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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十二節 楽園の守護者の攻略

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第39話 楽園

第七位階上位

 



 無事ちびっ子軍団の襲撃を回避した僕は、黒霧を除いた21の精鋭に明日の朝までの休憩を言い渡し、その他の子達には夜までの狩りを命じた。


 各員への労いを済ませ、軽く休憩を取った後……僕は迷宮探索最期の仕上げとして、楽園(エデン)へ向かってみる事とした。



 どう言う訳か調子も良いし、この機に向かうのが最良の選択だろう。



 鍛錬島の屋敷から中庭へ出て、インベントリから楽園の鍵を取り出す。

 宙でそれを捻ると、予想通り大きな扉が現れた。



「……さて、鬼が出るか、蛇が出るか」



 両開きの門に手を掛けて、僕はそれを押し開いた。





 カッと光が瞬き、気付くと僕は広間に立っていた。



 僕の背後には玉座と思わしき大きな椅子があり、そして僕と椅子はあの光る円盤の上にある。


 目の前には数段ばかりの段差が存在し、その先には……4つの人影。


 それは見覚えのある影だった。



 一番前にいた黒髪の少女が跪坐く。



 それに続いて、白髪の優男が、金髪の鬣幼女が、水色髪の女が跪坐く。



「……長らくお待ちしておりました。我等が主の御帰還を——」



 其処で少女は言葉を区切ると、顔を上げた。



「——御命令ください、我等が主(マイ・ロード)



 ——広間に光が射した。


 光は跪坐く4人を照らし、その様はまるで英雄譚の如く——



アダム・カドモン LV800



 ……レベル上がってるし。


 その上種族も違う。





 どうやら敵では無いらしいアダム・カドモン達。


 しかし味方かと言うと……いやまぁ味方だが、条件を満たさないと楽園(エデン)から出る事は出来ないらしい。


 その条件と言うのが、失われし楽園(エデン)の復興。


 それも、僕が直接手を下す事は出来ない仕様である。


 方向性を決めたり、資源を送る事は出来ても、発展させるのはアダム・カドモン達らしい。



差し当たって、楽園(エデン)の現状について教えて貰う事とした。



「現在の楽園(エデン)に有る問題点を教えて欲しいな」

「……主、その前に我々に名前を付けて欲しい」

「ん? うん、分かった」



 唐突な名付け要請だが、問題無い。適当に付けてやるとしよう。


 先ず黒髪の子だが……。



「……可愛い名前を希望する」

「……じゃあリアムで、愛称はアムね」

「アム……及第点」



 むふぅと満足気なアム。


 それを放置して、次は優男っぽい女性。

 彼女は、しっかり見るとちゃんと女性だった。骨格が。



「……何か要望とかはあるかな?」



 そんな僕の問いに、彼女はニコリと、爽やかな笑みを浮かべた。



我が主(マイロード)。貴方に呼ばれるのなら、僕はどんな名前でも構わない」

「……とか言っているが、私の名付けが良さそうだったからの発言。腹黒」

「いやいや……アムは手厳しいなぁ。なら出来れば、カッコいい名前でお願いしますね、我が主(マイロード)



 どうやら、彼等の仲は悪くなさそうである。


 僅かなやりとりで彼女は爽やかな笑顔から少し変わり、ちょっと嬉しそうにはにかんでいる。



「……じゃあリュカで」

「良い名をありがとうございます。我が主(マイロード)



