第29話 決戦前に魔改造を 三 精鋭の二機
第七位階中位
先ずは白騎士。
彼はゴーレム・サークレットパラディンと言う聖騎士型ゴーレムだ。
備わっている能力が主に聖属性と光属性であり、防御系スキルが充実している。
そんな彼ならば、この武具の力を十全に引き出す事が出来るだろう。
そう、熾天使武装である。
守護聖翼は白い翼が装飾されたチョーカーで、装備者に3対6枚の白翼を与える。
非常に強力な聖属性を帯びた翼は、所持者を守る結界を張っていて、結界の耐久力が低下すると翼が1対消えて耐久力が回復する仕様だ。
勿論飛翔スピードはかなりの物なので、仲間を守るにしても敵を倒すにしても非常に優れた性能を発揮するだろう。
無垢光輪は小さな翼の様な物が付いた光の輪だ。装備すると光輪は頭上に移動する。
能力は所持者を浄化の光で守り、癒す、超強力なマナタンクである。
守護聖翼と合わせて装備すると天使になれるアイテムだ。
これで白騎士の強化はほぼ終わったと言って良い。
後は、機動力を上げる魔法文字を刻んで完成。
次、紅騎士。
彼は白騎士同様に弄る所が少なかったので、急遽こんな物を作った。
火の宝珠 品質A レア度7 耐久力A
備考:火の力が込められた宝珠。
紅騎士と共に作成した火の純結晶に、魔導論者の合成能力を利用して火山や砂漠、火属性迷宮などで倒した火属性の魔物の魔石をこれでもかと注ぎ込み、足りない分は精霊結晶で補った一品だ。
純粋な火属性を保つ為に魔石から火属性だけ引き抜いて結晶化させる作業を行った為、手持ちの魔石だけでは全く足りなくなってしまった。
一番火属性を持っていた魔物は、火山の裏ボスである溶岩蟹。
次点が塔の迷宮の劣火竜。
その次が火山の迷宮のボス、『ヴォルカントータス』。
そして最後が火属性迷宮のボス、ブレイジングイーグルだ。
これら全てから火属性を抜いても晶珠1つ分にすらならなかったのだ。
これらに加え、数十匹分も回収されていた劣火竜と溶岩亀の魔石。
無数に回収されている火山や砂漠の魔物の魔石。
そしてそれらの素材にある火属性を全て引き抜いていき、余った別属性の魔力をも火属性に変換して、ようやく晶珠4つ分と少しが出来た。
後は、属性結晶を少しずつ注入し、晶珠5つ分になった所で宝珠に到達したのである。
軽く計測してみた所、込められている力は今手元にある宝珠のどれにも劣る、最小数値である事が分かった。
おそらく、次はこの宝珠4つ程で星珠になるだろう。
精神力の消費がほぼ無しで宝珠を作れる魔導論者のスキルは、今後大いに役に立って貰う。
まぁ、属性変換や抽出自体は僕の自力であり、相応の精神力を消耗する上、大量の素材も浪費する事になるのでポンポン作れる訳でも無いがね。
ともあれ、この火の宝珠を使った魔導鎧を紅騎士に装着させた。
と言うか、機能を設定した火の宝珠を紅騎士に埋め込んだ。
白騎士の試練装備は汎用性の高さから後で回収するが、紅騎士の宝珠はそのまま紅騎士に埋め込んでおこうと思う。
他の子達にも随時宝珠は配って行くつもりなので、紅騎士はその第1号となって貰おう。
宝珠の武装は、紅騎士が元々持っていた無数の装備をそのまま利用した。
紅騎士のアイテムボックス内には、紅騎士と同じ金属、大精霊級の火属性金属で作られた様々な武器が入っていたのである。
この金属は正式名称をアグニアイト鋼と呼び、非常に優れた火属性と火耐性を持つ金属だ。
しかし、アトランティスの金属はその更に上なので、紅騎士は単純下位互換になってしまう。
そうなると紅騎士は今回の戦いでは最低限のスペック分しか敵を削れない事になるので、急遽宝珠を作成したのだ。
宝珠に仕込んだ魔法機構は、聖獣の試練をクリアした際に入手した理論結晶、『断絶斬』。
これは、非常に強力な斬属性を武器に宿らせる事が出来る、かなり有用な理論結晶だ。
単純な斬属性なら簡単に使えるが、此処まで極まった斬属性となると使える者は限られるだろう。
無理に数値化するとしたら、最低でもレベル限界が700以上になる精神力が必要だ。
それをシステム化しているのだから凄い。
そんな斬属性を使えれば、アトランティスにもダメージが通る筈である。
……まぁ、一度の消費魔力量がかなり多いので、宝珠と言えどもそう連発は出来ない。
武器は、炎の大剣、双剣、槍、弓、戦鎚。
宝珠の都合上斬撃を行える剣しか使えないが、やがては打属性と突属性の機構も使える様にしたい。
肉体や宝珠には、今出来る最高の補助機構を刻んでおり、現在の紅騎士の戦闘力はレベルにして650相当のスペックがある筈だ。
やろうとすれば更なる強化は不可能では無いが、出費と僕の精神力の問題で此処までが限度である。




