第194話 昼食→食休み→帝国戦
第六位階下位
翌朝。
うーたんが起き上がったのを機に、回収を終了した。
気配を絶っての行動だったので些か時間が掛かったが、人間やペット等の回収は無事完了した。
各地から集まって来た帝国軍も、一部は城へと戻り、その多くが外区の更に外で野営地を作り待機している。
後1時間もすれば帝国軍も全て帝都へ集まるだろう。
壁や城、駐屯地に詰める軍人や警備兵も、1時間あれば街から人が完全に居なくなっている事に気が付く筈だ。
午前中はいつでも動ける様に準備しつつ監視するに勤め、午後にちょっと食休みしてから襲撃しよう。
「……」
寝起き故にぼーっとしているうーたんは、いつも大きく見開かれている瞳が細められ、却って凛々しく見える。
対するめーたんは起きている時は真面目でしっかり者だが、寝惚けている時は甘えてしがみ付いて来る。
ウレミラ、メレリラ、レリミラの三姉妹は、結構バランスが良いのだ。
彼女の頬に手を伸ばすと、うーたんは凛々しい顔付きのまま僕の手に頬を擦り付けて来た。
しばらくスリスリとした後、満足げに目を瞑り、そのまま僕にしなだれかかって——
「むぎゅう……」
「……むにゅ」
——めーたんを下敷きにして眠りに着いた。
◇
賑やかな朝食を終えたところで、早速各種の最終確認と調整だ。
先ずは……今朝方クリアした事になったクエスト群。もといシステムの神の配給等である。
【中級者クエスト】は、『初めてのクラン』『初めてのレイドボス戦』『初めての単独ボス戦』『初めての野営』『初めての迷宮踏破』『初めてのNPC友達』『中級者卒業』。
正式報酬は、スキルポイント30P。中級者卒業。他。
各種クエストでエクストラ評価を獲得して得られた追加報酬は、スキルポイント31P。スキル『気配察知』『飽くなき探求者』。
その他、イテアのクエスト。精霊王全解放のクエスト『六精王の解放』。各大迷宮のボスクエスト等の処理が終わり。
スキルポイント35P。神子結晶35個。モニターアイテムの絵画が10点。『六精王の寵愛』と言う形状不定の武具。『精霊の宝珠』。『砂塵の宝珠』。『雲霞の宝珠』。他。を入手した。
合計スキルポイントは781P。
ここから、各種クエストをクリアして得た遊技神の加護取得枠を使い、遊技神の加護Iを4つ取得した。
400Pの出費は中々に痛いが、持ち込み枠と持ち帰り枠が増加するので、その分切り札が増えると考えると取らざるを得ない。
……遊技神の加護と言う名前が不安を煽るが、問題ない筈だ。
次いで、『魔力吸収』の上位スキル『魔力収奪』及び『魔力譲渡』の上位『魔力下賜』。
能力としては、魔力を奪いやすくなり、魔力を込めやすくなる他、奪った魔力を固有魔力に変換しやすくなり、与える際は他者の魔力限界が何となくわかる様になる。
まぁ、僕にはどれも誤差程度の価値しか無いが、少しでも負担が減りそうなので良しとする。
消費ポイントは70P。
『並列思考』の上位スキル『分割思考』で40P。
『軍団指揮』『軍団統率』『軍団連携』のスキルで90P。
次は配下の進化。
特に目立つ進化者はいないが、スライム君達がヒュージからジャイアントに進化したり、量産のプラントゴーレムやドールが上位に繰り上がったりと、細々とした強化が行われた。
ついでに、保留していたカオスデーモンと悪魔竜の調教を行い、戦列に加えておいた。
どちらも魂のダメージが酷いので、記憶が虫食いだったり殆ど無かったりしている。
丁度いいので、改竄したり付け足したりしておいた。
カオスデーモンの方はゲーダと言う名前を付け、指輪にしてミラ嬢に装備させた。
彼の魂に、ミラ嬢を何となく守らなくてはいけない様な記憶が残っていたので、それを上手く利用した訳である。
悪魔竜のベルゴは説得が困難な相手だったので、何なら経験値に変えても良かったが、折角だからちょっと演算力を割いて人格を歪めておいた。
続いて各種武装について。
様々な方法で入手した各武具を、僕の迷宮等から得られた資源で強化、調整した。
汎用的な強化を施された武装は、黒鎧騎兵団やその他の人間、及び魔物に配布した。
元々強い装備を持っていた子達のも整備と強化をしておいた。
今持っている全12個の宝珠も、それぞれ適正に改造を施した。
死毒の宝珠は、各地で入手した下等な装備、蛇剣や奪命剣等を束ねて強化した魔剣『魂裂きの剣』に嵌め込み、アトラに装備させた。
手が一個しかない……と言うか手しかないので、持たせられる武装は剣一本のみである。
狐母娘に預けていた妖狐の宝珠は、娘の方に埋め込んでおいた。
睡蓮は黒霧と同じで本体は別にあるので、茉莉花の肉体の容量を増やす事で睡蓮を取り憑かせる事が出来る様になる。
2人はレベルこそ高いがあまり強く無いので、2人を束ねた上に妖狐の宝珠をつければ、そうそうやられたりしないだろう。
魅了の宝珠は、リムの服の装飾にした。
ルムに渡すべきか悩んだが、彼女をあまり調子に乗らせるのは良くないのでリムに渡した。
リムやルムのレベルの魅了は精霊帝クラスには殆ど通じないので、戦闘においてはマナタンク以外の意味は薄い。
悪魔の宝珠は、ゲーダに使わせる為にミラ嬢に預けた。
彼女が前線に出る際の多くは黒鎧騎兵団などの汎用戦力の中にいるのでゲーダに周りを守らせるのが目的だ。
黒、影、闇の宝珠は、それぞれを闇属性の大精霊金属で魔導鎧化し、黒霧に装備させた。
雷と兎の宝珠は、黒霧同様魔導鎧化して、雷をめーたんに、兎をうーたんに装備させた。
これで獣人のちびっ子達は全員完全武装である。
新しく手に入った3つの宝珠は、精霊を暫定的な精霊の纏め役として長女さん、もといアルケレーネさんに、砂塵をララに、雲霞をミスティに持たせた。
それぞれ適性はあるので、宝珠の力を十分に引き出してくれる筈だ。
……休息も取り、武装も万全。
これで配下の皆も次の戦いは十二分なポテンシャルを発揮出来るだろう。
昼食を摂って少し休んだらーー帝国を攻め落とす。




