第169話 増える幼児
第五位階上位
幼児の数、実に13人。
対する大人は、17人。
其々比較的縁が深い者などとペアを組ませる事にした。
本日はお子様大好きな揚げ物を中心とした料理なので、幼児と大人達の絆もより深まる事だろう。
軽くペアを確認して行く。
先ずは、新入りのミルクリスとこのみのペア。
ミルクリスは、ゴムの束縛感に魅せられたらしく、好きらしい黒色の拘束服を着込んでいる。
彼女的には鎖は必須の様で、色封の鎖を伸ばして分け与えた物を装備していた。
腕や足に巻き付いているそれを時折強く引っ張っては嬉しそうな顔をする彼女に、このみは羞恥に染まった顔で悶えていた。
また、ミルクリスは暗くて狭い場所が好きな様で、このみのフード付きマントに潜り込んで膝に座り、目元だけを出してキョロキョロと食卓を見回していた。
「〜〜♪ 〜♪ 〜!」
「あぁ、もう、暴れないで……ほら、あーん」
「もむ 〜〜♪」
「美味しい? 良かったね…………あたし作ってないけど」
「? 〜♪」
満面の笑みと陰のある苦笑は対照的だが、根幹を同じくする者同士相性は良さそうだ。
次、アニスとヴェルガノン。
ちっこいアニスの膝に更にちっこいヴェルガノンが座っている。
「なぁおい、アニスよ」
「なんだ?」
「我は今、とても困惑している」
「あたしもだ」
「……取り敢えず食おうか」
「そうだな、因みにオススメは唐揚げだぞ」
「ふはは、アニスよ、我がそんな事も知らぬと思ったか!」
「はいあーん」
「ふもご」
流石のアニスでも子供の世話となると難しいらしい。
幸いだったのはヴェルガノンが子供では無い事か。
一方、マハーカとカーニャ、しゅーたんペアは、マハーカの膝の上で船を漕いでいるしゅーたんにカーニャがご飯を与えていた。
「ねむねむし……」
「シュー、起きる、食べる。あーん」
「あむ……もにゅ……」
「ふふ、眠たそうでもちゃんと食べてるんだね」
「……家族みたい」
「うん、そうだね」
「ハーカ……」
「カーニャは良いお姉ちゃんだ」
「…………ハーカ……酷い」
「え?」
「むにゅ……うま……」
夫婦みたいと言った方が良か……いやまぁこの件は各員に任せよう。
どうせ大きな破綻が起きる心配は無いのだから。
続いてヤカルナとヤルルカ&章、めーたん&れーたんのペア。
「ふふ、美味しいです。……ルナ姉様、アキラにも食べさせてあげたいです、良いですか?」
「えぇ、アキラもルカも私の大切な妹だもの……めーちゃんは——」
「——い、いえいえ、お、お構いなくっ。自分で食べられますのです」
「それでは…………いや、味覚共有してるし、交代しなくても良かったのに」
「ふふふ、ルカはアキラに食べて欲しかったんですよ」
「……うん、美味しいよ。びっくりするくらい」
「……そう、ですよね……食べて欲しい…………ふむ、変わらずとも良い物を」
「……もしかして、レリミラか?」
「ふ、お互い難儀な半身を持つな」
難儀と言いつつも、心では相方を喜び愛している2人は何かと相性が良いだろう。
次は、バーチスとうーたん。
特に縁がある訳では無いが、うーたんの成長を期待しての配置である。
「ふむふむ、興味深い、実に興味深いぞ」
「もぐもぐ」
「肉体は……柔だが」
「もぐもくひゅっ、くひゅぐったいの〜!」
「この私の目を持ってすら力の根源を見通せぬ」
「んぐっ、けほっけほっ、くちゅぐったいの!」
「素晴らしい。これが英雄の器、いや、或いは天帝の種子なのか?」
「くしゅぐったいのぉ!!」
「ごがっ!? な、なんたる力……ぐふっ…………」
「ママー!」
ママでは無いが、バーチスはどう見ても犯罪者、擁護や酌量の余地は無い。
そして、レベル的にはうーたんの方が格上なので、自業自得と言う事でしばらく眠っておいて貰おう。なに、死にはしない。
新参最後、アーシアとルメール。
「ゴクッゴクッ……ぷはー」
「……そんなに飲んだら、だめ、です?」
「あら、心配してくれるんですね。安心してください、私は精霊なので、例えこの部屋一杯のお酒を飲んでも全然酔わないのれす、です」
「……酔って、ます。のんべえの言う事は信じちゃダメって……誰かが言ってました」
「私が信用出来ませんか?」
「ち、違くて、あの、その……」
「違うと言うのなら、先ずその堅苦しい喋り方をやめる事です。そしたら抱きしめてあげましょう」
「え? う、ま……むぎゅ」
どうやら仲は良さそうだ。
アーシアは問答無用で抱きしめられて困惑しているが、愛の押し売りくらいが彼女には丁度良いだろう。
ウマが合う合わないもあるが、何処を見ても大体は笑顔だ。
その調子で交流を深めて切磋琢磨して欲しいものである。




