第74話 伝説級の支給品
第四位階中位
スズノミヤマシロが何処かから取り出した革の袋。
それは迷宮深奥の宝箱からしか出ないレアアイテム『収納袋』だった。
一般的には古代魔導遺産とも言われる代物で、上位貴族や一部の豪商、Aランク級の冒険者クランなんかが持っている超絶レアアイテムだ。
そんなマジックバックを、スズノミヤマシロがひっくり返した。
出てきたのは……。
「鉄……いや、魔鋼!?」
巨大な鈍色の金属塊だった。
鉄みたいな普通の金属とは明らかに異なる、ファンタジー金属特有の魔力の気配を放つその金属塊は、俺が使っている剣を100本くらい作れる程の量があった。
これだけで一体幾らになるのやら……首都の一等地にクランホームを建てられるレベルだぞ。
「まぁ、そんな感じ……これで作られた魔道具と幾つかの魔法符を差し上げよう」
スズノミヤマシロがマジックバックを振ると、中から無数のアイテムが転がり出てきた。
「指輪は魔力タンク。腕輪は身体強化。ペンダントは緊急回復」
無造作に転がる無数のアーティファクトを前に、この場にいる全員が硬直したのは至極当然の事だろう。
◇
クランゼル大平原。
北から南まで馬車で2日程掛かる超広大な平原だ。
なんでも、建国王が三聖獣と共に作り上げた平原なんだとか。
そんな大平原には、南にクランゼル首都、そこから北西に大迷洞を有する迷宮都市クラット、北東に深迷窟を有する迷宮都市ウィゼルが存在している。
各都市は馬車でおよそ一日掛かる距離にあり、その道は特に念を入れて舗装されていた。
……そんな道を、マシロさんが用意した派手な色の装甲車6台にメンバーが分乗し、走る事およそ数十分程。
黒煙が上がる宿場街が見えて来た。
「ちょっ、ゴーレムちゃん。ちょっとあの街寄ってくれないかな!?」
新幹線ばりの速度で突っ走っていた装甲車を運転している、巨大な真珠のゴーレムに嘆願する。
もしかすると悪魔供が宿場街を襲っているかもと思っての事だ。
すると、ゴーレムちゃんは顔、と言うか胴体と言うか何とも言えない部分に、拒否の顔文字を浮かべた。
同時に平坦な音声が流れる。
『アークデーモントグレーターデーモンハイナイノデ、シュリョクハオウトニムカイマス』
「ま、待ってくれ、それじゃあ指揮頭がいなくなる!」
『ダイジョウブデス』
「何が大丈夫なんだぁぁ〜〜っ!!」
俺の声は遥か後方に置き去りにされ、極彩色の隊列から、青、緑、黄の三色が離脱していった。
◇
超高速で走る流線型の装甲車は、更に数十分後、王都に到着した。
王都は所々から黒煙が上がり始めており、悪魔の襲撃が始まって間もない様だった。
クラットでそれなりに準備の時間を取られたが、空をかっ飛んで行った悪魔達に追い付くとかどんだけ早いんだよ。
いやまぁ、平らで真っ直ぐな道なら……いややっぱり早いか。
装甲車から這い出して来た何人かは、車酔いっぽい何かになったらしく青白い顔をしていたが、それもスズノミヤマシロに渡された状態異常耐性の装備で完治した。
改めてスズノミヤマシロに渡された装備を確認する。
戦闘時に消費する魔力を補う為の魔力タンクの指輪『マナリング』。
初級の回復魔法である『治癒』が50回まで発動可能な指輪『ヒール・リング』。
身体能力などを僅かに、そして常時強化する腕輪『プラスパワー』。
害のある状態異常に耐性をつけ、治癒を早める腕輪『ステータスガード』。
致死のダメージを一度だけ、完全に回復させる、ダイアモンドの様な宝石がついたペンダント『リカバリークリスタル』。
魔力を消費して半径1m圏内に魔力の壁を作る事が出来る、雪の結晶を彷彿とさせる記章『バリア・エンブレム』。
どれも高い汎用性を持つ伝説級のアーティファクトだ。
やっべぇな、スズノミヤマシロ。一人前でクランホームが建ちますよ?
メンバー全員完全に回復した様だし、そろそろ始めようか。
「……よし、行くぞ!」
そう言った瞬間だった。
ガシャガシャジャキーンッ!
……と言う擬音が出そうな速度で装甲車が変形したのは。
「お、おぉ……」
装甲車は全員の前で瞬く間に変形し、車から鎧に変わったのである。
……変形ロボットじゃないですかー。ワースゴーイ。
俺が驚き過ぎて語彙の少ない感想を頭に思い浮かべている間、リベリオンの現地民メンバーが歓声を上げているのだった。
本当、スズノミヤマシロって何者だよ。
どう考えても個人で用意出来るもんじゃねぇよ。
エイシャ(後藤 早苗) 19(+22) 女
LV40
・チートスキル
【三閃槍】
槍術(大)
体術(中)
魔法・特殊(中)
水棲(大)
水中呼吸(中)
水中機動(中)
??の因子(微)
・スキル
調薬(微)
農作(微)
採取(小)
毒耐性(中)




