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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第?章 Another Chronicle 第一節 叛逆の追憶記

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第199話 悪魔王ナリファン

第六位階下位

 



 人間サイズの格上を人間で倒す上で最も重要なのは、雑兵の群れでは無く一握りの英雄だ。


 幸い敵は人間よりやや大きいので、此方もより多くの英雄を送り出せる。



 眩い光が収まり、進化したナリファンが姿を現わした。



バフォメット・ロード LV525



 漆黒の大翼と、大きく湾曲した角。

 身体も二回り程大きくなり、その強度も跳ね上がっている。


 ナリファンが進化出来たのは、死をも越える程の強い意思があったからだ。


 ——不撓不屈の執念を持つ者にこそ、世界は応えてくれる。


 今回の場合は、ナリファンが死の間際に状況を打開出来る何かを強く欲した事で、宝珠(オーブ)が魂魄に取り込まれたのである。

 魔覚でじっと見つめれば、ナリファンの魂魄の少し深い場所に宝珠(オーブ)が収まっているのが分かる。


 大量のエネルギーとそれを収める器を獲得した事で、彼の魂は一気に成長し、進化した。


 本来であればレベル限界を越えられないし、越えたとしても暴走するだけだが……宝珠(オーブ)には自動で所持者の補助をするシステムが組み込まれている。

 宝珠(オーブ)星珠(スフィア)を魂に取り込めば、難無く限界を越えて進化する事が出来ると言う訳だ。



 ナリファンが己の変化を確かめる様に拳を握った次の瞬間、その声は響いた。



『よくぞ進化した、ナリファンよ。褒めて遣わす』



 威圧を伴う男の声。


 ナリファンは閉じられた扉へ振り向くと、頭を垂れた。



「ははっ、有り難きお言葉! されど全ては我が力に非ず、殿下の恩寵に御座いますッ……!!」



 敵は跪いている。またと無い好機だ。今だ、やっちゃえ……とはならない。


 流石にレベル500を越えて宝珠(オーブ)の補助を受ける敵を倒すには、転生者達だけでは火力が足りない。

 最も仙気を操れるタダトでさえ、皮膚を貫く事すら出来ないだろう。

 リエの特攻なら通じるだろうが、倒す事は最早不可能だ。


 しかし、これくらいならば黒霧の演算領域をもう少し解放すればどうとでもなる。


 問題は、ナリファンに語りかけている敵がどう動くかだが……今の所此方の戦場に参入してくる気配は無い。

 他に大戦力がある訳でも無し、一緒に襲い掛かって来る方が良いのは間違い無いのに、動きを見せないなんてどう考えても非合理的だ、狙いは一体何なのだろうか?


 此方が大戦に備えて準備をしている一方、ナリファンと得体の知れない強者の話は続く。



「必ずやこの力を持って汚名を雪ぎ、我等が王へ勝利を捧げて見せましょう!」



 ナリファンは顔を上げた。



『意気や良し。しかし貴様のみで全てを退けるは辛かろう』

「そ、その様な事は——」

『——我が忠臣ナリファンよ、道を示そう。受け取れ』



 次の瞬間、ナリファンの目前に黒く燃える魔力の塊が現れ、ナリファンの中へと入っていった。



「お、おおっ!!」

『我が覇道に立ち塞がる全てを打ち砕いてみせよ』

「仰せのままに、我等が王ッ!!」



 ——光がナリファンを包み込む






 漆黒の四翼が光を切り裂いた。



 光の中から現れたナリファンは、最初の姿よりも一回り程縮んでいる。

 二本の角は半ばから結晶質に変わり、額に第三の目が開いていた。



サタナキア LV?



 レベルは体感的に600半ばと言った所。はっきり言って転生者達だけでは手に負えない絶対強者になってしまった。


 目視した超進化の原理を推察するに、おそらく謁見の間にいる強者がナリファンに加護を与えたものと考えられる。

 加護(アルカナム)の様な力を行使したのだろう。


 ナリファンの第三の瞳は強力な支配能力を持つ魔眼だ、このままでは味方が敵になってしまう。


 仕方ないので、此方も相応の手段をとらせてもらおうか。



 英雄7人を残し、他のメンバーを撤退させる。



『それじゃあ予定通り、ユウイチ、ヨウイチ、タダト、リエ、アコ、アズミ、ティアーネの7人は残って、他は捕虜を連れ帰った後、余力があれば別の場所の応援に向かってね……何か質問は?』



 僕の問いに対し、最も早く反応したのはやはりユウイチ。



『ちょちょっ! それ、前の指示じゃっ!?』



 慌てて意見を申し立てるユウイチに後続が……。



『さっきの作戦じゃ今の奴には勝てない計算じゃなか——』

『兄さんをそんな所に置いておけないです! 考え直し——』

『そ、そうです、ユウイチが残るなら私も——』

『いや、これは……うちも7人じゃ無理だと思——』

『なんで私が選ばれて無いんですか! 私のチート無双が——』



 何やらワイワイガヤガヤとしているが、取り敢えず新たな作戦情報の送信を行う。

 すると、先程まで騒がしかった念話が静まり返り——



『……ま、まじか……行けるな、7人なら……』

『……戦闘経験、か。確かにこれなら一石二鳥、いや三鳥かな? ……まさか、そんな事も出来るなんて……』

『建前も十分、戦力も十二分……俺達だけでやるって事を考えると確かに妙手……いやまぁ、技術に詳しくないから分からないが』

『あたしは元々否定してないっすけど……流石って感じっすね〜』

『ふむ、決して無謀では無い、か』

『つまり……皆私みたいになると言う事だ』



 ——納得してくれた。



『うむ、皆納得した様だな。それじゃあユキ、よろしく頼んだぞ!』



 そんなティアーネの纏める声を最後に——



『うん。じゃあ皆、頑張ってね』



 ——戦闘を開始する。




 ——7つの光が解き放たれた。




 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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