 嬉しそうなリュカの次は、うずうずワクワクしている鬣幼女。



「君はエイミーだ」

「エイミーっ、エイミー!」



 ぴょこぴょこ跳ねまわるエイミーは、近場にいた水色髪の女に飛び付いた。


 やや大きめなクッションに顔を埋め、腰に回された手には、並大抵の人物なら鯖折りになりそうな程の力が込められている。

 エイミーもおかしいが余裕で耐えている女もおかしい。



「ふふ、良かったね。エイミーちゃん」



 女はもさっとしているエイミーの髪を優しく撫で、エイミーは猫の様にごろごろ喉を鳴らしている。

 ……リオンの因子をより多く吸ったのかもしれない。



「君はアンジュね」

「はい、謹んで賜ります」



 これで名付けは完了だ。改めてアムに向かい合う。



「それじゃあ楽園(エデン)の問題点だけど……如何かな? アム」

「……我等が主(マイ・ロード)。先ずは住む場所を作らなければならない」

「うん? 無いの?」



 いや、そもそも自分で確認した方が良いかもしれない。



「ちょっと外出るね」



 そう言った僕の前で、アムはばってんを作る。



「……我等が主(マイ・ロード)と客人は、整備、発展、開拓した所以外は入れない。そう言う設定」

「フィールド制限かな? ……神気で壊せば通れる?」

「……無駄。それより開拓した方がローコストでローリスク」



 まぁ、そうだろうね。



「わかった。じゃあ、何から始めた方が良い?」

「……先ずは城のお掃除。修繕。そしたら収容人数と行ける場所が増える」

「ならそれで」

「……誰に命じる? 因みに掃除が得意なのはアンジュ。修繕はリュカ」

「じゃあその2人で」

「……分かった……行って来て」

「「謹んで拝命致します、我等が主(マイ・ロード)」」



 アムの命令を受けて、方や爽やかに、方や慎ましやかに微笑んだ2人は、玉座の間から出て行った。



「後の2人は何をさせたら良い? 掃除かな?」

「エイミーっ、掃除っ、出来ない!」

「……エイミーは細かい事が苦手。狩りは得意だから狩りに行かせると良い」

「じゃあそれ——」

「——その前に倉庫を掃除しないとダメ……食料庫も。でないと狩りが無駄になる」



 ……自分で把握出来ないのが辛いな。



「分かった。アムは倉庫と食料庫の掃除をして……と言うか食料いるの?」

「……我々アダム・カドモンには不要、しかし後々増える筈のアダムスには必要。また、食料庫までの廊下を掃除、修繕し終わると、我が主(マイロード)が食料庫から食料を持ち出す事が出来る様になる」

「成る程ね……倉庫と食料庫の整備はエイミーが帰ってくるまでに出来るかな?」

「……不可能。食料庫の修繕には魔石が必要。魔石を保存するには倉庫の修繕が必要。倉庫を先に整備すると良い」

「アムは倉庫の整理。エイミーは狩りで」

「……分かった。……エイミー、行って来て」

「狩りっ、肉っ!」

「……肉じゃない、魔せ……き……まぁ、良いか」



 バタンっと出て行ってしまったエイミーに、アムの声は届いただろうか?

 取り敢えず良くないと思う。


 1人残ったアムに、気になる事を聞いておく。



「そう言えばアム、命令権を他者に移す事は可能?」

「……代理と言う形でなら可能」

「そう——」

「——……でも私は嫌」

「……なら良いや」



 別に負担って訳でも無いしね。


 後幾つか知っておきたい事もあるし、今の内に聞いておこう。



「如何やったら人員が増える?」

「……我等が主(マイ・ロード)と我々で子作りをする」



 ……あぁ。



「……精体を交わらせてと言う奴か」

「……そう。後は、城の迷宮に入って来た人から因子を回収して、自動的に増える。増やすには培養室の整備が必要。アダム・カドモンは基本的に進化でしか増えない」

「成る程ね……」



 まぁ、レベル800がポンポン発生しても困ると言うか怖いが。



「アダム・カドモンとアダムスの違いは?」

「……アダムスは弱い。レベル600〜700くらい。働くのに僅かな食料が必要。また、勝手に子作りをして増える。ただし増えた子供は天人と言う種族で、弱々しい」


「この世界はどれくらいの広さなの?」

「……凄く広い。大陸くらい」


「君達4人は如何したら外に連れ出せる?」

「……内緒……と言う設定」



 他にも幾らか細々とした質問をしていると、唐突にアムが話を変えた。



「……我が主(マイロード)。倉庫の整備をせずにエイミーを狩りに行かせると、大変な事になる」

「んん?」

「……そして今から整備しても間に合わない。手遅れ」



 そこまで言った所で、玉座の間の大門がぶち破られた。



「エイミーっ、狩りっ、終わった!」



 飛び込んで来たのはエイミー。


 その背に担がれている、もとい引き摺られて来たのは、サイクロプスと思わしき巨人の死体。



「……門の修理、それから廊下の掃除と修繕が必要」

「エイミー。狩り禁止」

「に゛ゃっ!?」



 楽園(エデン)の前途が多難過ぎる。



 

第十二節:第二項、機神狩り・下 ——完



・楽園の守護者の攻略 完



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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