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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第?章 Another Chronicle 第一節 叛逆の追憶記

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第15話 ″敵″との戦い

第三位階上位

 



 ざっと周りを見渡して地形を把握した。



 今いる場所は異界迷宮の最南端。


 ちょっとした小さな丘の崖に空いた穴が、8層へと続く道だ。


 その更に南には『異界の壁』が存在し、進行不可になっている。



 東には岩山がある。


 所々に穴が空いた標高が低い割に広大な山で、どうやらゴブリンが生息しているらしい。


 その内部にはきっと無数のゴブリンがいるのだろう。



 西には森があった。


 密度は程々に濃く、生い茂る木々の間に何種類かの生き物を見付ける事が出来た。


 一度探索してみない事には何とも言えないが、肉の種類が多いと言う事は覚えておこう。



 北には草原が広がり、更に北には大きな山が見える。


 山登りとはまた面倒だが、飛行スキルがあるので僕1人で行く分には問題無い。

 寒耐性スキルも程々に上がって来ているので、寒さにもある程度耐えられるだろう。



 とりあえずはレベルも29に上がり、スキルポイントも29Pある。特にこの階層で取得すべき必須スキルはなさそうだし、従魔術を取得しておこう。


 迷宮の魔物を従えるには、その魔物が持つ迷宮の魔力と迷宮の支配を排除する必要がある。

 余程欲しい者が出ない限り使う気は無いが、迷宮攻略が終わったら外で何かをテイムしよう。



 さて、何処から向かうべきか。



 そう思考した瞬間、その音は聞こえて来た。




 ——ヴァオォォォーーッッ!!




 轟く咆哮は森を揺らし、鳥達が空へと逃げる。



 続いて耳に届いたのは破砕音。


 遅れて聞こえたのは、何か大きな物が此方へと真っ直ぐに向かって来る振動の音。



 森の木々を突き破り、それは現れた。




ディヴァロア LV?




 それは端的に言って鹿だ。


 ただし、サイズはやたらとデカイが。



 主に前方と後方に広がる巨大な二本の枝角は、鋭利な刃物の様に鋭く尖り、僅かに光を纏っている。


 やたら巨大な肉体は、鹿と言うにはあまりに筋肉質で、総重量は計り知れない。



 その瞳は——



 ——敵意に満ち溢れていた。




 角が光を放つ。


 それと同時に巨大鹿の強靭な脚が攻撃性を持つ赤い光を纏った。




 そしてそれは、放たれる——







「……ごふっ」



 体の中から込み上げてくるそれを吐き出す。


 地面に落ちた物は、色々な何かが混じった赤黒い液体。

 同時に口の端から血が垂れ、滴る。



 痛い……痛い? 熱い。



 何かがやって来ると察知した時点で空へと逃げていれば、この様な事にはならなかったのだ。

 ドールを破壊されても後で回収して直せば良い事なのだから。



 だからこれは僕の怠慢。



 ——驕りが生んだ必然であった。




「ひゅっ……」



 息が出来ない。


 幸いだったのは、この体が悪魔同様に物質的縛りをある程度無視出来る事。


 内臓が潰れようが骨が砕け散ろうが、一応死にはしないのだ。



 あの瞬間、僕に出来る事はあまりにも少なかった。



 ドールを逃す事は出来た。


 念力で殴り飛ばす様に弾いて攻撃範囲外へと飛ばした。



 次の瞬間——



 ——回避不可能な速度で迫る鹿の突進が、僕を襲った。



 角が刺さるの(さいあくのじたい)は回避した、だが衝突は免れ得なかった。



 これでも最大限の防御は行ったのだ。



 ただし……後ろにあったのは崖と言う名の壁だった。



 角は僕の腹部から胸部に掛けてを捉えていた。


 衝撃の瞬間意識が飛び掛けたが、それを辛うじて繋ぎ止め、血を吐きつつも意識を失う(しぬこと)だけは回避した。



 そう……防御は間に合ったのだ。


 人化を解き、竜化と狐化を発動させる事は。



 痛いのか熱いのか分からない。しかし——




 ——体が変じて行く事だけは良く分かった。




 ……手加減なんてしてやらない。




 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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