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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第二節 遺跡の攻略

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第14話 遺跡へ

第三位階上位

 



 ワンワン、キャンキャン、クゥーンクゥーン。



 長い坂の半ばに突如として現れたワンワン軍団は、野生は何処に置いて来たと言わずにはいられない程に懐いて来た。



 本を確認してみると、グレーターブラックドッグのページに配下、と言う項目があり、其処に大量の犬が入っていた。


 わざわざ1匹ずつテイムしなくても良いらしい。


 ただし、テイムしないと進化の選択は本()に一任される様だ。


 本犬が許可した時、僕が選択出来る様になる。



 いつ迄もワサワサと戯れていては日が暮れてしまうので、ワンワン軍団は送還し、時間の遅れはデカワンワンに乗る事で取り戻す。


 吐血したけど大丈夫そうなので乗った訳でありイジメではない。……大丈夫だよね?





 太陽が空高く上がる頃、遺跡に辿り着いた。

 メニューから時計を確認する、どうやら昼前に間に合ったらしい。


 デカワンワンの頑張りのお陰である。



「よーし、よしよしよし、ありがとう」

「わふ、クゥーン」



 デカワンワンを一頻(ひとしき)り撫でさすると、労いの言葉をかけて送還。



 振り返り、改めて遺跡を見る。



 古びて朽ちている石の街。かつて頑強を誇ったであろう外壁は、風化ではなく何者かに破壊されたかの様に所々砕け、まるで意味をなしていない。


 あちこちに見られる魔法陣や魔法文字から、この都市が魔法的にかなり発展していたのが分かる。


 遠くに朽ちかけの高い塔が見え、それより高い建物は見当たらない。この都市の象徴だろうか?



 あと……街の中に白い鎧に白い巨剣を背負った人物が居る。


 どう見てもティアだ。



「おーい、ティアー」

「む? おお! ユキ!」



 僕が呼び掛けると、白鎧からティアの声が聞こえた、やはりティアで合っていた様だ。


 まぁ、あんなのが2人も3人もいるとは思えないが。



 僕に気付いたティアは、鎧を一瞬で何処かへ消して僕の方へ駆けて来て、飛び付いた。



「おっと……ティア?」



 ぐっと抱き付いてくるティアは相変わらずの怪力で……。



「……昨日は何処に行ってたんだ? ……心配したぞ……」

「……ティア」



 どうやら酷く心配をかけたらしい、幸いな事に連絡手段があるので、スキル『契約・特殊』でティアと契約しておく。



「ティア」

「……何だ?」

「苦しい」

「知るか」



 潰れてしまうかもしれない。


 僕もかなりレベルが上がったが、ティアの怪力も中々のものだ、一体どの様な力が作用しているのか、実に興味深い。





 落ち着いた後、ティアが此処へ来た理由を聞いた。


 ここ数日何やら不穏な気配を感じていたが、街中に特におかしい所は見当たらず。

 昨日はその気配が強くなったので、慌てて街中の目ぼしい危なそうな場所を巡っていたらしい。


 今朝、そんな気持ちの悪い状態で素振りをしていると、急に邪悪な気配が膨れ上がり、ティアはそれを感じ取った。その発生源が王都から南。この遺跡にあると。


 其処からは、まだ暗い道を走り続け、遺跡に辿り着いては邪悪な気配の元を探していたのだそうだ。



 そして、探しているうちに、昨日僕が居なかった事と今回の件が繋がっているのでは無いか? と疑い始め、思考は悪い方へ悪い方へと進んでいき、そこへ僕が現れた、と。



 成る程、確かに言われてみれば、此処は王都と違って何処か物悲しい、寂しい気分になってくる。

 それは、此処が遺跡だからかと思っていた。


 過去に此処で人々の(いとな)みがあり富み栄え、されど何か大きな事件があって滅び去ったのだと、それ故に寂しい気分になるのだと。


 しかし——よくよく考えてみれば、僕はそんなにロマンチストでは無い。


 此処に来た理由も、レアアイテムを探しに来たからである。



 考えても何が起きているのか分からない、情報が足りない。

 事態を解明するにはこの遺跡を探索するしか無いだろう。



「……ティア、取り敢えず僕用事があるから寝るけど」

「え? あ、ああ」

「僕の体……よろしくね」

「へ? ……ユキの体を……私が……? 良いのか!?」



 何だか不穏な気配を感じる。


 だがまぁ、時間も時間なので仕方ない、取り敢えず万事に対応出来そうなウルルだけ召喚しておく。



「『召喚(サモン)ウルル』」

「ふわ……おぉ、ユキの狼」

「クゥーン」

「ウルル、僕が戻ってくるまで僕とティアを守ってね」

「ウォン!」



 一応これで、ログアウトしよう、僕が戻って来るまで何も起きない事を願って。



「クローズゲート」



 途切れ、再接続される感覚の後、瞼を開く。


 僕以外誰も居ない部屋。静かな家。アヤは今アナザーをやっているのだろうが、物悲しさは心にこびり付き、離れてくれない。


 嫌な感覚を振り切って、直ぐにリビングへ降り、昼食を食べ終えた。


 いつも通り、アヤに書き置きをする。


『親愛なるアヤへ、昼食先に頂きました。アナザーで何やら大変な事になりそうなので、友達共々備えてくれていると嬉しい。兄より』


 書き置きを残して、雑事をパパッとこなしてログインする。


 願わくば何も起きていませんように。



「オープンゲート」



 意識がブツリと途切れる。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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