第18話 吹雪 海より深い姉妹愛
※300万PV達成
第六位階下位
ゴブリン達とプレイヤー達の戦いは、乱戦へ推移した。
そんな中で、必死に制限された力を駆使し、補助魔法や回復魔法を使うアワユキが愛らしい。
涙目になりつつも、制限を掛けられていない察知能力と演算能力を酷使して、少しでも多くを救おうとする双子の姉が、愛おしくて堪らない。
外壁の上で戦場を俯瞰しながら、さり気無くアワユキに気を使っているセツ姉さんが素敵だ。
麗しのかんばせに笑みを貼り付け、されど心の内では妹を気遣い憂う様が愛おしい。
その隣にいるエスティアさんも、とても好ましい性質をしている。
先程まで刀に頬擦りしていたフユキは、今は下等種同士の泥仕合いを見て手に汗握っているし、我ならもっと出来るぞ! と言う心の声が漏れ出ている。
その何処と無く漂うポンコツ臭が好きだ。大好きだ。
そして、何より僕が愛しているのが、我らが創造主。ユキ様。
セツ姉さんは麗しい。
完成された美術品の様な美しさを持っている。
フユキは美しい。
まるでヤイバの様に研ぎ澄まされた、刀が如き美しさ。
アワユキは愛らしい。
愛玩動物の様に可愛らしく、我が子の如く愛おしい。
そして、ユキ様。
彼女は正に星の煌めき。
太陽の様に全てを照らし、月の様に全てを見守る。
姉妹皆、宝石が石クズに見えるくらい魅力的なのだ。
と言うか、宝石なんて石クズだ。身を飾る布など取っ払ってしまえば良い。
その身そのものが世界の至宝。
……さて、大好きな姉達を全力で讃えてみたけど……少し狂気が混じっている様な気がしなくも無い。
ポイントは、他者を下等種と罵しり、命を賭けた戦いを泥仕合いと称した点と、宝石を石クズと貶した所だ。
取り敢えず『全裸=至宝』とメモしておこう。
そんな感じで無駄に演算能力を使い、経験を積み重ねていると、戦場に動きがあった。
具体的には、マヤさんが蟹を召喚したのだ。
マギクラフト・精霊結晶蟹 LV250 状態:待機
レベル的には、僕等姉妹と同格だが、僕達にはユキ様から継承された狂気的な演算能力がある。
武具も良い物が揃っているから、一対一でも勝てるだろう。
そんな蟹さんの登場に、一部プレイヤーは敵の援軍と勘違いしたらしく、攻撃を始めていた。
ただし、魔導生成とはいえ其処はレベル200オーバー。
遍く全ての攻撃は強靭な甲殻によって完全に防がれていた。
その間に、フレンドチャットによって情報が伝達された様でプレイヤーから蟹に対する攻撃は程なくして止んだ。
召喚された魔物はそれだけでは無い。
マギクラフト・ダークスピリット LV40 情報:迎撃
闇属性のスピリット系が5体。
現れるや否や、後衛を襲っていたゴブリン目掛け無数の下級闇属性魔法が降り注いだ。
召喚したのは、桜庭姉妹の片割れ、リッカさんだ。
流石に精霊とあって、魔法の発動速度はかなりの物。
しかし、今は時間が悪い。
レベル40程度の純闇精霊だと、日光の下ではかなり弱体化してしまう。
魔力の使用スピードも速く、このまま行けば数十分も待たずに消滅するだろう。
けれど、数十分もあれば後衛の救済は成される。
これだけの戦力があれば、もう直ぐその時が訪れるだろう。
◇
しばらく後、戦況は徐々にプレイヤー側へ偏り、プレイヤー軍の勝利は揺るがない程にまで推移した。
しかし、プレイヤー、冒険者、兵士、戦場にいる全ての人間達は、とても顔色が悪い。
何故なら、強烈な殺気が戦場で渦を巻いているからだ。
直接的なダメージは無いものの、戦場にいる敵味方問わず全ての生物の動きが悪くなり、ゆっくりと戦場が停止していく。
そして遂に、その時は来た。
そう……セツ姉さんとユキ様の晴れ舞台がっ!




