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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第九節 王都近郊の攻略

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第28話 視線

第六位階上位

 



 空に浮かぶ1つの目玉。



 それは異様に巨大で、王都全体が視野に入っているのは間違い無い。



 目玉からは神経の様な物が夥しい程に生えており、それは空に蜘蛛の巣を張っているかの如くピンと伸びきっている。


 しかしその先端は、まるで宙に溶けて消えるかの様に透けている。




 こんな化け物がいながら、獣亜人の子達は楽しそうに遊んでいるし、王都から騒ぎの声は聞こえない。



 太陽の光を遮っている筈なのに、大地には影の1つも落ちておらず、その瞳はテラテラと怪しく光っていた。



 明らかな異常、異形、異様。



 だと言うのに——





 ——レーベですら、その存在に気付いていない。





 正確には、僕の漏らした呟きに即座に反応して頭上を見上げはしたが……それだけ。


 気配すら感じ取っていないのだ。


 ただ首を傾げ、尚も空を見上げる僕を見てや、子供達にバレない様、密かに戦意を滾らせている。



 アルネアとリオンも気付いていないのだろう。


 リオンは子供達に遊ばれているし、アルネアは『良い森なの、距離が適度なのよ』とか言って林に入って行ったっきり。



 これはつまり、僕が幻覚を見ているのか、僕だけに見える様に存在しているのかのどちらかだ。



 幸いな事に、その禍々しい姿とは裏腹に、澄んだ美しい黄水晶(シトリン)の様な瞳からは、一切の敵意を感じない。



 今の内に鑑定しておこう。




? LV?




 ……うむ、まぁそうだろうね。


 何せ、先ず大きさが尋常では無い。



 これくらいの大きさの目を持つ人間がいたとしたら、流星山脈に囲まれたこの地、鉱山街から王都までは、手の一掻きで消滅する事だろう。


 しかし、黄水晶(シトリン)の異形は動かない。



 魔覚でそれとなく確認したところ、形状はおおよそ円錐。


 目玉の裏には、神経の様な物が寄り集まって、ゴツゴツとした岩山の様になった物がある。



 魔力の流れから察するに、この目玉はこれで完結している。


 特に巨人の目玉と言う訳では無さそうだ。



 そんな怪物は、敵意も無く、じっと僕の事を見詰めている。



 つまり、今は目玉の沙汰を待たなければならないと言う事である。






 待つ事しばらく。


 実際にはほんの数秒の事。



 子供達はワイワイと遊び、リオンは困惑した様に遊ばれて、その横でレリアが館内図を片手に唸っている。


 吹く風には土と草木の香りが混じり、僅かに傾いた陽光が暖かな恩恵を大地に降り注いでいる。



 そんな、実に平和な風景の中。



 それは唐突に聞こえて来た。




《解析完了》




 聞き慣れたメッセージ音声。



 それを考察する暇も無く——




 ——意識がブツリと途切れた。




 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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