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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第?章 Another Chronicle 第一節 叛逆の追憶記

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第8話 迫る黒い影

※430万PV達成



第三位階中位

 



 階段を降った先は、4層と同じく洞窟だった。



「ふむ?」



 5層に降り立つと同時に、僕目掛け黒くて大きな物体が飛来して来た。


 白く、鋭い牙が僕の首筋へ迫り——



「キィッ!?」




 ——竜鱗の上を滑った。



ブラックバット LV3



 蝙蝠である。



 迷宮の指令で特攻をするしかなかった哀れな蝙蝠さんは、ナイフでさっくり首を刎ねた。


 ドロップ品は、『黒蝙蝠の翼膜』×1。


 僅かに闇属性を纏ったこの素材は、闇属性の魔法と相性が良い。

 数を揃えて防具に加工すれば、ただの木材よりも強い闇耐性を刻む事が出来るだろう。





 黒蝙蝠を狩りながら進む事しばらく。


 侵略核(インベードコア)と5体のドールを発見した。


 定期的にやって来る蝙蝠をドール達に任せつつ、侵略核(インベードコア)を調べる。

 どうやら、この階層の侵略率は70%後半と言った所で、地図も完成している様だ。



 地図を見るに、蝙蝠達はドール達へ盛んに襲い掛かっている様だが、ドールは木製なので蝙蝠達の攻撃は殆ど意味を成さない。

 発生する蝙蝠の数はそう多い物でも無いし、危険な兆候も特に感じられない。


 この階層も、しばらく放って置けば支配権の強奪は完了するだろう。



 ドール達の整備と地図の更新を終え、その場を後にした。






《レベルが上がりました》



「お……やっとか」



 第6層の入り口へ移動する途中、ようやく僕のレベルが上がった。


 これで全メンバーのレベルが2に上がった事になる。


 未だドール達の戦闘は特性頼りであり、攻撃を受ける前に敵を迎撃出来た事は数度しか無いが、それでもやはり、レベルが上がった分能力は上がっている筈だ。

 この調子でレベルを上げていき、より高次の種族に進化すれば、戦闘力は飛躍的に向上するだろう。



 その後、数度の戦闘を難無くこなし、第6層の階段へ到達した。


 次の獲物は何だろう? とそんな事を思いつつ階段に一歩踏み出すと——



「……むむ?」



 ——雰囲気が一段と重くなった。



 5層と6層では感じられる敵意に結構な差があるらしい。

 人妖狐の部分は危険に対しかなり敏感らしく、その差をはっきりと認識出来る。


 ドール達は特に何かを感じた様子では無いが、そもそも敵意と言うのは精神力による攻撃の一種なので、精神力の低いゴーレムではほんの僅かに動きが鈍くなる恐れがある。

 また、本来なら殆ど消耗しないゴーレムでも、長時間敵意を浴びれば精神力を消耗し、寿命自体が短くなる可能性すらある。


 ……ただし、精神力を消耗すると言う事は精神力を使う事と同義だ。


 しっかりとメンテナンスを行い、程よい敵意を浴びて戦い続ければ、やがては強い精神力を獲得し、確固たる意思を確立する事が出来るだろう。



 即ち、6層からが迷宮の本番であり、そして真に成長を促す戦いの始まりでもあると言う事だ。



「ふふふ」



 笑みが零れた。



 ——僕は強くなるのが好きだ。



 強くなれば出来る事が増える。


 出来る事が増えていけば更なる未知を見付けられる様になる。


 だから強くなるのが好き。



 他にも、強大な力を持つ敵から皆を守りたい。とか、死神や遊技神を一発殴る。とか、色々と強くなりたい理由があるのだ。


 ……ただ……特に強い理由はおそらくもう一つある。


 あくまでも推測だが、僕に力を与えてくれる金の神は僕が強くなる事を望み、僕は無意識下でそれに応えたいと思っている……可能性はなきにしもあらず。



 ともかく、僕は強くなるのが好きなのだ。



「……ふぅ」



 軽く深呼吸をして気を引き締める。


 おそらく第6層も僕の敵では無いだろうが、油断は大敵である。



 取り敢えずの目標は第10層。


 残り半分にどんな敵が待ち構えているかは分からないが、一歩ずつ確実に進んで行こう。





 6層。


 4層や5層と違って、その通路は岩肌が剥き出しとなった足場の悪い洞窟だった。

 壁際に生えている結晶も、心なしか光が弱い様に感じる。



 そんな6層に、それはいた。



「っ!? 『水の吐息(ウォーターブレス)』」



 咄嗟に放った水属性の激流は、迫り来るそれらを殲滅し、大量のドロップ品を地面にばら撒かせた。



 ——しかし、それはまだ生きていた。



 大量のドロップ品の中から這い出したそれは、安堵に一息つき掛けた僕に高速で接近する。


 蘇る悪夢。


 走馬灯の様に走る今までの短い人生。



 完全に硬直する僕へ、黒い影は真っ直ぐ飛来し——




「きゅう」




 ——グシャッ!




 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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