第19話 守護機神とボス 二
第七位階中位
洞窟の迷宮は、とても複雑な迷路の迷宮だ。
大きな広間があったり小部屋があったり、地下渓谷に沿って進む道は直ぐに行き止まりと思いきや上や下、はたまた斜向かいに別の道があったりする。
水場があれば水中から直ぐに反対側へ繋がる道だったり、行き止まりかと思えば見え辛い位置に道が続いていたりなど、非常に面倒くさい迷宮である。
1番の問題は、普通の洞窟と同じ様に真っ暗な事だ。
自前の光源無しでは満足に道を進む事すら出来ないだろう。
守護機神がいるのは、迷宮の出入り口がある広場の真上。
一番最初の広間は、天上が格子状になっており、隙間から光が落ちて来ている。
格子の上にある空間は、天上に無数の結晶が付いており、それが発光している。
その結晶の中に、洞窟の迷宮の裏ボスが混じっているのだ。
ピュアクリスタル・センチピード LV150
ムカデさんである。
実は天上の結晶自体はかなり少なめで、その殆どがムカデさんであった。
倒してしまうともれなく迷宮出入り口の光量が低下するおまけ付きだ。
そんな彼の死因は……見た目には爆死。
わんわん軍団が一番槍、名も無きライラプスが放った雷撃で、ポンッと弾けたのである。
正確には節毎に弾けたのでポポポポポポンッと言った感じだが。
パラパラと弾けた水晶は、自動回収によって回収された。
光源エリアにはムカデ水晶によって隠されていた横穴が存在し、其処を進むと守護機神がいる大広間に辿り着く。
闘天機神・エリュシオン LV750
3本の角と6本の腕を持つ鬼。
腕にはそれぞれ違う武具が装備され、剣、槍、斧、金棒、盾、珠、と種類が豊富。
剣は赤、槍は緑、斧は黄、金棒は黒、盾は青、珠は白。
属性が丸分かりだが、どうも感じられる気配が属性の物だけでは無い。
一筋縄ではいかないと言う事だね。
次、奈落の迷宮。
この迷宮は、超巨大な穴に沿って地下へと進んで行く迷宮である。
時折外側へと進む道があり、其処は何匹か魔物がいたり、結界の張られた休憩スペースだったりする。
明るさは大穴の空から注がれる暗い陽光のお陰で何とか見えるが、底に近付くにつれて暗さが増して行く。
ボス部屋はかなり下まで下った所に存在し、外側に向けられた門を抜けるとボスと戦う事が出来るのだ。
この迷宮で一番厄介なのは、音。
暗さも厄介なのは間違いないが、それとは別に、奈落の大穴から不快な音が聞こえて来る。
上層ではォーと聞こえていた物が、下層まで行くとオォォーンに変わり、暗闇と相まって攻略者達を精神的に攻めて来るのである。
この迷宮の守護機神がいる場所は——奈落の底。
闇に染まる奈落へ降り続けると裏ボスが現れ、それを倒して奈落の底に着くと守護機神がいる。
闇界機神・アガルタ LV750
見た目は死神其の物で、能力もほぼ死神。
感じられる力は巨大だが、おそらく勝てるだろう。
道中現れる裏ボスは、蝉。
シガークルス LV150
悍ましい音の正体は此奴だったのだ。
奴は不運にも真っ直ぐに墜落するアダマスボアと正面衝突してお亡くなりになった。
所定の位置が、おそらく奈落の迷宮で最も上方に位置する出入り口の真下だったのだろう。
探索しに行ったアダマスボアは何の躊躇いも無く奈落の空へ身を晒し、蝉を轢き殺して奈落の底へ至ったのである。
次は雲の迷宮だ。
この迷宮は雲と言うだけあり、歩ける雲の上を探索する迷宮だ。
虹の橋を渡って次の雲に行ったり、泳げる雲の中に飛び込んで上の雲に登ったりと、ちょっとした迷路になっている。
当然、雲の無い場所に足を踏み出すと、遥か下に見える地面へと真っ逆さまに落ちて行く。
地面に衝突する前に迷宮の出入り口後方にある水雲の上へ転送される仕組みだ。
浮遊のスキルを取得する条件には、間違いなく長時間の空中機動が含まれている筈なので、ここで練習すれば跳躍し続けるよりも早く浮遊スキルが取得欄に出るだろう。
この迷宮の守護機神は、遥か上空にある雲の内の1つ、たった1つだけ乗る事が出来る雲の、中央に存在する門を通過した先にいる。
裏ボスは、クモ。
モクトン・ロード LV150
蜘蛛でも無く雲でも無く実は羊である。
無数に存在する雲の中に混じっていた彼は、最初の内は攻撃して来なかった。
扉に近付くにつれて急速に毛の色が黒くなり、扉まで後数歩くらいになった瞬間に雷が飛来して来たのだ。
刹那の後、雷を回避した天閃鹿に蹴り落とされ、顕雷鹿が放った大雷を受けて昇天した。
守護機神がいる場所は門を抜けたすぐ先にある神殿。
吹き抜けになっている神殿の中央に機神が存在し、神殿以外には雲が一切存在しない蒼穹が広がっている。
おそらく戦闘時に機神が蒼穹へと飛び立つのだろう。
つまり、空戦前提の戦いだ。
極光機神・パラダイス LV750
見る角度によって色が変わる十二枚翼を持つ、白い鎧の天使だ。
翼の付け根、背中側には宝珠の様な珠が6つ存在する。
次、山の迷宮。




