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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第?章 Another Chronicle 第一節 叛逆の追憶記

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第193話 備えは万全に

第五位階上位

 



 数千人規模のお祭りが如き晩餐会を終えた。


 僕の裁量で気が合いそうなメンバーや仲良くさせておくべき子達を近くに配置し、黒霧に口添えさせる事で交流を深めさせる事が目的の前半と、各自自由に動いて良い後半で分けたので、最初から最後まで大盛況で終わった。



 そんな夕食の後、皆に休息を言い渡し、僕は帝国へと舞い戻ったのである。


 誘拐の大詰めだ。





 豪快に都市を掻っ攫いつつ、最後の転生者について考える。



 簒奪王カイン。前世の名は青柳(あおやぎ) 紫藤(しどう)


 彼は、後ろ向きな二つ名に反して、仲間内からは非常に慕われていた様だ。

 ゼナード君の首輪で隷属させられていた転生者達からも、戦う時はやり過ぎない様にしてくれと嘆願される程だ。


 彼に近しい者達の記憶等を統合して考察するに……彼は何処かの国のスパイなのでは無いだろうか?


 表向きはともかく裏側は、とても帝国の活動に賛同している様には見えない。


 彼は人前では部下に容易く手を振るい暴言を浴びせかけるが、周囲に帝国の息がかかった者が居ない時は、平気で自らの身を盾にするしどんな失敗も笑って許す。


 彼が転生者の纏め役と言う立場になっていなければ、今頃帝国の領土は2倍以上に膨れ上がり、同時に帝国へ隷属させられている転生者達の多くが命を散らしていただろう。


 情報操作の類もしていた様で、転生者の特殊能力は強力だから連続使用すると急速に命を擦り減らし、やがては死んでしまうなどと帝国貴族達に吹き込み、転生者を使い捨てにするのは勿体ないと思わせる事に成功していた様だ。


 話せば味方に加えられる可能性は高い。



 ただし、彼は誰にも目的や能力の話をした事は無い様で、唯一分かっているのは、ユニークスキル『スキルプランダー』でユニークスキルを奪うのは1日に1回が限度と言う事。

 その情報も、彼が飼い猫に喋ってるのを耳が良い転生者が偶々立ち聞きした物で、それ以上の情報は何一つ無い。



 まぁ、それも実際に会ってみれば良いだけの話だ。


 明日には帝国軍90万も帝都に着く。


 そうしたら配下の子達を並べて帝都を囲み、少数精鋭で強者を狙い撃ちしよう。



 現状敵と目されるのは、三大公の1人と十傑の1人、それと邪神の断片。

 もしかするとクリスちゃんの様な伏兵がいる可能性もあるが、精霊帝が7人もいる此方に負けは無いだろう。


 嵐も間もなく上陸するし、明日中に帝都を攻略しないと雨の中で戦う事になりかねない。


 手早く行こう。





「うにゅ……ままみ……」

「ままみ……? ……ままみ……?」



 いや、良いか。


 しがみつくめーたんを撫で、むにゃむにゃ動くうーたんの口から垂れた涎を指で拭き取る。

 良く眠ってる様なので、もう良いだろう。



「れーたん、おやすみ」

『は、はい、おやすみなさい。ゆーねーさま……!』



 れーたんにも声を掛けた所で、目を瞑る。そのまま意識をユキ人形に移し替えた。



 場所は、帝国深部。帝都外区のボロ屋。


 外から冷たい風が吹き込み、剥がれた壁板がギシギシと不穏な音を立てている。



 改めて、帝都の状況を見てみよう。



 帝都は他の国や街と比べても歴史が深く、その分巨大で壁の数も多い。


 帝都の壁は全部で5つある。


 先ず1つは、城と軍事施設を守る最も大きな壁。

 2つ目は、伯爵以上の貴族の屋敷がある中枢区2番目に大きな壁。

 3つ目は、下級貴族の屋敷や大商人の店がある富豪区と各種生産施設がある生産区を守る4番目に大きな壁。

 4つ目は、上等市民や一等市民等が暮らす最も広い主街区を守る3番目に大きな壁。

 そして最後が、主に二等市民が暮らす外区を守る壁……とは言えない様な土嚢と板と紐で出来た障害物。



 虫も眠る様な時間帯、尚且つ雲が濃くて何も見えない今、外に人影は殆ど無い。

 あるのは、家がない二等市民の子供や老人くらいの物だ。



 僕が今夜此処に来た目的は、この外区と主街区、その外にある穀倉地帯の各市民を回収する事だ。


 万が一邪神の断片や何かが僕達の包囲を突破した時、周りをうろちょろされていては困るからである。



 ささっと回収しよう。



 持ち主のいないボロ屋から暗闇の街に踏み出す。

 そのまま壁とは言えない壁を飛び越え、向かった先は広大な芋畑。


 帝国南方の平原はイテアの力で肥沃な大地となっており、その恩恵は帝都の目前まで届いているのだ。


 帝都側では主にジャガイモの様な芋が通年栽培されており、収穫された芋はその殆どが生産区画に運ばれて保存食の類に加工される。

 一度の収穫量が非常に多く、その3割でも市場に回れば帝都で飢える者はいなくなるだろうに……。


 生産施設、もとい工場に運ばれた芋等は、直ぐにシリアルバーに加工され、帝国各地の騎士団や貴族の屋敷等に備蓄される。

 その中で時間が経った物が、奴隷や三等市民の配給として配られる様だ。



 暗視スキルによって暗闇でも良く見える広大な農地は、特に障害物も無い為、地平線の彼方まで見通す事が出来る。

 既に南方の町や農地の中にあった村は頂いてあるので、後は帝国側に点在している休憩所と言う名の牢獄で暮らしている三等市民を回収するだけ。


 それが終われば、残すは帝都のみである。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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