第42話 決戦に備えて
第四位階上位
「……ほ、本当にユキか?」
「?」
侵略率が100%になったので帰還指示を出すと、しばらくして最初に2鬼が帰還した。
そんな中、白鬼が恐る恐ると言った風情で僕にそんな事を聞いて来る。
僕みたいな凄いのが2人も3人もいるとは思えないが……どうしたんだろう?
「僕は僕だけど?」
「そ、そうか……良かった……」
「?」
何が何やら分からないが、取り敢えず白鬼を少し観察してみる。
赤鬼と違って見た目は進化前と殆ど変わらないが、魔力保有量が少し増え、身体能力が上がっている様だ。
まぁ、色鬼人と言えば鬼人の属性変異種であり、能力の上昇幅は低い物。
妖鬼も霊鬼も格で言えば鬼人とほぼ同格なので、色鬼人に進化しても能力が然程上がらないのは当然と言えるだろう。
続いて他のメンバーが帰還。
「……ますたがもとのますたにもどってる」
『やはり彼方より此方の方が心地いいですね。元に戻って何よりです』
「?」
何が何やら分からないが、取り敢えず期日までに山エリア以外の支配が終わりそうなので、そろそろ最終ボス戦の準備を開始するとしよう。
僕の推定だと、山にいるヒドラのスペックはレベル500相当。
対して僕側の戦力は、最大が天殻樹のレベル350前後。
天殻樹の本体は森から動けないので、実際に戦闘に参加するのはレベル200相当の分体だ。
戦力をざっと数えてみよう。
・僕:LV63
・2鬼:LV100程
・ディヴァロア&ティオロア:LV150程
・天殻樹の分霊体:LV200程
・オートマタ4体:LV 70〜80
・プチジェムゴーレム6体:LV1〜50
・精鋭ドール5体:LV60前後
・強化ドール38体:LV50後半
・ドール93体:LV50半ば
・巨大ゴーレム:LV80程
・沼ゴーレム:LV80程
・壁ゴーレム:LV80程
・ゴーレム30体:LV50後半
・クレヴィドラグ120体:LV50程
・ヴァンキッシュコング:LV70程
・バトルモンキー総数50体以上:LV10前後
・鹿の配下、総数不明:LV10前後?
・天殻樹の配下多数:LV10〜50
・デッドリーポイズンスライム100匹分:LV30相当
・妖狐火3体:LV30程
・モンスターカード2枚:LV1
頭数だけ見ると最低でも600体程はいる。
戦闘に参加できるのはその半分くらいだろう。
僕が決めた期日までは後7日。
5日以内に全ての準備を終えてしまおう。
◇
翌、4日目。
各エリアの侵略を完了させ、防衛戦力の配備を終えた。
樹海エリアの侵略核を守るのは、天殻樹の本体とプラントゴーレム。
森エリアを守るのは、バトルモンキーと大鹿、プラントゴーレム。
草原エリアを守るのは、沼ゴーレムと壁ゴーレムにプラントゴーレム。
洞窟エリアを守るのは、ヴァンキッシュコングとプラントゴーレム。
沼地エリアを守るのは、妖狐火3体とただのポイズンスライム多数、プラントゴーレム。
全エリアに天殻樹の配下が派遣されており、その総数は格エリアにつき101体。
僕と天殻樹の合作であるプラントゴーレム達は、LV30相当が95体。副隊長にLV50相当が5体。隊長にLV70相当が1体と言うかなり強めの布陣になっている。
彼等は、万が一敵が大軍だった場合退路を守る為に戦って貰う。
これから僕がやる事は、戦闘に参加する魔物達の徹底強化である。
幸いにして鉄は小山程もあるし、魔力にも事欠かない。
ドール、ゴーレム、クレヴィドラグ、他。全軍の強化を一切の妥協なく仕上げるのだ。
差し当たって今日中にやる事は、食事が必要な配下達のご飯を作る事。
その間戦士達にはスキルを磨いていて貰おう。
◇
最初に作ったのは、ディヴァロアとティオロア、草食獣二頭のご飯。
草も木ももりもり食べる二頭には、天を覆わんとする程に巨大な天殻樹に生い茂っていた大きな葉と、高品質の魔石などを配合したペレットを山の様に作った。
僕の手の平に乗る量だけで、1日分の魔力補給が可能であり、山の様に積まれたペレットは一年くらいなら余裕で持つだろう。
味も当然美味しい。
全てのペレットは、洞窟エリアの宝箱から入手した収納袋に纏めてある。
次、クレヴィドラグ。
彼等のご飯は、要らない魔物肉や素材、高品質魔石を適当に混ぜ合わせて調味料で味付けした、栄養豊富な謎のペレットである。
鉱物食スキルがあるから食べられるのであって、普通の生き物だと間違い無くお腹を壊すだろう。
彼等は生後10日も経っておらず、未だに少しずつ脱皮して成長しているので、この謎ペレットを食べればぐんぐん成長する事だろう。
ヒドラの毒も僅かに混ぜてあるので、猛毒耐性も上がって行く筈である。
最後、僕等のご飯。
好評だったご飯、グランダイル肉はもう無いので、代わりにその下位互換であるギルダイルの肉で大量に肉料理を作った他、イールの蒲焼きや塩焼きを作った。
それ以外にも、多数の食べれる魔物肉で肉料理を作り、樹海エリアにいた野菜魔物の野菜料理や、鹿乳と蜂蜜、果物を使ったデザートなど、魔物素材で作れる料理をできうる限り作り、更に1〜3層で入手可能な下位食材を掻き集めて、がむしゃらに料理を作り続けた。
パンや麦を含めると完成したのはおよそ一億食分。これで10人なら一生食べるのに困る事は無いだろう。
また、これらの無茶を押し通した結果、調理に使用したスキルはグンとレベルを上げ、新しいスキルが勝手に増えていた。
ユキ LV63
スキルポイント40P
スキル
錬金術LV49
従魔術LV20
調薬LV28
料理LV36
回復魔法LV32
魔力吸収LV48
魔力譲渡LV33
魔力掌握LV4
思考明瞭LV39
並列思考LV28
念力LV50MAX
念動LV50MAX
念動力LV5
インベントリLV5
鑑定LV6
画像LV3
動画LV1
疲労耐性LV14
精神耐性LV12
魔法耐性LV6
etc……
やはりスキルと言う物は最初の一歩がかなり時間が掛かるだけで、鍛えていれば自然と生えて来る様である。




