第31話 地底から次へ
第四位階上位
時間は更に経過し、それは現れた。
鋭い4つの大鎌を持つ、巨大な蟷螂だ。
羽を使っての高速機動に4つの大鎌による連続攻撃。
それに対するドール達は、ひたすらに防御を固め、遠距離からの攻撃に徹していた。
4体の盾持ちドールが攻撃を受け止め、内2体の大盾持ちと蜈蚣鎧のドールが遠距離攻撃を行い、隙あらば大剣持ちや双剣持ち、小悪鬼王シリーズの武具を持つドール達が大鎌の根元へ向けて其々の武器を振るう。
リーチの長さと一撃の重さで優っていた蟷螂は、戦闘が進むにつれて徐々にその勢いを失い、ひたすらに防御に徹していた疲れ知らずのドール達は、攻勢の緩みだした蟷螂へダメージを重ねて行く。
最後にせめて一太刀とでも言わんばかりに繰り出された毒性のブレスは、範囲防御魔法のウォーターウォールによって防がれ、蟷螂は力尽きた。
タイラントマンティスの大鎌 品質B レア度4 耐久力B
備考:タイラントマンティスの力が込められた大鎌。
タイラントマンティスの甲殻 品質B レア度4 耐久力B
備考:タイラントマンティスの体を守る硬い甲殻。
タイラントマンティスの魔石 品質B レア度4 耐久力B
備考:暴君蟷螂の魔石。
今までで一番の激戦に黙祷を捧げ、早速大鎌の武器化に取り掛かる。
目指すはレア度5の武器。
今ある素材で作れるかな?
◇
夜。
洞窟エリアの侵食率は1日経った今でも10%に満たない。
理由は明白である。
——僕が魔力を使い過ぎているからだ。
そんなこんなで大量の魔力を消費して作った武器がこれだ。
暴君の魂狩り鎌 品質A レア度5 耐久力B
備考:タイラントマンティスの大鎌と魔石を用いて作られた大鎌。
暴君の加護鎧 品質A レア度4 耐久力B
備考:タイラントマンティスの甲殻を用いて作られた鎧。
相性の良いこれら2つを魔導鎧化し、貴重な魔水晶をコアに強力な魔導鎧を完成させた。
将級魔導鎧・暴君蟷螂 品質A レア度5 耐久力B
備考:タイラントマンティスの素材を用いて作られた魔導鎧。様々な魔法が施されている。
ドロップした大鎌4本を全て合成し、甲殻も可能な限り合成した。
出来た魔導鎧は、防御力と機動力を重点的に上げて生存率を高め、大鎌の方は斬属性を高めて斬撃を飛ばせる様に設えた。
大鎌は魔石まで使って魔槍と同格に持って行ったので、鎧と合わせて魔槍と同等の活躍を期待しておく。
また、余った蟷螂の甲殻や薄めたヒドラの毒血を、実験がてら既に成体よりも大きくなっているクレヴィット達の水槽に投入しておいた。
水の魔力濃度も高濃度を保ち、今日はもう早めに寝る事にする。
合間に作っておいたベットへ横になり、目を瞑る。
……鬼2人はどうせ寝ないだろうが、一応2人の分も作ってあるので、休む時はしっかりと休んで欲しい所である。
◇
新種・クレヴィット LV20
翌日。
クレヴィットの成長をつぶさに観察する2鬼を見守りつつ、水槽に餌と魔力を補給する。
クレヴィットは既に成体の3倍近い威容となり、クレヴィットと言う種族の範疇を逸脱しつつある。
早ければ今日中にマザークレヴィットよりも大きくなるだろう。
やはり圧倒的高位の魔物素材を与えたのが大きく影響している様だ。
折角なので、装備作成で余った端材を全て纏めてあげてしまおう。
そんなクレヴィットと2鬼は放っておいて、今日も僕は侵略を続ける。
敵は殆ど弱い下位の者のみで、数も少なくなっている。
取り敢えず数日様子を見て、敵の攻勢が無ければこの地の侵略をドール達に任せてしまっても良いだろう。
幸いにして此処は守り易い地形である。
万が一ディヴァロア級の魔獣が来ても、装備を整えたドール達ならどうにか防ぎきる事が出来るだろう。
◇
クレヴィドラグ LV30
2日後。
昼夜問わず襲いくる少ない魔物からドロップ品を回収し、不要な素材は高品質に纏めてからクレヴィットの餌にする事を繰り返していると、クレヴィット達は違う魔物へと成長した。
鋭く硬い両鋏。鮮やかな紫色をした堅牢な甲殻。頭付近に生えた小さな角状突起。極め付けにその体躯は2メートルを越えている。
どう見てもクレヴィットじゃない。
また、この2日間、度々襲い掛かってくる敵の群れを殲滅し、ドール達は全員が上位種へと進化した。
現在敵の襲撃は落ち着いているので、当初の予定通りドール達を残して次のエリアの侵略に向かおうと思う。
ただし、現状を見ると地底エリアは防衛過多なので、全86体のドールの内半分を次のエリアに連れて行く事にする。
洞窟エリアに配備するドールは合計43体。
殆どは進化したてか武装が弱めの者だが、レベルは既に50を越えているので、十分守り切ってくれるだろう。
洞窟エリア、侵略率40%にして、次のエリア、沼地エリアへの侵攻を開始する。




