第15話 配下の確認 六 最終確認
第六位階上位
悪魔を解放する前に、最後の配下の確認をしておこう。
先ずは、白雪とその仲間の4体。
白雪は、進化して服装が少し豪華になった他、魔力が回復して元の大きさに戻りつつある。
今は僕より少し大きい程度の身長である。
能力的には大精霊。
今の白雪なら、王都を丸々一つ氷で閉ざす事が出来るだろう。
氷白は、能力から見ると白雪と大差無い。
非常に強力な大精霊である。
違う点は魔力の質。
白雪の魔力は、その殆どが雪か氷の属性なのに対し、氷白は殆どがただの魔力。
汎用性は氷白の方が高いが、瞬間的な出力は白雪の方が圧倒的に高い。
スノーヴァナルガンドは、2色のヴァナルガンドと違って、毛がモフモフしている。
属性別進化と地形対応進化では性質が異なるのだろう。
氷のブレスを吐いたり、氷の槍を飛ばしたり、氷の鎧を纏ったりと自由自在。
汎用性はそこそこに高いと言えるだろう。
氷皇・阿修羅は、腕が六本ある巨大な鎧の氷像だ。
冬将軍の超強化個体なので、氷のブレスも吐けるし、練習用の中身を抜いた武器も作れる。
続いてルカナ。
帝級に進化したルカナは、見た目には殆ど変化が無い。
翼や尾、角を出せば何かしら変わっているのだろうが、相変わらずの子供体型である。
能力面の強化は、魔法耐性と適性の強化が主で、魔力関係のスキルが多く取得されていた。
次に、スライムズと妖精達。
妖精達は、例によって戦力として数えていないが、リェニとルェルァは別だ。
先ずリェニ。
彼女は、様々な魔法を使える他、指揮、使役系のスキルが充実している。
調薬や細工、農作などの技能もある様で、言うなれば多芸である。
汎用性は高い。
ルェルァは、宝石魔法と言う特殊なスキルを習得している。
リェニと比べると能力的には下位互換と言えるが、宝石生成と言う何とも魅力的な響きのスキルを持っていた。
結局の所妖精達は後方支援部隊と言う事だ。
スライムズは、グランドスライムズに進化して、合体時の大きさは分からないもののちょっと洒落にならないくらいのスライム軍団になっていた。
僕の身長の3倍くらいはある巨大なスライム達が、王都三つ分くらいの空き地から溢れ出しているのだ。
核があるとは言え、これらを殲滅するのは少々骨だ。
そして最後、合成獣達。
キマイラは、体高がおよそ3メートル、ヤギの部分はおよそ5メートル。体長は蛇の長さも合わせて15メートル程。
中々に巨大な獣である。
能力は、獅子の頭が炎のブレス、蛇の頭が毒のブレス、ヤギの頭が拘束系の魔法や火、闇の魔法を使う。
翼にはちゃんと飛行能力があり、巨体の割に俊敏。
討伐難度はそこそこ。
グリフォンは、体高およそ4メートルの魔物で、風の魔法を使う。
実力的に考えると、鷲君に少し劣る程度だろうか?
スピンクスは、グリフォン達より少し大きいくらい。
土と砂、水の魔法を行使可能で、その他だと、剣術や槍術のスキルを持っている。
ケンタウロスの様な形状をしているので、巨体に合わせた槍を持たせれば上手く扱ってくれそうだ。
マンティコアは、他と比べるとやや小さく、3メートル程。
使う魔法は、闇と毒、呪い。
敵を弱体化させて狩るのが基本スタイルらしい。
物理的な戦闘能力は、メイスの様な尾や、爪を使える程度。
程々に強いと言った所だろう。
アメミットは、砂と水の魔法を行使可能、特殊なスキル『魂喰み』で相手の魂に直接ダメージを与える事が出来るらしい。
鰐の頭部は牙が鋭く、獅子の上半身は爪が尖り、河馬の下半身は見た目以上に重く硬い。
そこそこに強い感じの魔物だ。
最後にタラスク。
彼は全身これ凶器、と言って差し支えない見た目をしている。
体高およそ5メートル、全長およそ20メートル。
どちらかと言うと鰐の様に薄べったい体型をしている。
機動性は、遅いとは言わないが二次元的で、結構読み易い。
ただし、防御力は他の合成獣達の中では1番で、亜竜と言うだけの事はある。
……そう言えば、キマイラには蛇が付いているが……キマイラも亜龍なのだろうか?
翼もあるし、ヤギの頭に角もある。
……龍かな?
その旨をミルちゃんに聞いて見た所。
「あれの何処が龍に見えるのですか……」
呆れた様に返されてしまった。
「角も翼もあるけど?」
「……蛇の身に角や翼があるのなら龍と呼べるでしょうが、あれの本体は獅子です。精々亜龍の端くれと言った所でしょう」
「ふーん」
一応は亜龍に分類する事も可能と言う事か。
合成獣達を見ながら頷くと、ルカナが近付いて来た。
「訂正すると、キマイラの本体は最も賢い首と言われているわ。大体の場合はヤギ。次点で蛇ね」
「む……」
「ふふん」
どうやらルカナの方が知識量は多い様である。
まぁ、生前のミルちゃんは人化出来なかったらしいし、情報源は賢神グリエルか大賢者達のみ。
ミルちゃんにとって不要な情報は教えられていなかったのだろう。
「因みに、過去に存在したキマイラの中には、蛇の身が進化して翼と角を持った個体もいたそうよ」
「へぇ、そうなんだ」
「あくまでも伝説上の存在としてだけどね」
悪魔にとっての伝説上とは、一体どれ程昔の話なのだろうか。
まぁ、確認は終わったので、悪魔と戦う準備に移ろうか。




