第138話 爆誕 桃兎三姉妹
※大いなる計算ミスを修正しました。
必要な神子結晶の数 誤:2600 正:5600
第五位階下位
さて、報酬の確認も終えたので、共和国の現状を再整理しておこう。
先ずはモンデシウル。
彼女は、こっ酷く虐められたおかげで疑う事を覚え、与えた情報群すら疑い始めると言う不信状態になっていたので、撫で回して有耶無耶にする事にした。
まぁ、辻褄は合っているので、色々とやられた怒りも込め細やかな反抗として疑う振りをしていた様だが、そんな事シラナカッタヨー。
モンデシウルの知性が溶ける程撫で回しておいたので、反乱は起きないだろう。
また、その配下の狼達も大雑把に撫でて服従させてある。
共和国で一番時間が掛かったのは……獣人の差別問題だ。
この国ではモンデシウルが王の様な物なので、ヒエラルキーの最上位に狼人がいる。
獣人達自体も、強さを尊び知略を嫌う傾向があるので、少々面倒臭い事件が起きる事となった。
簡単に言うと、獣人達にとって兎人や狐人はかなり下に見られる存在だと言う事だ。
幼い兎人を抱えている狐人がモンデシウルに跨っていたら血の気の多い連中が食ってかかるのはある意味当然と言えよう。
……まぁ、狙ってやったと言う事実があったのは認める。
不敬にも主人へ噛み付いて来た若い衆は、全員が襲い掛かって来たと同時に念動力で動きを縛り、一匹一匹丁寧に処理してあげた。
ある時はデコピンで。またある時はデコピンで。或いは足払いで。終いにはデコピンで。
体に当てる時は物凄く手加減し、武器や防具に当てる時は遠慮無く破壊して。
生意気そうな奴や密かに力自慢の奴を選んでボコボコ、じゃなくて立場を分からせてあげていると、10匹目辺りから解放して直ぐにお腹を見せる様になった。
その後は、若い衆を敢えて止めなかった『七氏主』と呼ばれる強者7人としっかりお話しし、分かって貰う事が出来た。
レベル帯はおおよそ50くらいで、種族性能的に見ると人間のレベル60にも匹敵する中々の強者達だった。
種族は、狼人、獅子人、虎人、象人、熊人、牛人、鰐人の7種で、此方はデコピンではなく丁寧に得意分野を潰してプライドをへし折っ、力の差を教えて差し上げた。
結果、高原の獣人達は僅か半日で何処の馬の骨とも知らない銀髪の狐人少女に制圧される事と相成った。
ある意味厄介だろうと少し身構えていた平原の獣人達は、七氏主に対抗して作られたと思わしき役職『七賢会』と言う、猿人、梟人、狐人、狸人、蛇人、亀人、豚人からなる集団が早々と従属して来た。
彼等も彼等で一応は高原の獣人と同じく強さに服従する性質があり、尚且つ頭が良いので、敵対の危険性を良く理解していた様だ。
取り敢えず一人一人丁寧にお話しし、腹の内に蓄えた黒い物を摘出してあげた。
まぁ、猿人や狐人は格上たる私やキースがいたから話が早かったし、梟人や亀人、豚人は穏やかな性質だったので特に黒くなく、全体的には大した苦労もなく恭順してくれた。
真っ黒だった蛇人は、白蛇君を一目見た瞬間に全面降伏したので、一番手間が掛かったのは狸人だ。
手間と言ってもお話しの時間が少し伸びただけだが。
これにて共和国の全氏族が配下に降り、共和国の侵略は無事完了した。
獣人達は順次黒霧から教育を受けて貰う運びとなっている。
これで西の戦争は完全に集結したので、しばらく休息を取ってから東の戦争に介入する事にしよう。
◇
私は寝る前にやっておかなければならない事があった。
そう——桃兎姉妹の改造手術である。
そしてそれは無事完了した。
先ずは姉。メレリラことめーたん。
彼女は、予定通り二重人格になって貰った。
