第13話 迷宮の誕生
第六位階上位
やる事は極簡単。
迷宮開通と同時に魔物の大群を地上へ放出するのである。
とは言え、派手にやり過ぎると困った事になるので、放出されるのはゴブリン系だけだ。
レベルは低めにしておく。
ただし、王都には防衛用にゴーレム達がいる。
ちゃんと手加減はさせるが、それにしてもレベル低めのゴブリン相手だと、剣の一振りで20体は薙ぎ払えるだろう。
資源迷宮の初期評価は『然程危険では無いが放って置いたら面倒な事になる』くらいが理想だ。
要するに、攻略は急がないが小隊規模くらいの戦力は常駐させてほしい。
正直、現在の王都の兵力を考えると人手不足なので小隊規模でも大変だろうとは思う。
だがまぁ、王都防衛はゴーレムがやるのだ。
もしもの伝達には人が必要だが、外壁の上には殆ど人は要らない筈である。
其処らへんは、スノーことセツナに王と宰相の説得をして貰う。
さて、放出する魔物だが……ゴブリン5000匹にしようと思う。
その中に、ゴブリンナイトやゴブリンファイター、ハイゴブリンなどの上位種を1割少々。
ちょっと危険なエッセンスとしてゴブリンジェネラルとゴブリンキングなど投入してみよう。
各上位種のレベルは、5〜15程。
ゴブリンジェネラルは40。
ゴブリンキングは控え目に65くらい。
武具は、
ゴブリンに木の棍棒と兎などの毛皮でできた軽鎧や木製の肩当てなど。
上位種に青銅の武器と狼などの毛皮でできた鎧。
ジェネラルには鉄の武器と熊の毛皮でできた鎧。
キングに魔鋼の大剣と少し高位の熊の毛皮でできた鎧。
これで、最終的に被害がほぼ0になったとしても、放置するのは下策であると理解するだろう。
それでは開通。
◇
迷宮の入り口を開けると同時に、階段に控えていたゴブリン達が地上へと溢れ出した。
《《【王国クエスト】【緊急クエスト】『迷宮の産声』が発令されました》》
《《
【王国クエスト】【緊急クエスト】
『迷宮の産声』
参加条件
・ボス『ゴブリンキング』が率いるゴブリンの軍勢と戦う
達成条件
・ボス『ゴブリンキング』が率いるゴブリンの軍勢の討伐、撃退
失敗条件
・王都が滅びる
・備考
王都北の草原に新たな迷宮が産声を上げた。
迫り来るゴブリンの軍勢を討伐せよ。
・主な出現魔物
ゴブリン
ハイゴブリン
ゴブリンファイター
ゴブリンランサー
ゴブリンアーチャー
ゴブリンメイジ
ゴブリンナイト
ホブゴブリン
ゴブリンジェネラル
ゴブリンキング
》》
「むむ」
何か始まってしまった。
メッセージが流れるとは思わなかったが……まぁ、中々良い宣伝である。
確かに、僕含むプレイヤーの助けが無ければ、王都が滅びかねない戦力である。
何せ、今は爺様達も万全では無いしね。
ともあれ、これならプレイヤーも集まるだろうし、少し待ってみるとしよう。
具体的には……30分くらい?
「ほむ……」
其処まで考えると、目の前に出ているメッセージの板に、《30:00》と言う項目が現れ、カウントダウンが始まった。
今後大規模な戦力を送り込む時は、プレイヤーや兵士をレベリングする為、先に待機時間を決めておこう。
取り敢えず地上に出てしまった分のゴブリン達は、そのまま突撃させる。
数はたったの50程しかいないので、大勢に影響は無い。
その間に、セツナに北側へ兵士を集める様指示を出しておく。
ティアは適当に言いくるめてセツナの側に配置しよう。
◇
『ふむ、そう言う事か……』
「うん、じゃあよろしくね」
『うむ、セツナの側にいれば良いんだな』
セツナに連絡を取ると、ティアに正体がバレた事を伝えられた。
まぁ、良く見ると色々と違うので、バレる可能性は十分にあったから問題は無い。
セツナは僕の妹と言う例の作り話を説明し、僕もちょっとティアとお話ししたので、ティアは一応納得してくれた。
そんなこんなで軽く今回の事を説明し、ルベリオン王国王都にいる兵士や騎士の、実に7割に相当する500と少々の軍隊を動員して貰った。
つまり、王都には兵士が千人いないと言う事である。
王都の全域を警備するには、最低でも二千人くらいは必要だろう。
今王都には常態の四分の一以下しか住民がいないので、仕事も十分にあり、人が起こす犯罪は少ない。
警備は兵士では無く民間や冒険者から雇うとして、総合的に最低限必要な兵数は、千人と少し。
7割で500と少々と言う事は、今王都を警備している兵数は200と少しと言う事になる。
……代わりに僕が注意しておくとしよう。
尚、50匹のゴブリンはゴーレムの手によって瞬く間に殲滅された。
門番の兵士が門を閉じるくらいには危機感を煽れたので、勲等物である。




