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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第?章 Another Chronicle 第一節 叛逆の追憶記

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第111話 同族

第四位階上位

 



 帝国軍は戦力を3万ずつに分けて、砦、港、首都の三方向へと向かわせた。



 砦を襲うのは、人型の魔獣3体と『鎚道仙』『雷霆』を含む強力な魔物の群れ。


 どうやら確実に砦を落とす為に最高位戦力を纏めて投入した様だ。



 港を襲うのは、残り3体の魔獣とその配下、そして特に強い悪魔獣の2体。後は一部の帝国兵と奴隷だけで組まれた部隊だ。


 最高位戦力の残り殆どをここに投入している事から、おそらく公国で起きたクーデターは帝国が仕組んだモノなのだろう。



 最後、首都へ向かっているのが、帝国軍2万と他国軍1万。


 残りの1万は殆どが帝国貴族の子息や子女の類いらしく、退路防衛の大義名分の元占拠した村でだらけている。



 砦、港、首都と帝国軍の陣地は何処も同じくらい離れているので、戦闘開始は同時刻、夜になるだろう。



 リベリオンは既に公国国内に入っている。彼等は砦の方へ向かわせよう。


 ドールとロアの騎兵部隊は、公国を縦断して港の救援に向かって貰う。


 首都は……私と何人かの配下で向かおう。





 そんな訳で急遽作成した黒霧の試作型端末『黒雷』。


 高速飛行装置と転移のマーカーを搭載したこの端末は、ぶっちゃけロケットである。


 超小型の天遊核で重量をほぼゼロにし、魔結晶3個、レベルにして400以上分のエネルギーを一瞬で消費する代わりに目的地へ数分で到着する輸送機だ。


 空間魔法で目の前の空間を切り開きながら進んでいるので、音速を優に超えている。



 そんな輸送機は公都上空で空間拡張を利用したブレーキにより停止し、天遊核の力によって滞空した。

 勿論、天帝竜のステルス能力をある程度再現してあるので、余程の強者で無い限りこれを発見する事は出来ない。



 そんなこんなで公都へ転移し、仲間に指示を出した所で、今正に処刑が執り行われ様としているその場所へと目視転移したのである。





「ひそひそ《奴等は帝国と共謀し祖国を侵略させた売国奴である》」

「奴等は帝国と共謀し祖国を侵略させた売国奴である!」



 ギロチンに首を掛けられているのは、4人。


 公国の王と王妃、そしてアルベルト青年の妹と弟の双子ちゃん。


 4人は周辺諸島の貿易の中心である港公国風の煌びやかな衣装を着たままだが、それは民や貴族に王族を処刑したのだと記憶させる為だろう。



 高らかに言の葉を紡いでいるのは、玉座に座る第一王子。シューベルト・エルデンシアだ。


 そしてその横には王妃が座るべき豪奢な椅子があり、不審な女が座っていた。

 女は港公国風の衣装に身を包み、顔の下半分を煌びやかな鳥の羽根で出来た扇で隠している。


 口元を隠しながら何やら呟くと、王子がそれと全く同じ言葉を吐きだす。


 それはさながらスピーカーの如し。



 ——犯人が一目で分かる状況であった。



サキュバス・クイーン ツァーリム LV344



 念の為黒霧に公国中をサーチさせてみると、出るわ出るわサキュバスの群れ。


 国一番の大広間に民や兵士が集まる一方で、人通りの少なくなった街の各地で美少女達が老若男女問わず路地裏に連れ込んでは魅了して放流するのを繰り返している。



 血の一滴すら流れる事なく街の乗っ取りを行なっていた。



 おそらく実際に処刑を行うつもりすら無いのかもしれない。

 何せ安全に配下を作れるのなら、アルベルト青年の様に特殊能力に目覚める可能性がある双子ちゃんを処刑するのは勿体ないからね。


 衆目を集めて人が疎らな場所を作り、洗脳を繰り返して少しずつ街を乗っ取る。

 その一方で、衆目を集めているサキュバスクイーンの方も少しずつ民衆を魅了、催眠していっている。


 演説がどれ程長く続いていたかは知らないが、民衆のほぼ全てが意識を何処かに忘れてしまったかの様にぼーっと玉座を見上げている。


 数万にも到達する民衆全てを少しずつでも催眠出来ているのは、流石はレベル300クラスのサキュバスと言った所だろうか。



 だがまぁ、所詮はレベル300である。



 何せ——



「やぁ」

「——立ち上ひぇ!?」

「今こそ我らが帝国に牙を剥き、立ち上ひぇ!」



 ——少し隠密を効かせただけで背後に立つ私に気付けていないのだから。


 取りあえずスピーカー状態の第一王子君は眠らせておいてあげよう。



 桃髪の美少女は直ぐに角、翼、尻尾を現出させつつ振り向いた。



「何者っ……なによ、ど、同族じゃない」



 どうやって私の種族を察知したのか知らないが、何故かサキュバスクイーンは安堵した様に息をつき、無警戒に歩み寄って来た。



「あ、貴女……な、何変な仮面付けてるのよ。びっくりしちゃったじゃないの!」

「む?」

「もうっ。これで失敗したら貴女のせいよ! ちょっとっ、その変な仮面外しなさい! 後でお仕置きだからね!!」



 驚いたのは仮面のせいと言わんばかりに捲し立てる桃髪に無理矢理仮面を剥ぎ取られた。


 まぁ、悲哀の鬼面は魔力操作能力をちょっと補助する程度の能力しかないので、くれてやっても問題ない。



 そう思いながらも相手の出方を伺うと、桃髪の美少女は目を見開いて停止した。



「……」

「……むむ?」

「……あ、いや……ちょ、ちょっと顔が良いからって私を驚かせた罪は消えないわよ? わ、分かるわよね? こ、これが終わったらオシオキよ!」



 ……セルフ魅了にやられたか。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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