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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第九節 王都近郊の攻略

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第21話 vs.レーベ・ルヘーテ

※260万PV達成



第六位階上位

 



 ズシン、ズシンと重い音を立て、悠然と歩く赤獅子、レーベ・ルヘーテ。



 その瞳は憤怒故か、鬣と同じくらい赤く染まっている。



 僕の周りにいる子達は、全員が前に出て、それぞれが魔力を滾らせ、獅子を威嚇している。



 そんな中、一番最初に飛び出したのは、ラース君とルーベルの2人だった。


 どちらも、身体強化系のスキルを持った強者である。



 最初に仕掛けたのはラース君。



 超高速で接近すると、低姿勢からの、全体重と勢いを乗せた右フックを、獅子の膝裏に叩き込んだ。




 ——ドゴォォンッ!!




 轟音。



 肉と肉がぶつかり合ったとは思えない程の衝撃音が響いたが、どうやらレーベ・ルヘーテには効いていない様だ。



 身動ぎ一つせず獅子は視線だけでラース君を見下ろした。次の瞬間——



 ——ルーベルの拳と獅子の裏拳が衝突した。



 限界突破を使用したらしいルーベルの一撃は、先の衝突よりも大きな衝撃音を鳴り響かせ、拮抗する。


 しかし、それも一瞬の事。




 ——ルーベルは吹き飛ばされた。




 それだけでなく、ラース君も、回り込もうとした行動を読まれ、軽めの後ろ蹴りをくらっていた。


 ギリギリの所で防いだ様だが、腕が半ばから千切れている。




 ほんの一瞬、僅かな時間の交錯であったが、獅子の瞳からは怒りが溶け消え、理性の光が戻っていた。


 一撃一撃は確かに強力だが、込められた殺意は軽めである。


 どうやら、僕とリオンの状態を見て、何かの誤解が解けたらしい。


 そして、レーベ氏は僕が気付いている事に気付いた様子だ。

 それだけでも、極めて高い知能を有している事が分かる。


 折角の機会なので、配下の皆がどの程度やるのか、僕の指示無しでどう動くのかを見ておこう。


 取り敢えず、レーベ氏にウインクしておく。


 レーベ氏は僕の事を見て一瞬困った様な表情を浮かべたが、直ぐに先と同じ様に、怒り狂った獅子の如き演技を始め、先にも劣らぬ咆哮を上げた。



「とーちゃむぐっ!?」



 とーちゃんね。すると彼も獅子頭の悪魔王では無いと言う事になる。


 さっきの怒りは、『娘を泣かせたのはてめぇらかっ!』と言った感じであろうか? 大正解である。


 取り敢えず、リオンは撫でさすって黙らせよう。



「……」

「ふへぁ……」



 僕がそんな事をしている間に、戦闘は再開していた。





 降り注ぐ雷霆。



 青白い光と赤黒い炎が獅子を包み、火と水、風、土の大槍や爆弾が雨の様に打ち込まれる。


 そんな攻撃の嵐に晒された赤獅子は、しかし、平然と腕を組み、巌の如く大地を踏みしめている。



 ……雷霆の時だけちょっと痛そうにしているが。



 まぁ当然だろう。

 何せ雷撃は1回に8割程の魔力が乗せられている。『神鳴り』には劣るが、十分な威力だ。



 それらの攻撃を全身に受け、平然としている様に見えるレーベ氏。

 しかし、魔覚で見ると、ゴリゴリ魔力が削られて行く様子が良く見える。


 結局、魔法攻撃をしている子達が魔力切れになり、レーベ氏の魔力を4割程度削るに留まった。



 攻撃の嵐が終わるや否や、ウルルの吠え声が響き、粉塵も晴れぬ内にウルル率いる狼と犬の子達が飛び込んで行った。何故かミュリアも。



 煙の中に消えて行った彼等を、視界では何も捉える事は出来ないものの、魔覚では何が起きているのか良く分かる。



 真っ直ぐに飛び込んで行ったウルルは、レーベ氏の一撃を紙一重で回避し、腕に牙を突き立てた。


 しかし、レーベ氏はそれに構わず腕を振るい、迫っていたネロへウルルを振り下ろした。



 すんでのところでネロは回避し、ウルルは赤獅子を離して体を捻り着地する。


 続け様に、四方八方から赤獅子へ襲い掛かる犬と狼達は、しかし、赤獅子の被弾を無視した重い連撃によって迎撃されていく。


 牙を突き立て、爪で切りつけ、確実に魔力を削っているが、それもまた微々たる物。

 弾き飛ばされ戦闘不能になる子達が増えて行く。



 土煙が晴れる頃には、残っていたのはウルル、ネロ、ミュリアの3体だけ。


 他の子達は、事前に魔力を消費していた事もあり、一撃かニ撃で沈んでしまった。



 赤獅子の周囲から仲間が居なくなったこの瞬間、今まで隙を伺っていたミュリアが動いた。



 唐突に、ミュリアから光の線が放たれる。


 僕の使うホーリーレイに似ているが、威力も規模も桁違いに大きい。

 天使が使った物に良く似た光の柱。


 閃光はレーベ氏を包み込み、海の彼方へと消えて行った。



 後に残ったのは、煙りを上げながら腕をクロスしているレーベ氏と、魔力切れと精神力切れで倒れたミュリア。

 レーベ氏の膨大な魔力を、単独で2割程も削ってみせたのは、流石は元七聖賢と言ったところか。



 これで削った魔力は6割と少々。



 皆は何処までやれるかな?



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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