新たな人格は、必要とあらば容易く敵の命を奪い、然りとて相手の事情も考慮出来る。
言うなれば成長して様々な経験を経、酸いも甘いも噛み分けられる様になった大人めーたんである。
魂が半ば分割された様になっているが、根元ではしっかりとくっ付いているので、お互いの記憶は共有されているしスキルも全て使える。
新たな人格を確立するに当たり必要な工程として、もう一つの人格にはレリミラと言う名前を付けておいた。
そんな人格形成において、ある意味失敗したと言うか力及ばずと言うべきか悩む事が一つ。
元々家庭環境の問題でめーたんはシスコンだったが、仮称れーたんの発生原因がうーたんの死亡未遂だった為、れーたんは極度のシスコンになってしまった。
こればっかりは存在理由そのものなので弄くる事が出来ず、私の因子を混ぜて知性を高める事で対応したが……結果的にれーたんはめーたんすら妹と判断し、更に因子の元である私を義姉と認識している。
勿論高い自制力があるので表面上は取り繕えるが、1つの事に強い執着を持つと言う事はそれが弱点にもなり得ると言う事。
……個人的には全然構わないのだけれども、ソルジャーとしては完璧とは言い難いモノになってしまった。
続いて妹。ウレミラことうーたん。
此方は凄い。最高傑作と言っても過言では無い。
元を辿ればうーたんの力は転生者であり母であるウーラの力であり、うーたんの魂は記憶を除いたウーラの魂と完全に融合している。
つまりはウーラが死に際に目覚めた能力には『魂合』の様な力があり、同時に魂魄の力を操作する事も出来る。
その力はつまり——
——『加護』だ。
実際に完成した物は、利便性の低さから『擬似加護』と言うのが正しいが、しっかり使ってスキルを強化して行けばやがては本物の『加護』になるだろう。
因みに現時点のうーたんが『擬似加護』を行使すれば、最悪数百日は昏睡する事になるだろう。
それでは全く意味が無い様に思えるが、その実やり方を変えれば良いだけの事。
要は私がうーたんを道具として使用すれば良いのだ。
魂魄や精神力は私が用意すれば良い。
更に素敵な事に、今私のインベントリには無数の使って良い魂魄が入っている。
精神力さえあれば加護を掛け放題なのだ。精神力さえあればっ……!
……まぁ、最高傑作であるうーたんの力は何も『擬似加護』だけでは無い。
もう一つ魂に刻まれたその能力は、名付けるなら『経験値結晶化』。
元々私は強引な方法で魔力を注入してレベルを上げさせる事が出来るが、この能力はもっと効率良くそれを行う事が出来るのである。
具体的には、うーたんの魂にしっかりと作られた生産ラインに指定の魂魄を通す事で、魂魄が取り込みやすい経験値の結晶を作る事が出来るのだ。
それも、素晴らしい事にうーたん自身の柔な精神力は殆ど消費しない。
まぁ、それも量次第だが、少なくとも50レベル以内の平均的な魂魄なら簡単に消化、凝縮して結晶化出来るだろう。
……因みに、その経験値結晶はおそらく甘い。
うーたんの魂魄にはウーラの魅了能力が刻まれており、それはリム同様味覚的には甘い味なので、うーたんを通した結晶は甘くなる物と思われる。
うーたん味と言えるその甘みは、うーたんの魅了能力が強くなればなるほど濃くなると予測される。
作られた経験値結晶は仮に『うーたん飴』と呼ぼう。
これにて今日は終わり。
いい加減眠いので桃兎姉妹、いや桃兎三姉妹をベットに寝かせ、私はその横に寝そべった。
明日は『転生者覚醒計画』を進めなきゃね。
桃兎三姉妹と言う成功例もあるし、他の連中も上手い事作れるだろう。




