第157話 最終日 ニ
第五位階上位
先ずは迷宮の攻略。
新たに共和国内で見つかった迷宮は、小迷宮が24個、中迷宮が2個。
発見された負の欠片は2体、と全体的に迷宮数や負の欠片が少なかった。
信仰を受けた魔物であるウルラナの支配領域だったのが影響したものと考えられる。
総合の攻略済み迷宮数は、小迷宮が116個、中迷宮が9個になった。
報酬は、スキルポイント28、神子結晶28。ゴミ箱。
次いで、ウィゼル層迷窟の攻略報酬。
層迷窟は一層が全長3㎞の円形で、それが114階層続いていた。
罠などは少ないが敵のレベルが徐々に上がって行き、100層のボス部屋ではレベル180のグレーターフレイムドラゴンとレベル80の竜牙兵30体が配置されていた。
報酬は、各階層で用意されていた自動補充の宝箱から金銀財宝と魔法の武器、腐敗したポーションなどが出て、ボス撃破後に現れる宝箱からは他の宝箱より少し豪華な財宝や武器、腐ってないポーションが出た。
クエスト報酬は、スキルポイント10Pと神子結晶10個。エクストラ評価で神子結晶2個。
報酬選択権では、劣赤竜、火竜、上位炎竜の宝箱と真金、真銀、真銅の宝箱にスキルポイント10P。
選択報酬は4件4択で、其々の竜と迷宮完全攻略のご褒美だったので、各竜の核と角と宝小箱を無視して神子結晶を16個頂いた。
合計でスキルポイントは20P、神子結晶は28個。
次は【モニタークエスト】【下級者クエスト】。
つまりはシステムの神の配給。
クリアしたクエストは、『100回の討伐』『100回の治療』『100回の採取』『100回の迷宮』『10日のプレイ』『100時間のプレイ』『10回のボス戦』『レア度4のアイテム』『レア度4の武装』『10個のスキル』『初めてのパーティー』『下級者卒業』の12個。
正当報酬は、スキルポイント20P。初級ポーション20個。下級ポーション15個。初級マナポーション5個。収納小袋1個。スキル『下級者卒業』。
エクストラ評価は、『百戦連勝』、『無縫の癒し手』、『薬草摘み名人』、『神具』、『神装』、『スキルマスター』、『レギオンマスター』、『下級者詐称』。
追加報酬は、スキルポイント37P。スキル『治癒力向上』『聖者の欠片』『聖女の欠片』『採取』『目利き』『幸運』『整理』『分類』『求心力』『期待の新星』。
ざっと見た所、下級者卒業と期待の新星は効果不明の称号っぽいスキルである。
合計スキルポイントは57P。
最終的な合計スキルポイントは105Pになった。
次は現状報告の処理。
昨夜の内に黒霧が共和国内に社を設置した為、西方三国の支配が完了した。
配下の30万にすら届く人的資源の教育も終わり、店員側は各店舗に配備済みで開店待ち、戦士側は戦争に向けての最終調整をしている。
戦士に配布された武装は、各員に合わせて微改良した黒地に金の装飾を付けた鎧。
軽装が良い者には軽装の、重装が良い者には重装の鎧を与え、硬化や俊足などの補助魔法を施している。
武器も、其々に適性のある物を配布し、副武装として短剣とナイフ2本を持たせた。
鎧と主武器両方に、地脈から汲み上げた魔力で生成したビー玉サイズの魔水晶を取り付けてあるので、ある意味では魔導鎧と言えるだろう。
彼等に貴賎は無く、元貴族だろうが軍人だろうが平民だろうが関係無しに、ただ実力を測って適切な役職を与えている。
勿論、元来の性格も実力の内だ。
およそ20万の軍勢は、平均レベルこそ15前後と低いものの、配布された武装の力によってレベル60相当の力を得ている。
武装以外で配布したアイテムは、ゴミ箱などを加工した収納小袋を2つ。
即死しなければ生き残れる上級ポーションが1つと、それを薄めた低品質上級ポーションが10個、侵略した土地の無辜の民を癒す為の中級ポーションが30個。
栄養満点のシリアルバー詰め合わせに、最大50Lの水を生成する水筒。
着火剤やライター、テント、結界石などの野営グッズに、ロープや布などの便利アイテム。
要は、万一遭難しても10日くらいは無補給で生きていけるアイテムを配布してある。
これらに加え、スノーブラックの隊員である事を証明する黒い雪の結晶の証印『スノーブラックシンボル』を与えてある。
下地は鉄なので、隊員の階級としては下から2番目である。
帝国の動きは未だ緩やかなので、戦士達は今日という休日をしっかり休んで貰おう。
◇
《【伝説クエスト】『眠れる精霊の王:火』をクリアしました》
【伝説クエスト】
『眠れる精霊の王:火』
参加条件
・火精王の封印を解除する
達成条件
・火精王の封印を解除する
失敗条件
・無し
達成報酬
参加者報酬
・スキルポイント5P
・道具『遊楽の神子結晶』×5
参加者貢献度ランダム報酬
貢献度100%
・防具『灼熱のベスト』
・防具『猛炎の袴』
・防具『紅蓮の肌着』
・防具『陽炎の羽衣』
・防具『金陽の冠』
サラマンダー・ロード ヴェルガノン・ユース・カーレニエル・ヴェスミシス・フォルナ LV?
「ふふ、ふははっ! はっはっはへぇ……」
朝食前に状態を万事整え、蟹君の魔眼を解放して火精の封印を解いた。
現れたのは、細身ながらも良く鍛えられた体を持つ少年。
彼は解放されて直ぐに高笑いを始め、倒れた。
診察結果は勿論過労だが、初対面で高笑いして見せたのはそういうプライドがあるからだろう。
赤い髪に橙の瞳を持つ少年は、少し童顔で一見すると男か女か分かりづらいが、ちゃんと男だ。
差し当たってクエスト報酬で得た服を着せ、治療の為に魔力を流し込む事にする。
◇
ヴェルガノンうにゃうにゃフォルナ氏を懐柔した後は、氷漬けのアニス・アンスタンを蘇生した。
眠っている彼女に折角だからと情報をグリグリ詰め込み、その後に覚醒させる。
「ん……んゅ……ふぁ〜……ん、んんーっ」
目を覚ました彼女は、起き上がって欠伸をした後、グイーッと大きく伸びをした。
そしてチラリと此方を見て……もう一度此方を見て——
「な!? なんだお前ら!?」
——驚愕に目を見開いた。
……体は日に焼けた小麦色、髪は色素の抜けた白髪、起きた第一声がこれ。
凄くリオンに似ているが、魂の性質を見ても適合率は2割以下。本人の可能性はゼロでは無いが、生い立ちが凄く似ている別人と言うのが適正だろう。
「ふはははっ、この姿を見忘れたとは言わせんぞっ!」
「……は!? 火精王かっ!?」
「はっはっはっ! 久しいな友の弟子よ!」
「そ、そうだっ、師匠はっ!? 邪神はっ!? 私はどれくらい死んでた!?」
「取り敢えず落ち着こうか」
「そうだぞ、落ち着けっ、友の弟子よ!」
状況把握は大事だよ。




