第23話 死神のクンレンキョウシツ
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第六位階上位
正面に立つタクヘ向け、大鎌を振るう。
ただ振るうだけだと、武器の性能差から大鎌が切られてしまうので、僕の魔力でしっかりとコーティングしておいた。
——ギィィンッ!
「くっ!?」
タクは双剣を両方使い、袈裟懸けに振り下ろされた鎌を受け止めた。
しかし、勿論、ただ魔力を纏わせた刃を振るった訳ではない。
宙に体の各所を固定し、しっかりと遠心力を込めての一撃だ。
タクはそれを双剣で受け止めるも力負けし、鎌の刃が鎧に擦れ、片膝をついた。
先までの一撃は全て軽めだったので、上手く意表をつく事が出来ただろう。
このまま追撃すれば、痛手を与える事が出来るが——
「はぁっ!!」
——それはセイトが許さない。
竜人化して肥大化した腕部装甲、それに融合するように取り付けられた聖なる剣が、セツナの補助魔法を受けて聖なる光を帯び、僕へ向けて振るわれた。
回避させる事を目的とした横薙ぎの一撃を、宙帰りして回避する。
おまけで鎌の柄でセイトの兜をぶん殴っておいた。
遠くへ着地し、仕切り直し。
「いたた……」
「物凄いパワーだな……」
そう言いつつも、此方への警戒を怠らない二人。
物理戦闘に関しては、想定を越えない程度に収まっている。
次は魔力を使った戦闘を見てみよう。
死神の力を使い、闇の靄をあたり一面にばら撒いた。
「くっ!?」
「目眩しかっ!」
残念ながら、魔力の都合上靄に包まれたのは最前線の奥、タクとセイトとその周りだけだ。
まぁ、それで十分だが。
「ハイ、ユキだけど」
『お、ユキか』
『ユキさん、良かった!』
早速、助言する為に二人に連絡を取った。
「折角だから二人で限界までやってみようか」
『え……う、うん、了解!』
『……ユキがそう言うって事は……この死神はそこまで強くないのか?』
この死神は、と言うのは、おそらく前の死神に比べて、と言う事だろう。
確かにそれだと、セイトが怯んだのも分かると言う物だ。
「強いよ」
と、僕がこう言うと。
『ほう? ユキよりは弱いのか。……或いは敵ではないか』
こうなる。
『成る程、じゃあ僕達は本気で死神と戦うだけで良いんだね』
「まぁ、万が一と言う事もあるけど……心配せずに全力で戦えば良いよ」
身内にならバラしても良いんだけどね。
折角ゲームを楽しんでいるんだから、あまり横槍を入れる様な事はしたくない。
……しかし、最低限の力は必要だ。
この世界は少し、強い者が多過ぎる。
「良いかな? この黒い靄は聖属性のエンチャントが施された武器で、気合を入れて、振るえばある程度払う事は出来る」
実際は聖属性でなくとも払う事は出来るが、今は置いておこう。
「ただし、それで完全に靄を払うのは現実的じゃ無い。襲い掛かってくる死神の気配を感じ取って、上手い事カウンターをすると良いよ」
『そ、そう……気配、気配ね……気配?』
『……簡単に言ってくれるなぁ』
「頑張ってね」
そこまで言うと、フレンドチャットを解除した。
さて、何処まで出来るかな?




