第7話 増える配下、集まる視線
第四位階上位
しばらく経って、皆が戻ってきた。
沢山の獣が頭だけ出ている巨大な饅頭が、木々を倒すでもなく近付いてくるそれは、非常に現実味の無い光景である。
森から飛び出してきたウルルは、何故か執拗に甘えてきた。
なので、皆が来るまでの僅かな間に、ウルルを撫でつつ、好きにさせる事にする。
暫しの撫でタイムを経て、やってきた皆を労い、早速捕まっている動物達をテイムしていく。
今回の獲物は31体。
・ワイルドベアー×3
・ビックベアー×1
・ワイルドディアー×5
・ビックホーンディアー×1
・ワイルドボア×5
・ビックボア×2
・ワイルドスネーク×4
・ジャイアントバイパー×1
・ワイルドフォックス×3
・ワイルドウルフ×5
・ワイルドウルフリーダー×1
これら全てのテイムを終えたので、一時的に帰還しようと思う。
そろそろお腹が空く時間なので、目指すはアランの屋台である。
他の子達には、森の奥で狩りをする様に命令し、ウルルに乗って王都へ進む。
森の中には一応道があり、それは、北の砦がある方と、東の港がある方へ続いている。
しかし、人の足では、港には丸二日、北の砦にはその倍の四日かかる計算だ。
今のプレイヤー達ではとても辿り着け無いだろう。
快速ウルル便なら一日掛からずに辿り着ける。
◇
道中何のハプニングも無く、王都に辿り着いた。
人が集まる場所なせいか、四方八方から視線が集まる上、少し邪魔かもしれないので仕方なくウルルを送還する。
そのまま、アランの店を探す為に商業区画を歩き始めた。
しばらく歩き、色々と周りを見回す。それだけでも分かる事は多い。
先ず、武器の価格は相変わらず高騰している。
更に質が落ちている気がするが、プレイヤー達に武器を捨てると言う習慣が付いてしまった様なので仕方ない。
出来れば如何にかしたい所だが、今僕が出来る事となると……壊れた武器を拾い集めて直して売るか、鉱山街を見に行って鉱石採掘の手伝いをするか、あるいはプレイヤーを集めて武術の講習をするか、の三択である。
まぁ、武器の回収は常時行っているし、鉱山街にはいずれ行く事になるだろう。
講習は僕よりもタクやセンリがやった方が格好が付くだろうし、見目良く体躯に恵まれた2人なら上手くやる。僕は暫くは資材の回収に専念しよう。
アランの店は少し歩いた所で見つかった。
ウルルを送還したのに、人の視線は変わらず僕に集中していた。魅力スキルの影響だろうか?
視線を受けつつ、アランの屋台に近付く。
これからお昼なので店を開くのだろう、何やら作業中であった。
「アラン、お肉ある?」
「ん? おお、ユキか、肉な……ら…………」
「アラン?」
此方を振り向いたアランは、何故かピシリと硬化した。
暫く僕の顔、と言うか頭を見つめ、続いて僕の腰辺りを見つめ、ようやく再起動した。
「あぁ、いや……肉ならあるぜ、昨日焼いた分だが、出来立てをインベントリに入れてあるからな」
「そう、なら30本貰おうか」
「はいよ、まいどあり」
アランに肉を貰い、お金を払う。
ついでに世間話もしておこう。
「アランは冒険しないの?」
「美味い肉があるなら行くんだけどな……」
「そう言う事なら、北の森に鹿と猪がいたけど」
「なに、鹿と猪だと……今夜あたり行ってみるか……」
どの道草原が焦土になっているので、北の森に入らないならアランが販売できるのは蟹かゴキ位のものである。
「アランは夜目のスキルは持ってるの?」
「いや、持って無いが……そこは勘でこう……」
「密林仕込みは分かったから……なら、これをあげよう」
そう言ってインベントリからスキル結晶『夜目』を取り出し、アランに渡す。
「サンキュー、貰っとく、お代は鹿肉と猪肉で払うぜ」
「期待しておくよ」
「おう!」
◇
アランと別れ、昼食をとりつつ図書館へ向かい、客間でログアウトした。
道中ずっと住民やプレイヤーが僕を見ていたが……一体何だったのだろうか?
前回のアンデットとの戦いで目立ったからかな?




