第43話 戦力を把握
第四位階上位
5日目。
無茶をして消耗した精神力をしっかり回復させ、装備の開発を行った。
改めて味方の装備確認をしておこう。
先ずはドールとゴーレム達。
文字通り小山の如くあった金属塊を消費して、鎧と武器を用意した。
火鋼の鎧 品質A レア度4 耐久力A
備考:火鋼製の鎧。様々な魔法が施されている。
水鋼の剣 品質A レア度4 耐久力A
備考:水鋼製の剣。様々な魔法が施されている。
火鋼。水鋼。風鋼。土鋼。光鋼。闇鋼。
実験がてら六種類の属性金属製武具を用意しドールやゴーレム達に装備させたのである。
旧装備は全て合成強化し、高位金属による補強を経てドール達に装備させている。
これら擬似魔導鎧とも言える武装による強化で、ドールやゴーレム達はレベルにして80〜90に相当する程の力を得るに至った。
最精鋭の5体は精霊金属による強化なので、強力な魔物素材武器と相まってレベルは170にも匹敵する。
また、100体のドール達にはデッドリーポイズンスライムを取り付けてあるので、その100体に関して言えばヒドラの猛毒は殆ど効かないだろう。
次、クレヴィドラグ。
彼等には、硬い甲殻に属性金属を混ぜ込み、硬化の魔法文字を描いて防御を固めた。
脱皮したら全て無意味なので、彼等の強化は夜の脱皮直後に行い、本当に不味い時以外は脱皮しない様に命令した。
また、彼等の両鋏に中級の光系魔法を刻んであるので、遠距離攻撃も可能である。
次は二頭の大鹿。
ディヴァロアは、回復魔法を行使して角を完全に回復させた。
二頭には毒属性魔力を分解する魔法文字を刻んだ角輪を装備させ、ヒドラの猛毒に備えさせた他、マナタンクとして魔結晶が付いた首輪を装着させた。
これで魔力切れまでの時間が大幅に伸びた事だろう。
2鬼は、元々のレベルと高位武具により、レベルに換算して250相当の力量を持っている。
装備の名前は、白鬼の場合は、臆病な彼女が暗闇に怯える事が無い様にと願いを込めて白夜。
赤鬼の場合は、戦闘好きで敵を殴って赤い花を咲かせる事からその推進と発展を願って紅花。
両方に姫が付く理由は、何方も女性だからである。
尚、白鬼は杖を大層気に入った様子で大興奮していた。
オートマタ4体は、各種高位武器と防具を身に付け、その戦闘力はレベル200に相当する。
クラウは操糸魔法と操影魔法を使えるガントレットに蜂の毒針を装備しており、搦め手重視の装備編成となっている。
ロニカはひたすらに防御を固め、魔盾や魔壁などの魔力結界系魔法を多数使える様にした。
盾には魔結晶が仕込まれており、魔力切れの心配は殆ど無いだろう。
また、盾には超防御魔法と銘打って『拒絶する白』と言う名前の魔法を刻んでおいた。
全魔法、物理攻撃に対する厚くて白い盾状の結界を張るだけの代物である。
セロは鬼属性魔力を分解する作用を高めた他、斬属性の濃度を上げ、刀の切れ味を上げた。
此方もロニカ同様強力な魔法『断ち切る黒』と言う名前の魔法を刻んでおり、発動後は刀を延長する様に強力な斬属性の刀身が出る。
リーンは上級の光系魔法『聖なる光』。部位欠損も再生可能な回復魔法『救済者の慈愛』。補助魔法の『能力増強』などを使える様にした他、杖にはカットした魔結晶《大》が装着されている。
彼等は単体では然程の脅威でも無いので、ヒドラと戦う場合は4人1組で戦って貰おう。
プチジェムゴーレムの6体は、最初から王級の状態で戦って貰う。
出力とコアの質的に持久戦には向かないが、短期決戦が狙いなので問題は無い。
各種鎧は、汎用性の高い矢系や光系の魔法。殲滅に向いた広範囲魔法。切り札となる高威力魔法などを刻んである。
万が一魔力切れになったとしても、ジェムゴーレム達はレベルに対して魔力量がかなり多いので、彼等が第二のコアとなる事で継続戦闘が可能である。
更に付け足すと、スキル『結晶解放』により瞬間的な出力を大幅に向上させる事が可能なので、単体だけでも最大でレベル200に迫る力を発揮する事が可能だ。
天殻樹の分霊体は、元から大きな力を持っているので強化の必要性が無い。
元々精霊体なので物理的な毒は効かないが、毒属性魔力は効くので、 念には念を入れて毒耐性のペンダントを装備させておく。
僕は、ローブに魔結晶を仕込み、魔典に浄化系や聖属性の魔法を書き込んだ。
闇系統である毒属性魔力は、浄化含む聖属性魔力に相反するので、数を揃えれば十分なダメージを与える事が出来るだろう。
……最後に、各主力メンバーの服や鎧に魔結晶を仕込んでおいた。
これはあくまでも保険。
最後の最後、もうどうしようもないと言う時に使う切り札であり諸刃の剣。
予測される最悪の事態に対する備えだ。
願わくば皆無事で戦いを切り抜けられる事を。
「……」
心做しか丸みを帯びてきた偽物の月を見上げ、軽く黙祷する。
明日は偵察と休息。
仕掛けるのは明後日にしよう。




