第1話 拠点整備は手早く
※270万PV達成
※280万PV達成
第六位階上位
アナザー開始14日目、夜。
レーベとリオンは鍛錬島の吸血鬼達に会わせ、しばらくは鍛錬島でのアイテム回収に専念して貰う事になった。
鍛錬島攻略班にはマナシールブレスを渡してあるので、集めた下位の素材は全て売却、魔石は回収する様に指示を出しておいた。
稼いだお金は全て僕の物。
半分を住居などの必要な物資を買う分に当て、残り5割の半分を其々の好きな物を買う分に当てた。
僕の手取りは残りの25%と魔石だ。
その後、付いて来たがるリオンに僕を模したぬいぐるみを渡して、直ぐに拠点にとって返し拠点の整備を行った。
整備と言っても大した事はしていない。
ただ、資材を用いて古びた街を修復しただけだ。
クランショップの修復だと余計に手数料が掛かるので、自力での再生である。
街灯や厨房、工房なんかには、魔力を引くための回路があり、それは転移門に接続されていた。
どうやら転移門がこの街の心臓らしい。
転移門の機能には、地脈から魔力を引き上げる物とその魔力を扱いやすい様に変換する機能があった。
まさしく油田と製油所その物だ。違う点は、世界が存続する限り決して資源が尽きない所だろう。
そして、最も劣化が激しい所でもあった。
被害の例として一つ。
街灯は暗くなると自動で点灯される仕様だったらしいのだが、そこへ魔力を送る金属の線が断線し、その分の魔力が周囲に流れ出していた。
周囲に流れた魔力は、街を照らす街灯全てを夜通し点灯させる物、量にすると……そこそこに多い。
転移門が活性化されたのは極最近の事だが、その影響は森の中に現れていた。
具体的には——
——変な魔物が発生していたのである。
ウォーキングポテト LV4
ダンシングラディッシュ LV2
パンプキング LV6
バインドビーンズ LV3
シャープキャロット LV6
——野生の野菜が現れた。
これ等の他にも、空飛ぶキャベツや竹の様に硬くて大きいネギ、鋭いトゲを飛ばしてくる巨大キュウリに爆発する巨大スイカなど。
野菜達が生を謳歌していた。
何故に可食部だけ肥大化したのかと疑問に思ったものだが、考えてみれば簡単な話。
この島を整備したのが神だとして、その神は生産プラントを設置する際に、食用可能な野菜を育てようと考えた筈だ。
非常に強大であろう神の意志は、その影響をこの大地と野菜達に刻み付けた事だろう。
つまりはそう言う事。
僕の意志が配下の進化に関わる様に、神の意志が野菜達の進化に関わってしまったのだろう。
実に良ろしい事である。
尚、ダンジョンの方の魔物生成には、彼らの名前はちゃんと表記されている。
蔓草を持つ野菜には必ずバインド系がおり、根菜には必ずウォーキング系とダンシング系が、瓜にはキングがいた。
また、葉野菜にはフライング系がおり、一部の瓜や果物なんかにはボム系がいる。
実に多種多様な連中だ。
森の野菜達は、研究サンプルとして幾らか捕獲した。
アルナンに預け、品種改良で無害化させる様にお願いしておく。
仕方ないマスターです。そう言いつつも、魔力を通して伝わってくる感情は好意的。
素直じゃない子だね。
ともあれ、アルナンなら数日以内には成果を出してくれるだろう。
無害化出来れば、簡単に育つ巨大野菜として王都の畑や元遺跡の街で育てよう。
その場合は、大地の魔力が一気に無くなってしまう事が予測されるので、例えば魔石の粉を混ぜた肥料を撒いたり、魔力の篭った骨粉を撒いたりする必要があるだろう。
それ等は追々、成果が出てからやるとしよう。
上手く行けば、王国の食料問題を解決出来るかもしれない。
そんなこんなで拠点の整備を終え、アルナンとワーカー達が作った野菜を回収し、拠点を後にした。
これで、王都、遺構、島の三つの拠点整備が終わった事になる。
幾らか手を入れる必要はあるだろうが、取り敢えずは施設として使用出来るレベルまで開発出来た。
爺様達が復活する明後日までは王都近郊での雑事をこなそう。
差し当たってやる事は、
・ダンジョンの作成
・生産核の捜索
・猫ちゃんの統率
今日の内に周辺へ探索隊を放っておこう。




