第18話 守護機神とボス
第七位階中位
イェガの整備やリスティアの拡張、その他諸々の総経費は、全てダモスの財宝で賄った。
貯蓄結晶はそれなりの値段で、赤竜も結構お高い。結果財宝の残量は後半分。
早急な金策が必要だ。
今の所は、宿と料理と雑貨くらいしか収入源が無い。
まぁ、6時間で1500万マナの稼ぎになっている訳だが。
商売相手は三千少々のマレビトのみなので、上手い事王都と迷宮都市でお金稼ぎをしなければ。
差し当たってやっておくべき細々とした事は終えたので、次は獲物探しでもしておこう。
◇
今回見付け出した獲物は、12体の守護機神である。
各迷宮に派遣した配下の皆を使い、全ての守護機神を発見したのだ。
先ずは森の迷宮。
森の迷宮は、北と南を分断する様に大きな川が流れている。
入り口は南に存在し、ボスがいるのは北だ。
川の東には堅牢な石橋がかけられており、西には普通の人間がギリギリ飛び越えて渡れる様な崖がある。
守護機神がいたのは、そこから更に西へ向かった場所に存在する大きな滝の裏側にある洞窟の先だ。
少し長めの、明らかに異界迷宮の範囲を超える洞窟を抜けると、物凄く巨大な切り株の上に出る。
その切り株の中心に、其れはいた。
豊穣機神・アルカディア LV750
筋骨隆々とした肉体に緑と白の鎧を纏い、その周囲に6つの宝珠らしき球体を浮かせている。
どうやら熊の面をしている様で、実際の顔を見る事は出来ない。
これに勝つには宝珠6つ分以上の戦力を用意しなければならないだろう。
尚、滝壺には塔同様に強力な魔物が潜んでいた。
蛟竜 LV150
水属性を持つ蛇が進化し、龍になる過程の魔物である。
既に竜属性の魔力は行使可能であり、更に言うと並大抵の竜よりも強いが、それでもまだ過程なのだ。
龍になれたらおそらく王級に匹敵するのだろうが……森へ狩りに行った風天蛇君の手により、滝壺毎空へ巻き上げられて膾切りにされた。
次は火山の迷宮。
この迷宮は中心に巨大な火山があり、スタート地点は南から。
火山をグルグルと回り込みながら、山の頂上付近にある門へと向かうのがこの迷宮の基本方針だ。
守護機神がいたのは、火山の噴火口。
溶岩のギリギリまで下ると、上からは見えない位置に横穴が空いており、其処を進むと溶岩に囲まれた闘技場に辿り着く。
神滅機神・アトランティス LV750
中央に立つ守護機神は、多数の砲門を持ち、群星銃と同じ様な機構を持つらしい翼を備えた真紅の機械天使だった。
驚くべきはその巨体である。
巨体に見合う大きな翼は、群星銃と同じ様に僕の頭よりも小さな銃の集合体であり、それが全て一斉に動くのだとしたら……ちょっとシャレにならない。
宝珠6つ分の戦力と同等だとこんな物なのだろう。
道中現れたボス魔物は、巨大で真っ赤な蟹。
ヴォルケーノ・キングクラブ LV150
噴火口の中でひっそりと暮らしていた彼の死因は——圧死。
下手人はグラビティディアー・ロード君である。
クシャ! ……と擬音が聞こえて来そうな死に様であった。
続いて海の迷宮。
此処は、西の小島からスタート。
浅瀬を辿って小島へ渡り、北へ南へフラフラしながら東の門を目指す迷宮である。
北東には氷海が存在し、南西には海溝がある。
守護機神がいるのは北西。
幾つもの渦潮が存在する難所を越えると、見て分かる程異常で巨大な海の穴が見えて来る。
その窪みを真下まで降りると、唐突に上下がひっくり返り、広い海のエリアに出る。
其処には低いながら空があり、守護機神はちょうど出入り口の真上、世界の中心である海中の小島に立っている。
海世機神・ニライカナイ LV750
魚類や甲殻類の特徴を備え、一本の銛を持つ高機動型と思わしき像だ。
三叉の銛は穂先の色がそれぞれ違い、青、赤、黒の3種類がある。
どうやら火と水と闇の力を秘めているらしい。
一見すると他の2体より弱そうに見えるが、気の所為である。
大海の宝珠を星珠に強化し、武装を再編成すれば対等に戦えそうだ。
ボス魔物は鯨。
バレグラーナ LV150
撲殺。
恐怖のミルちゃんパンチで弾けて消えたのである。
その様は波打ち際で消える泡沫の如し。
次は洞窟の迷宮。
一周年です。
今後もよしなにお願いします。




