表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十節 幽幻の森の攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

398/1539

第16話 雪奈 高みを見上げる

第六位階下位

 



 大きく綺麗な屋敷の中。


 美しい金の髪を持ち、麗しき蒼の瞳を鋭く細めた美少女が一人。



 彼女はその細い喉を震わせ、鈴が鳴る様な愛らしい声で囁いた。




「……君はユキでは無いな?」



 ——やはりバレましたか。



「妹です」

「成る程」



 見た目では殆ど変わりは無いですが、流石に抱き締められると胸のサイズでバレるでしょう。


 下手に言い訳を述べると変に誤解されてしまいそうなので直ぐに証言しましたが、その判断は正しかった様です。

 首に添えられていた右手から力が抜かれ、ゆっくりと下がっていきました。



「……むぅ」

「……揉まないでください。小さくなんてなりませんよ」

「ああいや、そんな意図は無いのだが……」



 エスティア殿下は下がった手で私の胸を触り、揉みしだく手を止めず唸り声を上げています。


 主人(マスター)ユキと比べると、間違いなく大きな胸。

 誤魔化せる筈もなかったのです。



「……むむむ、君、身長の割りに……ちょっと大きくないか?」

「……(わたくし)もそう思います」



 主人(マスター)ユキは、エスティア殿下になら別にバレても問題無いとご判断されたのでしょう。

 何せ本気の主人(マスター)ユキに想定外など存在しませんから。


 ……どうも思考しない癖がある様ですが……。



「ところで君、名前は何て言うんだ?」

「スノーと申します」

「ああ、君が……成る程なぁ」



 何か納得した様子のエスティア殿下。


 アイさんは殿下の肩に乗っていて、急所を的確にカバー出来る様待機している様です。


 取り敢えず、主人(マスター)ユキから預かったアレを渡しておきましょう。



「エスティア王女殿下、ユキから——」

「——ティアで良い」

「ティア様」

「ティアだ」



 ……まぁ、特に敬称にこだわる必要はありません。

 何せ、主人(マスター)ユキはマレビトにして専属従士。

 軍事力ではルベリオン王国を圧倒的に凌駕し、食料生産の面でもゆっくりとそれを上回ろうとしています。


 つまり主人(マスター)ユキにとって、ティア殿下は弱小国の姫でしか無いのです。



「ではティア、貴女にユキから贈り物があります」

「ユキからかっ」



 物凄い食い付きです。

 目がキラキラと光って胸を掴む手に力が入りました。



「ですので、そろそろ淑女らしく胸から手を離してください」

「あぁ、すまない……癖になる良いサイズだったからつい……」

「……ユキに伝えておきましょう」

「ちょ、ちょっと待て! 私が一番好きなのはユキだ!」



 主人(マスター)ユキはとても愛されていますね。


 ともあれ、手を離したティア殿下から離れ、インベントリからアレ、ユキ人形を取り出します。

 二頭身でふかふかしているぬいぐるみです。



「お、おおおっ! こ、これは……!」



 喜んで貰えた様ですね。



「ふふっ」



 見た目相応の子供みたいに喜んで、ぬいぐるみを抱き締めたティア殿下。


 それを見ると、自然と笑みが溢れてしまうのも仕方が無い事でしょう。





 接続(コネクト)を通じて流れて来る膨大な情報量。


 およそ4000人が放つ情報の全てを処理するには、かなりの集中が必要とされます。

 アワユキとフブキは500人程でリタイアし、フユキは2,000人で回線切断されてしまいました。



 不要な情報を完全に除外できれば、取得すべき情報も少なくなり、より多くの情報を得る事が出来る。

 テストが終わる頃には、如何にか無駄な情報を省き切る事が出来、4000人の情報を完全に掌握する事に成功しました。


 妹達の結果を主人(マスター)ユキと振り返って見ます。


 アワユキは情報処理以外の無駄な思考が多いせいで、早くも離脱する事になったのでしょう。

 現時点での戦場において、ギルドマスターの額の古傷が可哀想だとか、冒険者に若夫婦がいておめでたですとかは関係無いでしょうに。


 フブキの方はアワユキに合わせて離脱しただけ。本気を出せば私と並ぶくらいの実力がある筈です。


 フユキは……武器や防具の情報を不要な情報だとは思わなかった様ですね。

 勿論不要な情報ではありませんが、コト大規模戦闘に限って言えば、あの鎧は何年物だとか、あの剣は傷がある所に何回攻撃が当たると壊れるとか、そんな情報は無駄です。



 最終的に主人(マスター)ユキは、性格の相違と経験の不足が結果に出たのだと判断なされました。



『さ、流石です! セツお姉ちゃん!』

『うむ、大姉君に追随出来るとは……流石姉君である。我も精進せねばなぁ』

『ん、僕も頑張る』



 どうやら、アワユキとフユキは(わたくし)主人(マスター)ユキが同格だと思っている様です。

 しかし、良く考えてみれば分かる事ですが、今送られて来た情報は、元を辿れば主人(マスター)ユキが取得した物。


 つまり、主人(マスター)ユキは、戦場にいる4000人の情報と、その周囲の地形、気候の情報全てを完全に把握していると言う事になります。

 勿論、それだけではありません。


 主人(マスター)ユキは、我々4人がどの様に情報を処理しているのかも理解し、尚且つ迷宮内部に潜む5000のゴブリンの状況を読み取り、その上周辺の森の警戒を続け、あまつさえ王都内部に暮らす数十万人の動向を把握している。



 それは正にアワユキが考えている事の通り。



 ——我々は神の手の平の上で踊っている。



 主人(マスター)ユキは我々とは比べるべくも無い、遥かなる高みに存在しているのです。

 ……そして、主人(マスター)ユキは我々に自らと同等の性能をお望みでもあるのです。



 ……さて、もう直ぐ戦いが始まる時間です。



 全ては主人(マスター)ユキの思うままに。



 カウントダウンは今、ゼロへ……。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