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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第九節 王都近郊の攻略

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第23話 獅子の親子

第六位階上位

 




「改めて名乗ろう」



 未だ警戒している4人も交え、話し合いを始めた。


 土を操り即席の椅子と円卓を作って、それぞれが席に着くと、最初に話し始めたのはレーベ氏。



「我が名はレーベ。ルヘーテの血盟に名を連ねる者」

「僕はユキ、マレビトだよ」



 レーベ氏のご丁寧な自己紹介に、簡潔且つ決定的な情報を混ぜてお返しする。



「マレビトであったか……」



 レーベ氏はその言葉に少し考える様な仕草をした後、急に立ち上がった。


 警戒を強める4人を差し置いて、僕の隣まで来ると——



 ——土下座した。



「無理を承知で頼む。力の盟約に従った娘を解放してくれとは言わない、ただ、苦しませる様な事はしないで欲しい」

「ふーん」

「とーちゃん……!」



 立派な親心である。


 リオンは感動した様に震えたが、僕としては気になる点が一つ。


 『力の盟約』、それはリオンが言っていた事だろうか?

 敗者は勝者に従うと言うアレだ。



 土下座するレーベ氏を見下ろす。



 改めて先の戦いを考えると、彼が本気で戦った場合でも僕達が勝っていただろう。


 それはつまり……。



「頼む、この通りだ……!」

「……(おもて)を上げるんだ、レーベ」



 ゆっくりと顔を上げたレーベ氏。

 僕は確りと彼の目を覗き込む、その瞳には強い意志が宿っていた。



「君は今、戦士としてでは無く、親として僕の前にいる。そう解釈していいね?」



 無理を承知で頼む。と言う言葉は、一方から見れば無理だと分かっているが、別の視点から見ると、それでも如何にかならないか。と言う思いがあると言う事だ。


 力の盟約と言う言葉からも分かる通り、レーベ氏には戦士として、一本筋の通った強い意志を、心を持っている。

 それと同時に、リオンが捕らえられ、泣かされた事に激しく(いきどお)る親心もある。


 今回の土下座は、戦士の心よりも親心が強い事を表しているのだ。



 果たして、レーベ氏は僕と目を合わせたまま、コクリと、強い肯定の意を示した。



「ではレーベ、リオンと言う大きな力を使えない対価、如何(いか)にして払う?」

「……この身を捧げ——」

「——それは最初から決まっていた事だろう?」

「くっ……」



 レーベ氏は苦り切った表情を浮かべている。


 ルヘーテの血盟だか力の盟約だかは知らないが、例え演技で有ろうとも、どうやっても僕が勝っていた事実は変わらない。



 まぁ、対価なんてどうでも良いが。


 大事なのは、彼の中で確りと僕に服従する気持ちを固める事である。



「レーベ、分かっているね?」

「……ああ、力の盟約に……従おう」

「それではリオン、命令だ」



 苦悶、苦痛、そんな表情のレーベ氏。


 此方を睨み付けている様であるが、僕は何処吹く風とリオンへ視線を移す。



「リオン、君はこの後向かう迷宮がある町で、危急時以外レーベと一緒に狩りをしていて欲しい。衣食住は保証しよう」



 そう伝えると、レーベは驚いた様に僕を見た。

 僕はそれへウインクして見せる。


 と言うか、リオンのレベルで苦しむ様な事って、そうそう無いと思うんだ。



 レーベは口元に笑みを浮かべ、ビシリッと凍り付いた。



「——オレ……ねーちゃんと一緒が良い」



 ……取り敢えず指示の内容は都度考えよう。だからレーベ、泣かないで。





 レーベがリオン復活後、直ぐに此処へ来れたのは、2人が付けている同じデザインの腕輪が関係しているらしい。

 その腕輪は特殊なマジックアイテムであり、お互いの居場所が分かる他、日に一度、その場所へ転移する事も出来る。


 つまり、レーベは過保護なのだ。



 戦いの気配を感じ取り、様子見に来たリェニとルェルァに、新しい仲間が増えた事を伝えた。


 4人は軽く挨拶を交わし、軽く話しをした後、リェニとルェルァは遺跡開発に戻って行った。



 その後、戦いの跡が残る荒地を軽く整地し、ちょっとした後処理を終え、レーベに獅子獣人に変化して貰ってから、王都へ向かった。



 爺様達が復活するのは、新しく2人が増えた為、明後日の朝頃になる。


 全員が復活するまで王都からはあまり離れたく無いし、しばらくは僕の支配地の開発に専念しよう。



 差し当たってやる事は、


・貴族街の改修。

遺跡(インヴェルノ)の改修。

拠点の島(スノー)の開発。

・王都地下の整備。



 遺跡は妖精とエルフに任せるとして、拠点の島は後回しで良いだろう。

 王都地下の整備は、時間がある時に纏めてやってしまおう。


 貴族街の改修も、直ぐに必要と言う訳では無いが、貴族達が残して行った家具や、魔法道具なんかがあるのを密かに期待している。

 獣亜人の子達もいるので、パパッと良い屋敷を作って上げよう。



 他に王都近郊で出来る事と言えば、


・鍛錬島の攻略。

・迷宮の作成と調整。

・新たな装備の開発、作成。

・兵士やプレイヤーの強化。



 などなど、明後日までには色々と終わらせられるだろう。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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