第14話 配下の確認 五 伝説の再来
第六位階上位
二色のヴァナルガンドは犬魔王達に少し似ているが、より体型がスマートで毛が長い。
スキル系統から見ても犬魔王に近く、どちらかと言うと移動系のスキルが充実している。
ヴァナルガンドには空歩スキルがあり、遠距離攻撃が出来るブレス系スキルもあるので、相性的にはヴァナルガンドの方が犬魔王より強い。
森賢狼は、リゼルコルン同様に植物魔法が使える。
魔導生成で配下を生成する事も可能で、雑魚狩りに向いている。
ナイトメアウルフ・ロードは黒い狼の魔物。
闇と影の魔法が行使可能で、影渡りと言うスキルを持っている。
超狼人と言う種のルーベルは、見た目的にも特におかしな所は無い狼人だ。
超の要素は魔力関連に有り、スキル『身体強化』や『限界突破』などで瞬間的に戦闘力を大幅強化出来る。
その他だと、各種魔法耐性や単純な能力強化系スキルを持っている様だ。
アニマルズ最後は、聖狼人のミュリア。
僕の横にはメロットが控えている。
「『召喚ミュリア』」
光が薄れ、現れたミュリアは僕を見て——
ミュリア・リーズベルト LV390 状態:発情
「くぅーん」
——発情した。
いや、想定通りだが。
……と言うか、名前が変わってる。リーズベルトって……。
四つん這いになって僕の足へと擦り寄って来たミュリアは、撫でろと言わんばかりにお腹を見せた。
取り敢えずメロットに指示を——
「——っ!? ミュリアなの!?」
「む?」
アルネアが寝転がるミュリアに飛び付いた。
アルネアの知り合いか……となるとやっぱりこの子は『ミュイア・リーズベルト』なのかな?
ミュリアは突然の事態に目をパチクリしていたが、ふと、その青い瞳に理性の光が戻った。
ミュリアは暫しアルネアの顔を見詰め——
「……アル……ネアさん……?」
——言葉を発した。
しばらく呆然とアルネアに抱き着かれていたミュリアは、我に帰ると、頰を朱に染めて口元を歪め、アルネアの背中に手を回した。
それに気付いたらしいアルネアが、ミュリアの顔を見て、即座に突き飛ばした。
「ぁいたっ」
「顔がキモイの。死んでも治らなかったの?」
「酷いですよぉ……死んでも? そう言えば私……」
◇
3人で少し話をすると、彼女が間違いなく『ミュリア・リーズベルト』である事が分かった。
伝承に伝えられている『ミュイア・リーズベルト』は、名前の間違いなのだとか。
他の人達や伝承にも所々間違いや誇張があるとかで、詳しい内容は後で聞く事となった。
また、ミュリアは伝承の通り、獅子頭の悪魔王を封印して死んだらしい。
悪魔王の寝込みを襲い、眠っている間に封印したのだそうだ。
どうして今になって狼として転生したのか、と言う疑問には、心当たりがあるらしい。
——悪魔王の封印が解け掛かっている。
自らの魂を要にして封印を施す、特殊な封印術。
それが綻んだ事で、ミュリアの魂が外に流れ、偶々狼の赤子に宿ったのだろうとの事だ。
尚、ミュリアは可愛い物好きのバイであり、重要な話しの途中、僕とミルちゃんを見て『……姉妹丼……ふへへ』とニヤついていた。
それに対してミルちゃんは、僕を庇う様に抱き寄せ、『穢れます。見ないでください。捻り潰しますよ?』と言う辛辣な言葉を放った。しかし……。
『この苛烈なお言葉っ……! まさか、ミール姉様ですか!』と、何故か頰を更に染めて興奮し出した。
どうやら同じやり取りが以前にもあった様なのだが……生前のミルちゃんは人化出来なかったと聞いている。
…………つまり、人じゃなくても何でも良いんだね。
取り敢えず、ミュリア、アルネア、ミルちゃんの痴話喧嘩は放っておいて、僕はインベントリ内でとあるアイテムの解析を行っていた。
——悪魔封印の棺。
おそらく、ミュリアが悪魔を封印したのはこのアイテムだろう。
取り付けられている悪魔の宝珠の魔力量は、氷獄の宝珠と同じくらい。
どうやら、内部の者から魔力を吸い出し、その魔力を宝珠に貯め込む封印が為されている様だ。
しかし、長い年月を掛けて封印道具が劣化し、封印が解け掛かっている。
術式は殆ど完璧だが、悪魔を殺し切る前に道具が限界を迎えるだろう。
リオン・ルへーテ サブナク LV603 状態:休眠
中に封印されている悪魔は、リオン・ルへーテと言う名前でサブナクと言う種族らしい。
弱体化している様だし、レベル的には倒せない事もない。
折角の宝珠が自由に使えないのは勿体無いので倒すなり従えるなりしてしまおうか。
伝説(笑)の再来。。。




