第27話 嗤う骸骨
第三位階上位
プレイヤー対魔物の戦いは既に乱戦になっていた。
ざっとみて、敵の数は大きく減ったが、プレイヤーの数も大分少なくなっている。
やはり人型でしかも腐ってるのを相手にするのは無理だったか。
生き残りのプレイヤーの中で特に目立つのはタクのパーティーだ。
蒼の鎧に蒼の双剣を持つタクは、単騎でデスナイトと渡り合っている。
センリ、ミサキ、ケイの三人は迫り来るゾンビやスケルトンを相手に奮闘しているが、皆顔色が悪い。
特にミサキはそれらが苦手なのか、とにかく大剣を振り周りしている。あれじゃあスタミナが続かないだろうに……。
次に目立つのはセイトのパーティー……ではなく単騎のアランだ。
武器の能力か、はたまた元からそう言うスキルを持っているのか?
アランは紅いオーラを纏って、デスナイトや迫り来るゾンビ達と互角の戦いを繰り広げている。
そして次がセイトのパーティー。
いつの間にかクリアとマガネの二人と合流した様で、三人でデスナイトと戦っている。いや……クリアは必死に逃げ回っている。
マガネの持つ剣はアンデットに対して有効な様で、デスナイトやゾンビ達がマガネに集中して攻撃しているが、マガネの盾使いが上手く、大きなダメージを与えられていない様子。
その隙をついてセイトが敵を倒しているので、正に思う壷だろう。
次がアヤのパーティーだ。
アヤは、やはり装備の効果なのだろう。青白いオーラを纏ってアンデットの大軍を薙ぎ倒し、そのパーティーメンバーも連携が上手いので隙が無い。
ただ、疲労が溜まっている様で、僅かに動きが悪い。
他のプレイヤー達もそれぞれ活躍しているが、全体的に動きに精彩がない。
スタミナや集中力もあるだろうが、武器の損耗もバカにならない様で、次々とやられて行く。
プレイヤーが死ぬのは初めて見たが、光になって崩れ、空中に溶けるように消えて行くさまは、中々に美しい。
何やら魔力を感じるが、死に戻りも魔法なのだろうか?
……もしそうだとしたら……プレイヤーが復活出来ない様にする事も可能なのでは?
……面白い。
ティアと妹精霊さんの戦いは凄まじく、ティアは次々にゾンビやスケルトンを薙ぎ払っているし、妹精霊さんは二体のレッサーリッチと魔法の応酬をしつつ、他のアンデットを屠っている。
いつの間にか参戦していた、やや小さめな光の巨人はデスナイトの小隊とぶつかり合い、余波でゴーストやワイトにダメージを与えている。
僕の配下はと言うと。
騎士像さんと戦士像さんはレッサーリッチと戦いつつ、足元のゾンビを踏み潰したり蹴り飛ばしたりして着実に敵を減らしている。
デカスラさんとうさーずは、ひたすらにゴーストやワイトを狙い打ちにしている。
良く見ると、デカスラさんの中にはケロちゃんもいて、いつの間に拾ったのか杖を構えて攻撃している。
二足歩行で立てたりするのだろうか?
あと、デカうささんが漂ってるんだけど……まぁ良いか。
また一方では、ゴーレムさん、蟹さん、蜘蛛さんを壁にした小型の子達の奮闘があり、負傷者多数ながらも未だ死者はいない状況を貫いている。
ワンワン軍団は、戦場を駆け回って次々と空白地帯を作っている。どうやら密集地帯を避けて突撃を繰り返している様で。本を開いて確認したが、今の所脱落者はいない。
白くなったワンコ達は光属性を含んでいるせいか、アンデットに有効打を与え、味方がピンチになれば集団で牙を剥く。足を止めずに戦い続けているからこそ脱落者がいないのだろう。
時折やってくるデスナイトはウルルやデカワンワンに引き倒され、ワンワン軍団による袋叩きにあって亡くなっていく。
戦場では、思っていた以上に配下が生き抜いている。
レッサーリッチの排除が上手く行ったからだろう。それからデスナイトが単独で行動しているからと言うのもあるだろうし、アンデッドの動きが思っていた以上に鈍かったから
疑問があるとすれば一つ。
——あいつは何処に行った?
戦いが始まってから一度も見かけなかった、レッサーリッチの上位種。
……戦場を見渡しても何処にもいない。
もしあれが戦闘に参加していたら、間違いなく此方側が劣勢を強いられていた筈……。
一体何処に居るのか。
「……む、見付けた」
戦場を見渡し、スケルトンの中に混じって居ないかと探していると、遠くの森の中でキラリと何かが光ったのが見えた。
そちらへ視線を向けると……見付けた。
真っ暗で見えにくいが、夜目スキルのおかげで辛うじて見えた。
暗い森の中から、此方へ杖を向けている奴の姿を。
——カカッ
目が合った。
眼窩に灯るは仄暗い赤の光。
奴の嗤う幻聴が聞こえ。
次の瞬間——
——戦場全体を覆う程の巨大な魔法陣が現れた




