第18話 拠点
第三位階上位
ディヴァロアとは。
チャージディアーの特殊進化個体らしい。
戦闘力はチャージディアーとは比較にならない程高く、単純な数値だけで考えるなら上位竜種にも匹敵する力を持っている。
出てくる魔物のレベルが10や20ばかりの迷宮としては破格の力を持っていると言えるだろう。
今の僕のレベルでこれの突撃をまともに受けてよくまぁ生きていた物だ。
この迷宮でこれ以上に強い魔物と戦う事は早々ないだいろう……と思っていたのだけどね。
「グァォ」
「ふむ……」
テイムの細やかな繋がりは、細やかながらディヴァロアとの多少の意思疎通を可能にしている。
それによると、後4体。ディヴァロアに匹敵するか追い抜く程の魔物が存在しているらしい。
大まかな居場所は分かったので、取り敢えず今日は撤退する事に決定した。
おそらく次の獲物もディヴァロア同様操られて僕に襲い掛かって来るだろう。
流石に二戦するだけの余裕も蓄えも無い。
せめてディヴァロアの完全回復が終わってから、次へ挑むとしよう。
◇
所変わらず場所は異界迷宮の出入り口。
此処に大きな野営拠点を築く事に決めた。
忌むべき6層の攻略が完了した後に、ほぼ全ての戦力を此処へ集結させる予定だ。
幸いと言って良いのか分からないが、何故かこの異界迷宮は迷宮の強制力が低い。
分かりやすく言えば、迷宮の力と別の、且つ複数の力がぶつかり合い、迷宮が弱体化している様なのだ。
まぁ、そもそもそうでなければ、幾ら強力とは言え住居核程度では迷宮から階層を奪う事など出来よう筈も無いのだが。
そんな訳で、ディヴァロアが破壊した木々を回収し、逆茂木や乱杭を設置。
それらの内側に平原を均す際に回収した土で砦を建造した。
……ただ土を積み上げただけだが。
兎にも角にも魔力が足りないので、今日はもう作業が出来ない。
◇
やる事が殆ど無いので、僅かなオドを操って魔力操作のレベリングをしつつ、今回入手したアイテムの確認を行った。
先ずはクエスト報酬。
『遊技神の神子核』は、鑑定時に2つの情報が出た。
遊技神がそれを僕に見せたかったのだろう。
遊技神の神子核 品質SSS レア度10 耐久力SSS
備考:遊技神が作った神子核。解放率0%
遊技神の神核 品質SSS レア度10 耐久力SSS
備考:遊技神の力が込められた結晶体。封印状態。
備考欄の説明から察するに、神核は星珠や宝珠の上位互換だ。
その情報が見れたのも一瞬だけで、その後は遊技神のうざい説明に変わってしまった。
? 品質? レア度? 耐久力?
備考:サービスは初回限定であるっ! ハーハッハッハッ!!
次は『遊楽の神子結晶』。
これは……無くなっていた。
その代わり、灰色の神核に神子結晶の分だけ色が付け足されていた。
灰色の球体の一部分だけ色が付いていると言う不思議な状態から察するに、神子結晶を集めて神核の封印を解除せよ。という事だろう。
結局神核は、それだけだと何にも使えない、ただ異様に硬いだけのアイテムでしか無い。
続いて、ディヴァロアの角。
これは、ひび割れた状態から変に回復させるよりは、根元から切り取って再生させる方が良いと判断し、回収した物である。
今は、回復魔法とディヴァロアの再生力のおかげでほんの少しだけ盛り上がって来ているが、完全復活までは結構な時間が掛かるだろう。
ディヴァロアの鋭突角 品質C レア度4 耐久力B
備考:ディヴァロアの力が込められた角。破損している。
ディヴァロアの鋭突角片 品質C レア度3 耐久力C
備考:ディヴァロアの力が込められた角の破片。
この角は破片だけでもディヴァロアの使う力と同じ様な魔法を使う事が出来る様になる。
固有能力『チャージ』は、妖狐の尻尾が『狐火』を使えるのと同じ原理で、その力は部位の魂魄に刻まれている。
錬金術の合成が小悪鬼の剣の魂魄に宿る力『生命力強奪』を束ねる事が出来る様に、『チャージ』の力を任意の合成対象に引き継がせる事が可能だ。
従って僕は、状態の良いディヴァロアの角で槍を作り、そこに回収した破片の全てを束ねてみた。
流石に魔力消費が激しい上に、いつ強敵が襲い掛かって来るか分からない以上こんな事をやっている暇は本来無いが……やってしまうのが僕の悪い所である。
魔槍・ディヴァロア 品質A レア度5 耐久力A
備考:ディヴァロアの角を用いて作られた魔槍。
槍持ちの1体にこれを持たせ、更なる活躍に期待する。
余った槍は、もう1体の槍持ちの槍と合成し、質を向上させるのに使った。
そんなこんなで日も暮れ、僕は早めに就寝するのであった。




