第88話 報酬の確認
第四位階上位
宝箱は全て『収納箱』なので、その点だけ見れば石の宝箱もただのゴミ箱では無いと言えるだろう。
容量はやはりレアな物程多いので、石の宝箱は大したものでは無い。
取り敢えずはインベントリの中に放置である。
先ずは然程興味の無い物から解析して行こう。
二種のオーブは、それぞれ魅了の魔力の結晶か、狐の魔力の結晶だ。
これでオーブは3つめになる。
遊ばせておくのも勿体無いので、何かしらの装備に使用しなければ。
妖狐の魔霊装は、着物だった。
特に目立つ能力は、狐火の使用とそれの強化。
同じく狐火も、狐化系の能力に加えて各種能力強化や耐性がつき、狐火の強化がある簪だ。
違う宝箱から出たが2つ同時に使うのを想定している様である。
トロールメイガス装備は、魔法補助効果の強い杖と強力な指輪。
私には不要な代物だが、配下の強化には使える。
オーガキングの宝箱からでた金棒は、硬くて大きく刺々しい。暴力の塊である。
紅花にでもあげよう。
猪の鎚は打撃系の能力で、魔杖は電撃を放つ事が出来る杖。狼のイアリングは影を操り、針鼠の指輪は魔法の針を飛ばす。
どれも性能は今一で、針鼠に至っては蜂の針で作ったスティンガーと同じ様な物だ。
違うのは、私が作った物は物理的に魔法機構を刻み込んで作っているのに対し、報酬のアイテムは武具の魂に魔法機構が刻まれている。
この差は割とデカイ。
魂が強大でも表面積が少ないと機構を刻めない。
小さく刻んだとしたら、摩耗が早くなってメンテナンスが必要になる。
どうにか魂に機構を刻める様になりたい所である。
次は、悪魔の剣と死魂結晶。
剣は、ゴブリンの剣の強化版である奪命剣と似た様な特性を持つ魔剣だ。
効力は、所持者から生命力を吸い出して、剣自体が強力な斬属性を纏う物。
おそらく、悪魔が死魂結晶から送られてくるエネルギーを押し込んでいたのが原因で、剣自体がその様に進化したのだろう。
これは一種の呪具だ。
効力自体は魂を消耗する分強大だが、並大抵の人間がこの剣を使えば忽ちに魂が体から零れ落ちる。
このまま呪具として剣を進化させて行けば、強い人間の負の感情を受け、歪んだ自我に覚醒するかもしれない。
調整して進化の道標を作ってやらねばなるまい。
そして最後、本日のメーンディッシュ。死魂結晶。
これは、結論から言うと封魂結晶の亜種だ。
そのコンセプトは血闘刻印に近い。
周辺一帯から魂を回収し、その魂から超濃度の魔力を搾り取るのだ。
効果範囲は結構広い様で、死魂結晶には結構な数の魂が入っていた。
その中でも特に目立つのは、死んだ悪魔の魂。
悪魔の魂は無数の魂の力を取り込んで、大きく変質していたのである。
これを弄らない手は無い。
取り敢えず他の魂は勝者の権限として頂いておく。
その多くは力を吸われて記憶に障害が出ている可能性が高く、そして今の僕では記憶の補完の様な高度な技術を要する事はちょっと出来ない。
完全に死んだ魂はエネルギーを吸い尽くして放流、まだ無事っぽいので使えそうなのはドールに入れて蘇生させよう。
無闇と魂を回収するのも何なので、回収機能は任意にしておく。
最悪リベリオン辺りに持たせて彼等が死んだ時に魂だけでも回収出来る様にするのが良さそうだ。
さて、特に希少なアイテムの確認は済んだので、その他の金属や魔法符の書き換えを行おうか。
◇
「えー、マシロさん?」
「何?」
各種作業を同時並行で行なっていると、先程からじっと作業を見ていたクラディとゼーレが声を掛けて来た。
「何か凄まじい事をしている様に見えるのですが……一体何をしているんですかね?」
「魔法金属の精製と魔法符の書き換えに魔道具の作成から酒類の醸造まで、後は配下に指示も出してるね」
「オーケーワカッタ」
「……へ、へぇ……魔法金属、作れるんだ……」
何をそこまで驚く必要があるのか分からない。
魔法金属にしたって、賢神グリエルなら精製出来ただろうし、悪魔の剣も悪魔の強い力を受けてただの鉄から魔法金属に変質している。
これくらい驚く程の事ではない。
「ある程度区切りが付いたらクランゼル王家に接触するから、2人は付いて来てね」
「リョウカイデース。ナンデモシマスヨー」
「り、了解です」
三聖獣も連れて行って、手っ取り早くネームバリューと力で従えよう。




