだなんて……恥ずかしくて言えない。




