第9話 現状把握
第六位階上位
遺跡は、遠目から見ても人外魔境であった。
旧市街跡地の8割が森に変わり、まるで古代遺跡の様な有様になっている。
そんな遺跡内部には、複数の巨大な魔物が窮屈そうに押し込められていた。
一番目立つのは、巨大蟹のクリカだ。
色取り取りの結晶が、陽光を浴びて光り輝いている。
結晶に魔力が蓄えられているので、感じられる魔力量は見た目以上に多い。
キャッスルゴーレムになったイェガは、人型の巨人で、名前の通り城の様な姿をしている。
かなりの重量級な上、どうやら使われている金属は大精霊金属クラス。属性は硬属性。
つまり、硬くて重くて大きくて、様々なギミックが隠されている化け物。
弱点である核は、防御属性の魔力によって厳重に保護されているので、イェガを斃し切るには保有魔力の8割くらいは掛かるだろう。
……武器が無かったらかなり厳しい戦いになりそうだ。
死神と遭遇した旧城跡地は、今や白い何かで覆い隠され、中を伺う事は出来ない。
おそらく、と言うか十中八九蜘蛛さんの仕業だろう。
聖天銀になった三巨像さんは、遺跡を守る様に布陣し、スライム海を見下ろしている。
その近くの朽ちかけた外壁の上には、竜王になったミルちゃんが立ち、此方をじーっと見つめていた。
形状が生前と異なる様で、生前のミルちゃんを獣型とすると、今のミルちゃんは人型である。
他には、巨大な熊、鹿、猪が瓦礫の上に座り込んでいるのが見える。
勝手に進化させた僕が悪かったよ。
◇
遺跡に到着すると、エルフの代表や妖精達にエイジュとエルミェージュを救出した旨を報告した。
エルミナ含むエルフ達は、まるで敬虔な信徒が神託を受けるかの様に僕の言葉を聞いていた。
一体彼らに何が起きたと言うのか。
そんなこんなで依頼をクリアし、地面に這い蹲る様にして僕を見送るエルフ達を放置して、配下の回収に向かった。
エルフ達の防衛に残すのは、妖精達とスライムズ。
敵がいない以上防衛力過多ではあるが、ここ数十日の間にやって来た敵の質と量を考えると、僕の知らない勢力が来ないとも限らないのである。
用心するに越した事はない。
……さて、竜帝何某のせいで色々と予定が中途半端になってしまった。
取り敢えず今の状況を整理しよう。
先ずは王都。
王都内部で僕がやる事は、
・貴族街の解体と整備。
・褒賞の受け取り。
・兵士の強化。
・レイーニャ復活後の猫達の処遇決め。
・地底湖の迷宮攻略。
王都周辺でやる事は、
・東にある海の先の確認。
・北にある森の先の確認。
・西にある崖の先の確認。
・洞窟を抜けた先にある街や沼地、森の確認。
・プレイヤーが捨てた資材の回収。
・眷属化してしまった2人の経過確認。
鍛錬島でやる事は、
・各種迷宮の完全攻略。
・楽園の守護者の調査。
・特殊な迷宮の攻略。
・僕の迷宮の強化。
拠点の島でやる事は、
・農園の進捗確認。
・街の修復。
・島周辺の海域の探索。
その他だと、
・所持している本の読破。
・新装備の開発。
・魔力の収集。
取り敢えずはこんなところだろうか……?
……やる事有り過ぎだよ……。




