第99話 戦力増強軍備拡張
第四位階上位
折角敵が戦力を分散させてくれているのだから、これを襲わない手は無い。
と言う事で、クランゼル南部に布陣する軍団へドールとロアの軍勢を派遣した。
そうと分からない様に完全武装したロアは、既に森の中に潜んでおり、主に南方側で待機している。
最も注意すべき敵は全員大河の横に控えているので、そちらは僕が担当するとして、北側から来る連中には砦の兵士を向かわせよう。
作戦はこうだ。
大河の側に控えている軍団は、攻撃時に大河を渡るだろうから、渡っている時に川を凍らせる。
北側から向かって来ている軍団は、砦の兵士とドールの集団を砦北西の森に控えさせ、北の森から川沿いに進んでいる軍団が砦へ攻撃を開始して直ぐに背後から襲う。
まぁ、森を進んでいる間に1人ずつ攫っていくのもありだが、それをする程の価値があるのかと言うと……今一だ。
背後から非殺傷武器の一斉掃射で動きを止め、全員を拘束して転送するのが良いだろう。
戦闘が始まるのは明日以降になると思われるので、今日も今日とて生産活動に従事しようか。
とは言え、汎用的な強化魔道具や上級ポーションの生産ラインは黒霧が担当している。
様々な素材のストックも十分にあるし、私が作る物なんてそれこそ一点物くらいしか無い。
魔石の生産ラインも整っているので、後やる事と言えば、現状私にしか出来ない魔結晶の作成だ。
◇
各種生産の自動化を行いつつ生産活動を続け、その傍らで戦災孤児の徴用を行う。
徴用と言っても強制ではない。
ただちょっと動けばおこるかもしれない良い未来と、ちょっとさえ動かなければおこる悪い未来のお話をしただけの事。
結果現時点で集まった孤児は、総勢40名程。
内半分は一番被害の大きかった王都。残りの殆どは各都市の間にある街からだ。
また、店を失った人や商品を失って首が回らなくなった商人なんかを美味しい話で釣って集め、働き手を確保しておくのも忘れない。
そのままの状態だと使えないので、しっかり加工する。
スノーブラックのブランドは全て黒霧に任せるつもりだ。
やがては研究開発から新天地の開拓まで、何もかも黒霧の指揮の元行える様になるのが理想である。
と言う事で、現在各地で特製ドール『ユキ人形』が活動中。
確保した人材はユキ人形を媒介とした転移魔法で迷宮へ転送される。
迷宮内では黒霧の端末と家事ドールさん改め家事オートマタ、オルメルとその部下達によってそれぞれの適職にあった教育を受ける事になる。
人的資源含む各種資源と商品の作成がある程度完了し次第、魔割山脈の先に本拠点を作成しよう。
◇
夜。
人の波は止まらない、故に人材確保を優先していたが、それもようやく一息つける状況になった。
迷宮都市には案外孤児が多く、中には賢しい子供が此方を利用してやるとばかりに近付いて来た物だが、殆どの子供は転移の時点で素直になる。
まぁ、向かう先は迷宮で、そこには発散される魔力の抑え方すらわからない巨大狐が居座っているのだから。
それでも尚従属しないのならば、それはそれで使えると言う物だ。
皆説得すれば快く配下に加わってくれるので、然程苦労はしない。
また、リベリオンに潜入していたスパイやクランゼル王国に潜伏していた間者も纏めて捕獲してお話しした。
これでクランゼル王国内に潜んでいた虫は全て私の血肉に変わったので、ささっと王国の防備を整えて、エルデホート港公国の侵略を始めようと思う。
差し当たって、現在の所有戦力を確認しておこう。
先ず一番強いのはマシロ……ではなくユキ。
主な所持アイテムは、毒、魅了、妖狐の宝珠に、自作の本。
上級ポーションは救助から拷問、果ては生命創造までと汎用性が高いので、生産工場は真っ先に着工し、作成済み。
各種布製品の材料は天殻樹とその力で生み出された植物。
金属は現状ダンジョン頼りだが、黒霧と睡蓮のダンジョンマスター能力は最適化されていないので、信用性に欠ける所がある。
早い所魔割山脈辺りを調査して鉱脈を見つけたい。
魔力に関しては、何故か各迷宮が異常活性して星からぐんぐん魔力を吸い上げては地上に発散しているので、必要十分にある。
懸念があるとしたら……星の魔力の総量と、此処とは違う場所で環境汚染が起きていないかどうか。
それらを調べるには周りがうるさ過ぎるので、それらを黙らせてから調べるとしよう。
各種アイテムは容易く生産出来る状況にある。
ヒヒイロカネの様な神霊金属は加護スキルが無いと出来ないが、大精霊金属なら無理をすれば作成可能だ。
何が起きても良い様に強力な魔導鎧を作っておこう。
・状況開始
根強い人気のある旧文明の銃器を使って戦うゲーム。
個人で戦うバトルロイヤルや、小隊規模で戦うプラトーン、軍団で戦うデスマッチウォーなどがある。
また、ルームマスターには初期状態の設定が可能となっている。
初期武具『小さなナイフ』と『布の服』のみで開始するノーウェポン。
配布武具『名も無き拳銃』や『名も無き防弾服』などを自由に装備選択出来るノービスウェポン。
一度所持した事のある武具なら何でも装備選択可能なオールウェポン。
密林や山岳、旧市街、油田跡地など、フィールドは様々であり、各地に武具が配置されている。
それと同時に敵対生物も配置されており、これを倒すと武具がドロップする事もある。
当ゲームは開始と同時に称号『二等兵』が配布される。
戦闘内容によってポイントが付与され、それが一定値に貯まると次の称号に変わる仕様となっている。
当ゲームには各フィールドに文明崩壊へ至る秘密が隠されており、様々な目標とその秘密を解き明かした者にはとある『船』の購入権が——




