第12話 王都でテイム
第三位階上位
ログインすると、それを察知したらしいウルルが起き上がった。
どうやらティアは今日、本当に忙しいらしい。
あの時の食べっぷりは朝と昼を食べて居なかったからだろうか。
魔物を沢山配下に加えると言ったが、できれば多種多様な魔物を集めたい。
今夜は王都地下で鼠と蝙蝠と蜥蜴、蜘蛛と蟹を捕まえに行こうと思う。
鼠は趣味。
蝙蝠と蜥蜴と蜘蛛は成長後の能力を期待して。
蟹は……育てたらああなるのかな? 期待は大きい。
ともあれ出発だ。
「ウルル、伏せ」
「ウォン」
「地下水路へゴー」
「ウォン! ハッハッ」
◇
地下水路へ入り、早速襲い掛かってきた血気盛んな鼠を捕獲、テイムした。
まぁ……襲い掛かってきたと言うか逃げてきた様に見えたが、気のせいかな?
適当に良い感じの蝙蝠も捕獲、テイムし、他の蝙蝠はナイフでサクサク斬り払った。
レベルが上がったお陰か戦闘力が上がっている。
ウルルも、飛んで来る蝙蝠やらゴキブリやらを叩き潰したり蹴飛ばしたりして狩っている。
ナメクジとスライムは倒せない事も無いが汚いので、錬成で修理した槍でザクザク仕留める。
しばらくそうやってデカスラさん達を探していると、未見の魔物が現れた。
「うわ、思ってたより大きい」
「ウォン」
地下水路の暗闇からのっそりと現れた巨大な魔物はナメクジ。ヒュージスラッグ。
纏っている粘液にはそこそこに強力な酸属性が含まれていて、更にその粘液を吐き出して飛ばして来るらしい。
動きは鈍いから逃げるのは簡単だが、倒すとなると厄介だ。
勿論やる方法が無い訳では無い。
インベントリから蟹槌を取り出し、続いてカルキノス・プラスパワーを発動させる。
どうやらこれ、『カルキノス』までで発動するらしい。
後は横殴りに吹き飛ばすだけである。
「せいやー」
適当に気の抜ける声を上げつつ、振り切ると、巨大ナメクジは空中をのたうちながら吹き飛んで——
——通路の遥か先にいたデカスラさんに飲み込まれた。
殴り飛ばされて虫の息だったヒュージスラッグはデカスラさんに捕まり捻り潰されインベントリに仕舞われた。酷い。
◇
あの後、ゴーレムさんとウルル以外の全員がデカスラさんの包容力に包まれ進んだ。
半日で少し回復してきたらしい精霊さんに挨拶しつつ地底湖に辿り着く。
地底湖は酷い有様となっているが、幸い魔物は全滅していない様子で、良い感じの蜥蜴、蟹、蜘蛛をテイム出来た。
デカスラさんの中は、沢山の魔物が居過ぎてごちゃごちゃしているが、特に問題なく狩りは進み、大量のアイテムや魔物素材を手に入れた。
活躍しているのはデカスラさんだけではなく、他の子達の戦闘力も凄まじい。
うさーずはデカスラさんの上から顔を出し、それぞれの属性に基づいた魔法を放ち魔物を薙ぎ払っている。
ゴーレムさんとウルルは来る敵来る敵一撃で叩き潰している。
デカうささんは……漂ってる。あちこちを見ているだけで何もしてない。
デカスラさんの中で本を開いた。新入り達が進化できないか確認する為である。
その間も狩りは進み、自動レベル上げは着々と進行している。
巨大蟹の一件でわかった事だが、経験値はより貢献度が高い者に多く払われる。
もし巨大蟹を僕だけで倒した場合、間違いなくレベル100を超えていた事だろう。
今の状況だと、ウルルとデカスラさんとゴーレムさんが主に戦っているが、その主人が僕なので、僕により多く経験値が払われている物と思われる。
件の進化だが……何と、全員が進化可能だった。
鼠の進化候補はビッグマウス、ハイマウス、の2種、ここは大きな鼠を見てみたいと言う欲求に従いビッグマウス。
蝙蝠はグレーターバット、キラーバット、シャドーバットの3種、キラーバットを選択する。
蜥蜴は、ビッグリザード、ハイリザード、ダッシュリザード、の3種、悩んだが、ハイリザードで。
蜘蛛は、ヒュージスパイダー、ポイズンスパイダー、トラップスパイダー、ジャンプスパイダー、の4種、ポイズンスパイダーを選択。
蟹は、ヒュージクラブ、メタルクラブ、キラーシザークラブ、の3種、多分メタルクラブだと思うのでメタルクラブに進化。
◇
《レベルが上がりました》
狩りを続けていると、ようやくレベルが上がった。
デカスラさん達がずっと狩りをしていた筈なので、一つレベルを上げるのに相当な量の経験値が必要だとわかる。
そして、そろそろ寝る時間である、レベルも上がって切りも良いので今日はデカスラさんの中でログアウトしてみよう。
「皆、聞こえてるかな?」
「ウォン」
僕の問いかけに、ウルルが代表して声を上げた、ちゃんと聞こえているらしい。
「今日は僕寝るけど、皆は無理をしない程度で狩りをしててね、結晶の部屋は安全だから其処に逃げ込んでも良いから」
「ウォン!」
これで指示は出し終えた。後はログアウトするだけである。
「クローズゲート」
相変わらず、この意識がブツリと途切れる感覚は慣れない。




